個人が資産を譲渡した際の特例の一つとして、交換特例があります。これは、自分が持っている土地を他人の土地と交換するような場合に適用される特例です。交換はお金を動かさずに行われることが多く、そうなると譲渡所得税が課税されるのに現金ベースでの収入金額がなく困ることから、このような特例が設けられています。
■交換特例の要件
交換特例の適用要件は、以下とされています。
1 交換による譲渡資産と、交換による取得資産は、いずれも固定資産であること。
このため、販売用の土地や建物、機械装置は対象になりません。販売用であるため、固定資産ではなく棚卸資産とされるからです。
2 交換による譲渡資産と取得資産は、いずれも土地と土地のように同種の資産であること
3 交換による譲渡資産は、1年以上所有していたものであること。
4 交換による取得資産は、相手が1年以上所有していたもので、かつこの交換のために取得したものでないこと。
5 交換による取得資産は、譲渡資産の交換直前の用途と同じ用途に使用すること。
6 交換による譲渡資産の時価と取得資産の時価との差額が、いずれか高い方の価額の20%以内であること。
細かい要件が設けられているため、適用誤りがないよう注意が必要です。
■交換差金の取扱い
上記の6などをご覧いただければ分かる通り、交換特例は交換による譲渡資産と取得資産の等価交換を前提としています。等価交換ということは、従来から持っていた譲渡資産の価値と新しく取得する取得資産の価値が同じということで、譲渡したということをなかったことにしても大きな問題にはならないので、特例として譲渡所得に対する課税を繰り延べることとしているのです。
その一方で、20%までは両者の差が生じても問題ないとしています。このため、その時価の差が生じる部分について、お金をやり取りして等価交換とすることも認められます。交換に際し、時価の差部分についてやり取りする金額を交換差金と言いますが、税務の取扱いとしては、この部分については通常の譲渡と同じ取扱いとする、というのが原則です。
■専門家プロフィール
元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開し、税理士を対象としたコンサルティング業を展開。
※注意事項:記載については、著者の個人的見解であり正確性を保証するものではありません。本コラムのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、著者は賠償責任を負いません。加えて、今後の税制改正等により、内容の全部または一部の見直しがありうる点にご注意ください。
■交換特例の要件
交換特例の適用要件は、以下とされています。
1 交換による譲渡資産と、交換による取得資産は、いずれも固定資産であること。
このため、販売用の土地や建物、機械装置は対象になりません。販売用であるため、固定資産ではなく棚卸資産とされるからです。
2 交換による譲渡資産と取得資産は、いずれも土地と土地のように同種の資産であること
3 交換による譲渡資産は、1年以上所有していたものであること。
4 交換による取得資産は、相手が1年以上所有していたもので、かつこの交換のために取得したものでないこと。
5 交換による取得資産は、譲渡資産の交換直前の用途と同じ用途に使用すること。
6 交換による譲渡資産の時価と取得資産の時価との差額が、いずれか高い方の価額の20%以内であること。
細かい要件が設けられているため、適用誤りがないよう注意が必要です。
■交換差金の取扱い
上記の6などをご覧いただければ分かる通り、交換特例は交換による譲渡資産と取得資産の等価交換を前提としています。等価交換ということは、従来から持っていた譲渡資産の価値と新しく取得する取得資産の価値が同じということで、譲渡したということをなかったことにしても大きな問題にはならないので、特例として譲渡所得に対する課税を繰り延べることとしているのです。
その一方で、20%までは両者の差が生じても問題ないとしています。このため、その時価の差が生じる部分について、お金をやり取りして等価交換とすることも認められます。交換に際し、時価の差部分についてやり取りする金額を交換差金と言いますが、税務の取扱いとしては、この部分については通常の譲渡と同じ取扱いとする、というのが原則です。
■専門家プロフィール
元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開し、税理士を対象としたコンサルティング業を展開。
※注意事項:記載については、著者の個人的見解であり正確性を保証するものではありません。本コラムのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、著者は賠償責任を負いません。加えて、今後の税制改正等により、内容の全部または一部の見直しがありうる点にご注意ください。