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違法な商売で儲けたお金って逮捕されて有罪になったらどうなるの?

相談LINE 2015年10月27日 19時0分

慢性的な財政赤字が続く日本。消費税の引き上げや相続税増税など生活を圧迫する、度重なる税制改正。更には高齢化社会に伴う年金問題や介護、医療費問題。
これだけネガティブなニュースが続くと、将来に不安を抱いている人も多いだろう。
そして、そんな人達の中には、労せずして儲ける方法などがあるならば、すがりつきたいと思う人もいるかもしれない。しかし、だからといって、決してあってはならないのが違法な商売に手を染めることだ。今回は刑事事件に詳しい荻原邦夫弁護士に、違法な商売の具体例と、その違法に儲けたお金が、逮捕後有罪が確定した場合にどうなるのかを伺った。

■違法な商売の3つの具体例とそれぞれの刑罰とは?

早速であるが、違法な商売の具体例を伺った。

「違法な商売としては、ざっくりと分類すれば、第1に単純に持っていること自体が違法なものを売買する場合、第2に単純に持っていることは違法とはいえないが売買することが違法な場合、第3に物は違法ではないが売買が違法である場合にわけられます」(荻原邦夫弁護士)

「それぞれ例を挙げれば、覚せい剤などの違法な薬物の売買、知的財産権を侵害する物の売買、詐欺行為を伴う売買をあげることができます」(荻原邦夫弁護士)

どんな刑罰になるのだろうか。

「第1と第2については、それぞれ、覚せい剤取締法や特許法などの個別の法律で、例えば10年以下の懲役等の罪が定められています。第3の詐欺については、刑法で10年以下の懲役(刑法246条1項)」(荻原邦夫弁護士)

■没収・追徴や罰金で利益の剥奪が可能

では違法に儲けたお金は、逮捕後有罪となった後、どうなるのだろうか。

「違法に儲けたお金については、たいていの場合、お金を出した側からの民事上の返還請求権が成立します」(荻原邦夫弁護士)

詐欺などで騙された場合に、被害者にとって有効だろう。では不特定多数を相手にした違法薬物の売買によって得られたお金はどうなるのだろうか。

「刑事手続の中でも、没収(刑法19条1項)という犯罪により得た物等を国庫に帰属させる刑罰があります。没収ができない場合には、追徴といった金員を支払わせる処分もあります」(荻原邦夫弁護士)

「薬物犯罪による薬物犯罪収益等をはく奪することなどを目的とする『国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律』や、犯罪による収益に係る没収及び追徴の特例などを定めた『組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律』では、没収できる事件やその対象について定められています」(荻原邦夫弁護士)

「これらの法律による没収は、没収ができる犯罪や要件が厳格に定められていますが、警察白書によれば、ここ数年では、これらの法律により毎年10億円前後が没収等されています。また、罰金刑によって、事実上、犯罪により得た利益を剥奪することが可能です」(荻原邦夫弁護士)

■一生を棒に振ることも十分に有り得る違法な商売

ありとあらゆる違法な商売において、最も市場規模が大きいのは麻薬や覚せい剤などの売買である。

ご存じの方も多いだろうが、世界で最も有名な麻薬王だった故パブロ・エスコバルは、なんと最盛期には世界のコカイン市場の8割を支配した。そしてエスコバル自身の収入は、なんと90億ドル(約7200億円)となり、世界第7位の大金持ちとしてフォーブス誌に取り上げられた。

しかし、それだけの財産を得て贅沢の限りを尽くしたエスコバルであったが、44歳という若さで射殺されている。

どんなことがあろうとも、違法な商売に手を染めることがあってはならない。一生を棒に振るようなことになってからではもう遅いのだから。

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