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チャージしたSuicaを交通費とそれ以外で利用した場合の経費計上の時期

相談LINE 2021年1月21日 19時0分

suicaにチャージして交通費に充てることは多くありますが、この場合経費計上するタイミングは原則としてチャージしたタイミングではなく、交通費を支出した時期になります。チャージはお金を預けたことと一緒であり、実際に交通機関からサービスを受けた訳ではないからです。しかし、この取扱いには例外があります。

■suicaは物品切手

消費税の取扱いですが、suicaは物品切手に当たるとされています。物品切手は商品券などを意味しますが、プリペイドカードは物品切手に該当すると消費税の通達で明記されていますので、suicaのチャージも物品切手に当たるとされます。

物品切手に関する消費税の取扱いですが、商品券などを購入しても、その購入の時点では消費税は非課税とされ、消費税の控除が認められないのが原則です。Suicaのチャージと同様、物品切手はそれを使って商品などと引き換えたタイミングで消費税の経費になるとされているからです。

しかしながら、物品切手のこの取扱いの例外として、自分が給付を受ける商品券などについては、継続適用を要件に、物品切手を購入したタイミングで消費税の経費として認められるとされています。すなわち、suicaの交通費についても、それを使うのは自分ですから、継続適用していればチャージしたタイミングでチャージした料金について、交通費として経費として認められることになります。

■交通費用としてsuicaを分ける必要も

ところで、suicaは交通費だけでなく、飲食代など私用なことにも使えます。当然のことながら、このような私用な費用については経費になりません。それどころか、私用な費用を経費とすれば、後日の税務調査でそれは使用した役員などに対する賞与として源泉所得税が課税される場合もあります。

このため、suicaについて、チャージした段階で経費とするのであれば、事業用の交通費に使途を限定する、といった対応を考えた方が望ましいと言われます。こうすることによって、私的な費用が混じる可能性がなくなり、処理が簡便になるからです。


■混じる場合は原則処理で

なお、私的な経費が混じる場合は、その使用時に経費とするという原則的な処理をするのが妥当と考えます。チャージした未使用分について前払金などの資産科目とするのが煩雑になりますが。

■専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在の専門は元国税調査官の税理士として税務調査のピンチヒッターと税務訴訟の補佐。税法に関する著書、講演、取材実績多数。税務調査対策術を無料で公開中。

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