報道によると、タイトーの創業者の妻の相続に関し、長女と長男が200億円の海外財産に対する相続税およそ100億円を納税せず、国税に異議を申し出ている模様です。
ここで相続人が主張しているのは、相続税の法改正そのものについて「周知期間が短い」ということです。
■国外に逃げても安心できなくなった相続税法の改正
平成25年度の税制改正により、平成25年4月1日以後の相続につき、相続人だけでなく、被相続人も海外に住所を移転しない限り、被相続人の全世界の財産に対して相続税が課されることになりました。
従来は、被相続人が日本にいても、相続人が海外に住所を移転すれば、その相続人は国内財産だけの課税で済んでいたのですが、こうなると簡単に金持ちの子供は海外に住所を移し相続税を逃れることができますので、そうならないよう改正が実現されたのです。
このため、上記の相続人は、改正前の制度であれば海外財産に相続税はかからなかったものの、改正後の制度が適用されることから100億円もの相続税の負担が発生したことになります。おそらくですが、相続人は改正前の制度を参考に、早いうちから住所を海外に移していたのでしょう。
■突如として現れた改正事項
「周知期間が短い」と相続人は反論しているわけですが、この反論が裁判所などに認められるかは別途、常識としては非常に合理的な話です。
平成25年度の税制改正は、民主党から自民党に政権交代したこともあり、通常は前年末に公表される税制改正大綱が、年を跨ぎ、平成25年1月29日に公表されています。税制改正大綱が公表されない限り、その内容は知りえないのが通常ですから、その分検討する時間が少ない、と見ることは不可能ではありません。
実際のところ、上記の改正は、私たち税理士でさえほとんど知らず、税制改正大綱を見て初めて驚愕した、というのが正直なところです。通常、このようなインパクトのある改正は、報道などを通じてあらかじめ伝えられることが通例ですが、そんな情報すらほとんどなかったわけで、えげつない税制改正であったことは間違いありません。
■死亡時期は平成25年12月
ただし、本件の相続は平成25年12月ですから、被相続人がそれまでに国外に住所を移転すれば足りたところ、相続人の反論が認められる可能性は大きくないと考えられます。国民に関係のない醜い政争の結果、周知が遅くなったことも事実ですが….
ここで相続人が主張しているのは、相続税の法改正そのものについて「周知期間が短い」ということです。
■国外に逃げても安心できなくなった相続税法の改正
平成25年度の税制改正により、平成25年4月1日以後の相続につき、相続人だけでなく、被相続人も海外に住所を移転しない限り、被相続人の全世界の財産に対して相続税が課されることになりました。
従来は、被相続人が日本にいても、相続人が海外に住所を移転すれば、その相続人は国内財産だけの課税で済んでいたのですが、こうなると簡単に金持ちの子供は海外に住所を移し相続税を逃れることができますので、そうならないよう改正が実現されたのです。
このため、上記の相続人は、改正前の制度であれば海外財産に相続税はかからなかったものの、改正後の制度が適用されることから100億円もの相続税の負担が発生したことになります。おそらくですが、相続人は改正前の制度を参考に、早いうちから住所を海外に移していたのでしょう。
■突如として現れた改正事項
「周知期間が短い」と相続人は反論しているわけですが、この反論が裁判所などに認められるかは別途、常識としては非常に合理的な話です。
平成25年度の税制改正は、民主党から自民党に政権交代したこともあり、通常は前年末に公表される税制改正大綱が、年を跨ぎ、平成25年1月29日に公表されています。税制改正大綱が公表されない限り、その内容は知りえないのが通常ですから、その分検討する時間が少ない、と見ることは不可能ではありません。
実際のところ、上記の改正は、私たち税理士でさえほとんど知らず、税制改正大綱を見て初めて驚愕した、というのが正直なところです。通常、このようなインパクトのある改正は、報道などを通じてあらかじめ伝えられることが通例ですが、そんな情報すらほとんどなかったわけで、えげつない税制改正であったことは間違いありません。
■死亡時期は平成25年12月
ただし、本件の相続は平成25年12月ですから、被相続人がそれまでに国外に住所を移転すれば足りたところ、相続人の反論が認められる可能性は大きくないと考えられます。国民に関係のない醜い政争の結果、周知が遅くなったことも事実ですが….