こちらは「かじき座」にある約2000万光年以上先の渦巻銀河「NGC 1566」です。50個近い銀河で構成されている「かじき座銀河群」で最も明るい銀河として知られているNGC 1566は、渦巻銀河と棒渦巻銀河の中間にあたる形態を持つ銀河(intermediate spiral galaxy)に分類されています。
明るい輝きを放つNGC 1566の中心部分からは、2本の渦巻腕(渦状腕)が力強く伸びています。その姿から海外では「Spanish Dancer」(スパニッシュダンサー、スペインのダンサー)の愛称でも呼ばれており、渦巻腕がはっきりと目立つグランドデザイン渦巻銀河(grand design spiral galaxy)のひとつにも数えられています。
この明るい中心部分は狭い領域から強い電磁波が放射されている活動銀河核(AGN)であり、NGC 1566は活動銀河核を持つ活動銀河の一種(セイファート1型)としても知られています。画像を公開した欧州宇宙機関(ESA)によると、NGC 1566の中心には太陽の数百万倍の質量を持つ超大質量ブラックホールが潜んでいる可能性があるようです。
冒頭の画像は「ハッブル」宇宙望遠鏡に搭載されている「広視野カメラ3(WFC3)」を使って取得された画像(紫外線・可視光線・赤外線のフィルター合計5種類を使用)をもとに、写真共有サービス「Flickr」ユーザーのDet58さんが画像処理を施した上で、2012年に実施されたESA主催の画像コンテストに応募した作品です。ESAからは2014年6月2日に公開されており、アメリカ航空宇宙局(NASA)のハッブル宇宙望遠鏡Twitter公式アカウントが2022年9月14日付で改めて紹介しています。
Shine bright like NGC 1566 🤩
This stunning spiral galaxy glitters from 40 million light-years away!
In this #HubbleClassic image, NGC 1566’s luminous core might host a supermassive black hole with millions of times the mass of our Sun.
Discover more: https://t.co/vC23hrn4HQ pic.twitter.com/5lZ0yQlbvZ
関連:偶然重なり合って見えている2つの銀河 ハッブル宇宙望遠鏡が撮影
Source
Image Credit: ESA/Hubble & NASA; Acknowledgement: Flickr user Det58 ESA/Hubble - Grand swirls文/松村武宏