夫「俺は、家族みんなの為に、贅沢な思いをさせたくて、一生懸命がんばって夜遅くまで仕事をしてきた。だからこそ今の贅沢な暮らしができるようになった。それなのに妻は、家のことをかえりみないとか、子供たちと夕飯を一緒にできないと支度が面倒だとか文句ばかり」
妻「夫は、自分が仕事である程度結果を残し、それなりに生活に余裕が出てきたことを盾にして私を暇人扱いして、全ての家事を、おまえがやるべきだ!といいます。私がどれだけ大変な思いで家事をしているか分かってないんですよ」
もしもこんなケースで離婚となった場合の財産分与はどうなるでしょうか。夫からすれば汗水流して働いた財産をなんで妻にあげなければいけないんだ?!と思うでしょう。妻からすれば貰って当然と思うでしょう。
今回はその「財産分与」そのものについて、また対象外となる財産を蓮見和章弁護士にお話を聞いてみました。
■結婚期間中に二人で築いた財産を公平に分けましょうというのが財産分与
それではまず、財産分与とはどのようなものかを教えて下さい。
「財産分与とは、婚姻期間中にお互いが築いた財産を清算することです。夫婦は共同して生活をしている間、協力して一定の財産を形成しています。それは公平に分配しようというのが財産分与です」(蓮見和章弁護士)
「その財産の多くは夫婦の一方の名義になっている(多くは夫名義)になっていると思いますが、離婚時にはその名義の如何にかかわらず、夫婦共有の財産として扱われることになります」(蓮見和章弁護士)
公平に分けるということは、もしもあなたが専業主婦だった場合、結婚期間中に夫がかなりの金額を稼いだとしたら、貰える金額もそれに応じて高額になります。
■独身時代の貯蓄、親からの相続財産、別居後の財産は対象外!
しかし、その一方で対象外となる財産もあります。具体的にはどんな財産が対象外となるのでしょうか。
「あくまで夫婦が協力して形成した財産に限られますので、独身時代に蓄えた貯蓄や親から相続した財産、別居後に形成された財産は原則として財産分与の対象とはされません」(蓮見和章弁護士)
夫婦の協力関係が存在するかどうかという点で、単身赴任も別居と同じだと捉える方もいるのではないでしょうか。しかし単身赴任は、仕事上の都合という理由が存在し、そこには夫婦の協力関係が失われていないと一般的には評価されています。つまり単身赴任後の財産は、財産分与の基準時にはならないと言われています。
■財産分与は、離婚の理由に関係ない、正当な権利!
最後に、離婚の理由によっては財産分与の権利が失われたりすることがあるのかどうか教えてください。
「財産分与は、離婚の原因によって左右されるものではありません」(蓮見和章弁護士)
「不貞行為などをした有責配偶者でも財産分与は正当な権利として主張できます。有責配偶者に対しては別途慰謝料の請求で清算することになります」(蓮見和章弁護士)
『家族のために』という大義名分が、実は逆に悪影響を及ぼしていることは往々にしてあります。その思いが強くなればなるほど、お互いの溝は深まるでしょう。そして、それがいつの間にか離婚という階段をひとつひとつ上がっているのかもしれません。
妻「夫は、自分が仕事である程度結果を残し、それなりに生活に余裕が出てきたことを盾にして私を暇人扱いして、全ての家事を、おまえがやるべきだ!といいます。私がどれだけ大変な思いで家事をしているか分かってないんですよ」
もしもこんなケースで離婚となった場合の財産分与はどうなるでしょうか。夫からすれば汗水流して働いた財産をなんで妻にあげなければいけないんだ?!と思うでしょう。妻からすれば貰って当然と思うでしょう。
今回はその「財産分与」そのものについて、また対象外となる財産を蓮見和章弁護士にお話を聞いてみました。
■結婚期間中に二人で築いた財産を公平に分けましょうというのが財産分与
それではまず、財産分与とはどのようなものかを教えて下さい。
「財産分与とは、婚姻期間中にお互いが築いた財産を清算することです。夫婦は共同して生活をしている間、協力して一定の財産を形成しています。それは公平に分配しようというのが財産分与です」(蓮見和章弁護士)
「その財産の多くは夫婦の一方の名義になっている(多くは夫名義)になっていると思いますが、離婚時にはその名義の如何にかかわらず、夫婦共有の財産として扱われることになります」(蓮見和章弁護士)
公平に分けるということは、もしもあなたが専業主婦だった場合、結婚期間中に夫がかなりの金額を稼いだとしたら、貰える金額もそれに応じて高額になります。
■独身時代の貯蓄、親からの相続財産、別居後の財産は対象外!
しかし、その一方で対象外となる財産もあります。具体的にはどんな財産が対象外となるのでしょうか。
「あくまで夫婦が協力して形成した財産に限られますので、独身時代に蓄えた貯蓄や親から相続した財産、別居後に形成された財産は原則として財産分与の対象とはされません」(蓮見和章弁護士)
夫婦の協力関係が存在するかどうかという点で、単身赴任も別居と同じだと捉える方もいるのではないでしょうか。しかし単身赴任は、仕事上の都合という理由が存在し、そこには夫婦の協力関係が失われていないと一般的には評価されています。つまり単身赴任後の財産は、財産分与の基準時にはならないと言われています。
■財産分与は、離婚の理由に関係ない、正当な権利!
最後に、離婚の理由によっては財産分与の権利が失われたりすることがあるのかどうか教えてください。
「財産分与は、離婚の原因によって左右されるものではありません」(蓮見和章弁護士)
「不貞行為などをした有責配偶者でも財産分与は正当な権利として主張できます。有責配偶者に対しては別途慰謝料の請求で清算することになります」(蓮見和章弁護士)
『家族のために』という大義名分が、実は逆に悪影響を及ぼしていることは往々にしてあります。その思いが強くなればなるほど、お互いの溝は深まるでしょう。そして、それがいつの間にか離婚という階段をひとつひとつ上がっているのかもしれません。