ある職種・職務に従事する人に対しては守秘義務が存在します。代表的な例としては公務員、弁護士、医師などです。職務上知り得た秘密を正当な理由なく漏らした場合、処罰の対象となりますが、「正当な理由」かどうかの解釈には非常に難しい問題があります。例えば組織の不正行為を知り、告発することによって確保される利益と、その人の守秘義務違反による不利益とどちらが優先されるべきかなど、個別の事案で考えざるを得ないのが現状です。
今回は医師の守秘義務について、例えば患者さんの尿検査で覚せい剤の陽性反応がでた場合、警察に通報すると守秘義務違反になるのかどうかを濱悠吾弁護士に聞いてみました。
■医者が患者の尿検査に際して、覚せい剤の陽性反応が発覚!警察に通報したら守秘義務違反?
医師の守秘義務は、刑法134条で定められています。
「『医師、薬剤師、・・・の職にあった者』が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の『秘密を漏らした』とき」は、「6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。」
そして、ここでいう「秘密」とは、一般に、「少数者にしか知られておらず、他人に知られることが本人の不利益となるもの」と言われています。
患者の体から覚せい剤反応が検出された場合には、覚せい剤の使用・所持(覚せい剤取締法違反)が疑われますから、患者にとって知られることは不利益な事実であり、「秘密」にあたるといえます。
そのため、刑法134条を見ると、守秘義務違反が成立しそうにも見えます。しかし刑法上、「正当な業務による行為」は、犯罪が成立しないものとされています。例えば、ボクシングの選手が試合で相手を殴る行為(本来であれば暴行罪や傷害罪に該当)等です。
最高裁判所の判例は、設問と同様のケースについて「医師が,必要な治療又は検査の過程で採取した患者の尿から違法な薬物の成分を検出した場合に,これを捜査機関に通報することは」、上記の正当行為に該当するとして、守秘義務に違反しないと判断しています。
今回は医師の守秘義務について、例えば患者さんの尿検査で覚せい剤の陽性反応がでた場合、警察に通報すると守秘義務違反になるのかどうかを濱悠吾弁護士に聞いてみました。
■医者が患者の尿検査に際して、覚せい剤の陽性反応が発覚!警察に通報したら守秘義務違反?
医師の守秘義務は、刑法134条で定められています。
「『医師、薬剤師、・・・の職にあった者』が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の『秘密を漏らした』とき」は、「6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。」
そして、ここでいう「秘密」とは、一般に、「少数者にしか知られておらず、他人に知られることが本人の不利益となるもの」と言われています。
患者の体から覚せい剤反応が検出された場合には、覚せい剤の使用・所持(覚せい剤取締法違反)が疑われますから、患者にとって知られることは不利益な事実であり、「秘密」にあたるといえます。
そのため、刑法134条を見ると、守秘義務違反が成立しそうにも見えます。しかし刑法上、「正当な業務による行為」は、犯罪が成立しないものとされています。例えば、ボクシングの選手が試合で相手を殴る行為(本来であれば暴行罪や傷害罪に該当)等です。
最高裁判所の判例は、設問と同様のケースについて「医師が,必要な治療又は検査の過程で採取した患者の尿から違法な薬物の成分を検出した場合に,これを捜査機関に通報することは」、上記の正当行為に該当するとして、守秘義務に違反しないと判断しています。