経営者に負担を与える税務調査ですが、この税務調査が唯一感謝される機会として、従業員や役員の横領の発見があります。中小企業の場合、社内のチェックが行き届いていないこともあって、従業員や役員が経営者の目を盗んで私服を肥やす、という事態は少なくはありません。
税務調査は、会社の奥深くの状況までチェックするものですから、税務調査を機に横領が見つかる、というケースはかなり多くあります。
■横領が見つかって嬉しい半面…
税務調査で横領が見つかる場合、経営者としては非常にありがたく思うものですが、それに伴ってかなりの税金が発生することにも注意しておく必要があります。
例えば、経理担当課長が、3年前に架空の経費を3000万円支払ったことにして、会社の預金から横領を行ったケースを考えてみましょう。この場合、架空の経費は法人税の経費になりませんので、3000万円の経費が否認されるとともに、横領された損失は会社の損害ですから、その損失は経費として認められます。しかし、それと同時に、3000万円の損害賠償請求を経理担当課長に行うことができますから、その金額は、会社の利益、と認定されることが通例です。
つまり、3000万円も横領されているのに、3000万円に相当する税金も支払わなければならない、というどうにも釈然としない指導が税務署からなされるのです。
■回避するために…
従業員や役員の不正に全く気づいておらず、多額の横領で大きな損失を出し、かつ膨大な税金も納めさせられる。こんなリスクがあるのが、横領なのです。
中小企業においては、コンプライアンスを充実させたくとも、なかなか難しいのが正直なところですが、多少なりとも内部けん制を充実させておかないと、大惨事になるのが通例なのです。
税務調査は、会社の奥深くの状況までチェックするものですから、税務調査を機に横領が見つかる、というケースはかなり多くあります。
■横領が見つかって嬉しい半面…
税務調査で横領が見つかる場合、経営者としては非常にありがたく思うものですが、それに伴ってかなりの税金が発生することにも注意しておく必要があります。
例えば、経理担当課長が、3年前に架空の経費を3000万円支払ったことにして、会社の預金から横領を行ったケースを考えてみましょう。この場合、架空の経費は法人税の経費になりませんので、3000万円の経費が否認されるとともに、横領された損失は会社の損害ですから、その損失は経費として認められます。しかし、それと同時に、3000万円の損害賠償請求を経理担当課長に行うことができますから、その金額は、会社の利益、と認定されることが通例です。
つまり、3000万円も横領されているのに、3000万円に相当する税金も支払わなければならない、というどうにも釈然としない指導が税務署からなされるのです。
■回避するために…
従業員や役員の不正に全く気づいておらず、多額の横領で大きな損失を出し、かつ膨大な税金も納めさせられる。こんなリスクがあるのが、横領なのです。
中小企業においては、コンプライアンスを充実させたくとも、なかなか難しいのが正直なところですが、多少なりとも内部けん制を充実させておかないと、大惨事になるのが通例なのです。