日本経済を支えるサラリーマンの節税は非常に難しい。このような話を聞いたことがある方も多いと思います。サラリーマンに対しては、確実に税金を取るため、厳しい源泉徴収がなされるとともに、原則として経費を認めないという仕組みが取られています。
原則として経費を認めない、という意味は、実際に支払った経費を認めないということです。サラリーマンの給料については、年収に応じた概算経費である給与所得控除が認められています。給与所得控除は、一定の金額ですから、経費を広く解釈して節税する、といった個人事業主や法人の節税は原則として活用できないのです。
その例外ですが、特定支出控除という制度が設けられています。
■特定支出控除とは
日本経済を支えるサラリーマンの節税は非常に難しい。このような話を聞いたことがある方も多いと思います。サラリーマンに対しては、確実に税金を取るため、厳しい源泉徴収がなされるとともに、原則として経費を認めないという仕組みが取られています。
原則として経費を認めない、という意味は、実際に支払った経費を認めないということです。サラリーマンの給料については、年収に応じた概算経費である給与所得控除が認められています。給与所得控除は、一定の金額ですから、経費を広く解釈して節税する、といった個人事業主や法人の節税は原則として活用できないのです。
その例外ですが、特定支出控除という制度が設けられています。
(1)通勤費
(2)転居費
(3)研修費
(4)資格取得費
(5)帰宅旅費
(6)図書費、衣服費、交際費等の勤務必要経費(その支出の額の合計額が65万円を超える場合には、65万円までの支出に限り、職務の遂行に直接必要なものとして給与等の支払者より証明がされたものに限ります。)
■注目するべきは資格取得費と衣類費
注目頂きたいのは、(4)と(6)の支出です。
まず、(4)の支出ですが、職務に直接必要という制限はあるものの、税理士や弁護士などの資格取得費用も含まれるとされています。部署によっては、これらの資格を取得することで勤務に生きることもあるはずで、このような場合には積極的に利用すべきでしょう。
次に、(6)の衣服費ですが、税制改正の解説書を読むと、本来は経費にならないスーツ代も特定支出になると解説されています。このため、65万円という制限や、支払者の証明というハードルがあることも事実ですが、使い方によっては搾取されるサラリーマンにとって大きな節税になる制度と言われます。
なお、これら六つの特定支出は、いずれも給与の支払者の証明が必要とされています。様式は、こちらの通りです。
■その他必要な要件とは
特定支出控除の適用を受ける場合、年末調整では足りず、税務署に確定申告を行う必要があります。
この確定申告書には、特定支出に関する明細書、給与の支払者の証明書、支出した金額を証する書類などを申告書に添付する必要があります。
●執筆:元国税調査官・税理士 松嶋洋 WEBサイト
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。国税局を退官後、経団連関連の税制研究所において、法人税制を中心とするあるべき税制の立案と解釈研究に従事。現在は、税務調査対策及び高度税務に関するコンサルティング業務に従事するとともに、税理士向けに税務調査・法令解釈のノウハウにつき講演執筆活動を行う。
原則として経費を認めない、という意味は、実際に支払った経費を認めないということです。サラリーマンの給料については、年収に応じた概算経費である給与所得控除が認められています。給与所得控除は、一定の金額ですから、経費を広く解釈して節税する、といった個人事業主や法人の節税は原則として活用できないのです。
その例外ですが、特定支出控除という制度が設けられています。
■特定支出控除とは
日本経済を支えるサラリーマンの節税は非常に難しい。このような話を聞いたことがある方も多いと思います。サラリーマンに対しては、確実に税金を取るため、厳しい源泉徴収がなされるとともに、原則として経費を認めないという仕組みが取られています。
原則として経費を認めない、という意味は、実際に支払った経費を認めないということです。サラリーマンの給料については、年収に応じた概算経費である給与所得控除が認められています。給与所得控除は、一定の金額ですから、経費を広く解釈して節税する、といった個人事業主や法人の節税は原則として活用できないのです。
その例外ですが、特定支出控除という制度が設けられています。
(1)通勤費
(2)転居費
(3)研修費
(4)資格取得費
(5)帰宅旅費
(6)図書費、衣服費、交際費等の勤務必要経費(その支出の額の合計額が65万円を超える場合には、65万円までの支出に限り、職務の遂行に直接必要なものとして給与等の支払者より証明がされたものに限ります。)
■注目するべきは資格取得費と衣類費
注目頂きたいのは、(4)と(6)の支出です。
まず、(4)の支出ですが、職務に直接必要という制限はあるものの、税理士や弁護士などの資格取得費用も含まれるとされています。部署によっては、これらの資格を取得することで勤務に生きることもあるはずで、このような場合には積極的に利用すべきでしょう。
次に、(6)の衣服費ですが、税制改正の解説書を読むと、本来は経費にならないスーツ代も特定支出になると解説されています。このため、65万円という制限や、支払者の証明というハードルがあることも事実ですが、使い方によっては搾取されるサラリーマンにとって大きな節税になる制度と言われます。
なお、これら六つの特定支出は、いずれも給与の支払者の証明が必要とされています。様式は、こちらの通りです。
■その他必要な要件とは
特定支出控除の適用を受ける場合、年末調整では足りず、税務署に確定申告を行う必要があります。
この確定申告書には、特定支出に関する明細書、給与の支払者の証明書、支出した金額を証する書類などを申告書に添付する必要があります。
●執筆:元国税調査官・税理士 松嶋洋 WEBサイト
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。国税局を退官後、経団連関連の税制研究所において、法人税制を中心とするあるべき税制の立案と解釈研究に従事。現在は、税務調査対策及び高度税務に関するコンサルティング業務に従事するとともに、税理士向けに税務調査・法令解釈のノウハウにつき講演執筆活動を行う。