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依頼者が過去に犯罪を犯していたことを知った弁護士が警察に通報したら守秘義務違反?

相談LINE 2015年1月9日 20時0分

弁護士には、依頼者の秘密を守らなければいけない守秘義務があります。依頼者は例え不利なことであっても、その安心感があるからこそ真実を打ち明けることができます。また弁護士としても、本当のことを話してくれることによって、依頼者のために十分な弁護活動をすることが可能になります。
弁護士が守秘義務に違反すると、弁護士会から懲戒処分を受けたり、依頼者に損害賠償責任を負うことになりますが、もしも弁護士が依頼者と相談を重ねるうちに、過去の犯罪を知り、それを警察に通報したとしても守秘義務違反になるのでしょうか?濱悠吾弁護士に話を聞いてみました。

■弁護士が依頼者と相談を重ねる内に、過去にある犯罪を犯していたことが発覚し、それを警察に通報したら守秘義務違反ですか?

弁護士の守秘義務は刑法134条で規定されると共に、弁護士法、弁護士職務規程でも規定されています。設問のケースのような場合に、弁護士が通報を行った場合には、守秘義務違反となることは避けられないでしょう。

弁護士は、刑事弁護の際には、被疑者及び被告人の防御権を侵害しないことを、第一に考えなければなりません。被告人が犯行を否認していた刑事裁判で、逮捕時に被告人の弁護人を務めていた(裁判前に辞任)弁護士が、面会で打ち明けられた犯人である旨の自白を証言したケースでは、後に懲戒処分が下されています。

しかし、依頼者から今後の殺人計画を打ち明けられたような場合には、話は別です。米国の弁護士業務模範規則では、守秘義務違反が許される場合の一つとして「死や重大な肉体的損害を与えることを防ぐため」を挙げています。依頼者を説得しても止められないような場合には、他社の生命・身体を守るため警察へ通報することもやむを得ず、守秘義務違反にはならないと思われます。

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