今まさに犯行を行っているか、あるいは終わった後であれば誤認逮捕の恐れが無いことを理由に、逮捕状がなくても、現行犯の逮捕は、一般人にも認められています。
勿論、現行犯逮捕にあたっての条件は法律でも定められていますが、もしも自分が現行犯逮捕をするような状況に出くわしたら、どんなことに気をつけるべきでしょうか。勢い余って、相手を怪我させてしまうとどうなるのでしょうか。今回は鈴木翔太弁護士に聞いてみました。
■現行犯人逮捕の際、相手に危害を加えてしまったら責任を問われるのでしょうか
一般市民が犯罪を目撃し,犯人を現行犯人として逮捕しようとした際に,現行犯人を負傷させてしまった場合,一般市民は刑事上・民事上の責任を負うのでしょうか。
逮捕は,個人のプライバシー等の権利を制限する可能性があるとして,裁判官又は裁判所が発する令状(憲法33条・35条)によらなければならない強制捜査の一つです。しかし,現行犯人逮捕の場合,犯人が明確で,緊急性が高いことから,令状なしで何人でも逮捕できるとされています。
犯人の腕をつかむ等,逮捕に伴う実力行使について,判例は,「社会通念上逮捕のために必要かつ相当であると認められる限度内の実力を行使することが許され,たとえその実力の行使が刑罰法令に触れることがあるとしても,刑法35条により罰せられないものと解すべきである。」としています(最判昭和50年4月3日)。
したがって,実力行使も社会通念上必要かつ相当な範囲であれば,法令に基づく行為であるとして正当行為(刑法35条)と評価され,犯人が負傷した場合も傷害罪(刑法204条)や暴行罪(刑法208条)の責任を問われることはありません。もっとも,その限度を超えた場合は刑法上の罪責を負うほか,故意や過失が認められる場合は民事上も不法行為(民法709条)責任を追及され,損害賠償責任を負うことになるでしょう。
勿論、現行犯逮捕にあたっての条件は法律でも定められていますが、もしも自分が現行犯逮捕をするような状況に出くわしたら、どんなことに気をつけるべきでしょうか。勢い余って、相手を怪我させてしまうとどうなるのでしょうか。今回は鈴木翔太弁護士に聞いてみました。
■現行犯人逮捕の際、相手に危害を加えてしまったら責任を問われるのでしょうか
一般市民が犯罪を目撃し,犯人を現行犯人として逮捕しようとした際に,現行犯人を負傷させてしまった場合,一般市民は刑事上・民事上の責任を負うのでしょうか。
逮捕は,個人のプライバシー等の権利を制限する可能性があるとして,裁判官又は裁判所が発する令状(憲法33条・35条)によらなければならない強制捜査の一つです。しかし,現行犯人逮捕の場合,犯人が明確で,緊急性が高いことから,令状なしで何人でも逮捕できるとされています。
犯人の腕をつかむ等,逮捕に伴う実力行使について,判例は,「社会通念上逮捕のために必要かつ相当であると認められる限度内の実力を行使することが許され,たとえその実力の行使が刑罰法令に触れることがあるとしても,刑法35条により罰せられないものと解すべきである。」としています(最判昭和50年4月3日)。
したがって,実力行使も社会通念上必要かつ相当な範囲であれば,法令に基づく行為であるとして正当行為(刑法35条)と評価され,犯人が負傷した場合も傷害罪(刑法204条)や暴行罪(刑法208条)の責任を問われることはありません。もっとも,その限度を超えた場合は刑法上の罪責を負うほか,故意や過失が認められる場合は民事上も不法行為(民法709条)責任を追及され,損害賠償責任を負うことになるでしょう。