「社長、今少しお時間いいですか?」ーー真剣ではあるものの、どこか後ろめたさも漂わせる表情でこのように従業員から声を掛けられたら、恐らくそれは経営者にとって、ある種の決断や覚悟を求められる内容であることは想像に難くない。
近年、そんな従業員からの申し出において増えているのがうつ病による休職申請だ。ブラック企業での過酷な労働環境が社会問題化していることを考えると当然かも知れない。
しかし実際にこのような申し出があった場合に、経営者としてどう対応するのが正しいのか。またその逆も然りで、労働者としては、どのような対応をとってもらうことが法的に問題ないのか。恐らくまだまだこの辺りの理解は不足しているのではないだろうか。そこで今回はこの問題について加塚裕師弁護士に話を伺った。
■休職申請は、就業規則に則って対応がなされる
「休業・休職については、法令に定めがあるわけではなく、各企業において就業規則等により制度化されているものです。従って、既に就業規則等において休職制度が定められていれば、それに則って対応することになります」(加塚裕師弁護士)
まずはこのように話す加塚裕師弁護士。つまりうつ病にかぎらず、どんな理由での休職申請であっても、基本的には就業規則に則った内容で対応することになる。
「また、休職は労使の合意によって行うこともできますが、その場合であっても、最低限、休職期間、休職中の処遇(一般的には無給)、復職の条件・判断基準については明確に定めておく必要があります」(加塚裕師弁護士)
労働者と経営者で話し合い、どのような休職にするかも決めることができるとのこと。しかしその内容は曖昧なものであってはならないという。
■「うつ病なんで休職させてください」→「退職してくれ」 これはアウト!
うつ病は回復するまでに時間がかかるというのが一般的なイメージだろう。これによって休職した後復職しても、再発をし、また休職するのではないかという心配から、最初から退職を迫るケースもあるようだが、この対応について、加塚裕師弁護士は釘を刺している。
「休職を申し出た労働者の解雇については慎重に考えるべきです。一般的に、休職制度が存在するのに、それを適用せずいきなり解雇することは解雇権の濫用として無効になる可能性が高いと思われます。また、仮に休職制度がない場合であっても、長期雇用を慣行とする我が国においては、労働者に療養の機会を与えずいきなり解雇することは、やはり解雇権の濫用と評価される可能性が高いと思われます。もっとも、例外として労働者の症状が、仮に休職しても復帰が見込めないような重度の場合には休職とせず解雇をすることも可能であると思われます」(加塚裕師弁護士)
労働者、経営者としてのそれぞれ立場を踏まえた上で、どのような対応が正しいのか理解頂けただろうか。もしもこれを御覧頂いた方が、実際にこのような場面に遭遇した場合、是非参考にしていただきたい。
近年、そんな従業員からの申し出において増えているのがうつ病による休職申請だ。ブラック企業での過酷な労働環境が社会問題化していることを考えると当然かも知れない。
しかし実際にこのような申し出があった場合に、経営者としてどう対応するのが正しいのか。またその逆も然りで、労働者としては、どのような対応をとってもらうことが法的に問題ないのか。恐らくまだまだこの辺りの理解は不足しているのではないだろうか。そこで今回はこの問題について加塚裕師弁護士に話を伺った。
■休職申請は、就業規則に則って対応がなされる
「休業・休職については、法令に定めがあるわけではなく、各企業において就業規則等により制度化されているものです。従って、既に就業規則等において休職制度が定められていれば、それに則って対応することになります」(加塚裕師弁護士)
まずはこのように話す加塚裕師弁護士。つまりうつ病にかぎらず、どんな理由での休職申請であっても、基本的には就業規則に則った内容で対応することになる。
「また、休職は労使の合意によって行うこともできますが、その場合であっても、最低限、休職期間、休職中の処遇(一般的には無給)、復職の条件・判断基準については明確に定めておく必要があります」(加塚裕師弁護士)
労働者と経営者で話し合い、どのような休職にするかも決めることができるとのこと。しかしその内容は曖昧なものであってはならないという。
■「うつ病なんで休職させてください」→「退職してくれ」 これはアウト!
うつ病は回復するまでに時間がかかるというのが一般的なイメージだろう。これによって休職した後復職しても、再発をし、また休職するのではないかという心配から、最初から退職を迫るケースもあるようだが、この対応について、加塚裕師弁護士は釘を刺している。
「休職を申し出た労働者の解雇については慎重に考えるべきです。一般的に、休職制度が存在するのに、それを適用せずいきなり解雇することは解雇権の濫用として無効になる可能性が高いと思われます。また、仮に休職制度がない場合であっても、長期雇用を慣行とする我が国においては、労働者に療養の機会を与えずいきなり解雇することは、やはり解雇権の濫用と評価される可能性が高いと思われます。もっとも、例外として労働者の症状が、仮に休職しても復帰が見込めないような重度の場合には休職とせず解雇をすることも可能であると思われます」(加塚裕師弁護士)
労働者、経営者としてのそれぞれ立場を踏まえた上で、どのような対応が正しいのか理解頂けただろうか。もしもこれを御覧頂いた方が、実際にこのような場面に遭遇した場合、是非参考にしていただきたい。