Q&AサイトのOKWAVEに「出世 上司に気に入られるかで決まる?」というタイトルで投稿があった。
質問者は、出世は上司に気に入られるかどうかによってほとんど決まるのでしょうか、と質問しており、それに対しての回答は概ね「気に入られる」とは「ごますり」ではないと回答。
つまり、会社にとって有能かどうかが気に入られるかどうかのポイントであるといった意味であるが、もしもごますりや社長の趣味嗜好で人事評価がプラスされるような場合、これは法的に問題はないのだろうか。この問題について、星野法律事務所の代表である星野宏明弁護士に伺った。
■人事評価は法律に縛られること無く会社が自由に決められる!が、しかし…
「会社内での人事評価自体は、方法が法律で規制されているわけではなく、評価を下げるだけであれば、原則として、違法性の問題はありません」(星野宏明弁護士)
早速結論から話してくれた星野宏明弁護士。つまり、気に入られたら昇進、気に入られなかったら降格ということも法的には問題無いということだろうか。
「法的に問題となってくるのは、不当な人事評価を基に、降格や減給、解雇などの措置まで採った場合です。降格や、減給をするには、就業規則に従い、勤務態度、稼働能率が著しく悪い、規律違反といった正当な理由が必要であり、何ら理由もなく、労働者の同意もなく、降格・減給をすることはできません」(星野宏明弁護士)
なるほど。評価の基準をどうするかは自由であるが、実際に降格・減給・解雇などの具体的な措置をとる場合は、その評価や理由が不当であってはダメということだろう。
■不当な評価を元に、減給・降格・解雇という具体的な措置を取る場合は違法性あり!
例えばアメリカでは、喫煙者は自己管理能力が欠落しているとして昇進しづらい傾向があるようだ。それを証明するデータとして、上流階級にいくほど非喫煙者が多く、健康管理に気をつけているとのこと。
しかし、その一方で、タバコは個人の趣味嗜好という解釈もできる。アメリカのように、喫煙者がマイナス査定という評価を下す会社はまだまだ多くないかもしれないが、そもそも会社の人事評価は、そんな個人の趣味嗜好にすら評価を下す権限があるのだろうか。
「先に説明したとおり、人事評価をどうするかということ自体は、基本的には会社の自由裁量であり、違法性の問題は生じません。趣味嗜好に対しても評価の対象にすること自体は問題ありません」(星野宏明弁護士)
「しかし、不合理な人事評価を基に、実際に降格や減給といった不利益処分を課すことは、違法となる可能性があります」(星野宏明弁護士)
労働環境や待遇、仕事内容なども重要であるが、そもそも人事制度の目的は「会社と従業員の方向性」を擦り合わせ、会社の価値向上と、そこで働く従業員の成長をリンクさせることだろう。
そのためには、仕事の成果をしっかりと評価し、個人の意見を尊重してくれる人事制度が不可欠であることは言うまでもないだろう。
質問者は、出世は上司に気に入られるかどうかによってほとんど決まるのでしょうか、と質問しており、それに対しての回答は概ね「気に入られる」とは「ごますり」ではないと回答。
つまり、会社にとって有能かどうかが気に入られるかどうかのポイントであるといった意味であるが、もしもごますりや社長の趣味嗜好で人事評価がプラスされるような場合、これは法的に問題はないのだろうか。この問題について、星野法律事務所の代表である星野宏明弁護士に伺った。
■人事評価は法律に縛られること無く会社が自由に決められる!が、しかし…
「会社内での人事評価自体は、方法が法律で規制されているわけではなく、評価を下げるだけであれば、原則として、違法性の問題はありません」(星野宏明弁護士)
早速結論から話してくれた星野宏明弁護士。つまり、気に入られたら昇進、気に入られなかったら降格ということも法的には問題無いということだろうか。
「法的に問題となってくるのは、不当な人事評価を基に、降格や減給、解雇などの措置まで採った場合です。降格や、減給をするには、就業規則に従い、勤務態度、稼働能率が著しく悪い、規律違反といった正当な理由が必要であり、何ら理由もなく、労働者の同意もなく、降格・減給をすることはできません」(星野宏明弁護士)
なるほど。評価の基準をどうするかは自由であるが、実際に降格・減給・解雇などの具体的な措置をとる場合は、その評価や理由が不当であってはダメということだろう。
■不当な評価を元に、減給・降格・解雇という具体的な措置を取る場合は違法性あり!
例えばアメリカでは、喫煙者は自己管理能力が欠落しているとして昇進しづらい傾向があるようだ。それを証明するデータとして、上流階級にいくほど非喫煙者が多く、健康管理に気をつけているとのこと。
しかし、その一方で、タバコは個人の趣味嗜好という解釈もできる。アメリカのように、喫煙者がマイナス査定という評価を下す会社はまだまだ多くないかもしれないが、そもそも会社の人事評価は、そんな個人の趣味嗜好にすら評価を下す権限があるのだろうか。
「先に説明したとおり、人事評価をどうするかということ自体は、基本的には会社の自由裁量であり、違法性の問題は生じません。趣味嗜好に対しても評価の対象にすること自体は問題ありません」(星野宏明弁護士)
「しかし、不合理な人事評価を基に、実際に降格や減給といった不利益処分を課すことは、違法となる可能性があります」(星野宏明弁護士)
労働環境や待遇、仕事内容なども重要であるが、そもそも人事制度の目的は「会社と従業員の方向性」を擦り合わせ、会社の価値向上と、そこで働く従業員の成長をリンクさせることだろう。
そのためには、仕事の成果をしっかりと評価し、個人の意見を尊重してくれる人事制度が不可欠であることは言うまでもないだろう。