人気だったアルバイト「塾講師」も、今やブラックバイトとして認定されてしまった。原因は種々あるが、その一つとして考えられているのが業界独自の給与体系「コマ給」である。コマ給とは、90分の授業を一つのコマとして計算し、それ以外の予習や復習の時間については給与支払対象外となるという特徴を持っている。
そこで前回は、このコマ給が法律的にどうなのかを扱った。そして今回は、具体的な請求方法を木川雅博弁護士に伺った。
■「働いていた」ということを証明できるように証拠を残すべき!
「まずは実際に労働をしていたという証拠を残しておくことです。タイムカードがあればベストですが、タイムカードがないときは『日付』、『具体的な勤務時間と休憩時間』を手帳のメモやエクセルで残しておきましょう。また、労働契約書や給与明細も捨てずに取っておきましょう」(木川雅博弁護士)
まずはこのように話す木川雅博弁護士。これは今回の塾講師に限った話ではない。残業代が発生しているにも関わらず支払われていない方、すべてに該当する。
■請求しても払ってもらえない場合は?
ではそれでも支払いに応じなかった場合は、どう対応すればいいだろうか。
「請求しても支払ってもらえないのであれば、本社、労働基準監督署、労働センター、弁護士に相談することを伝えます。それでもなお支払われなければ実際に相談するようにしましょう」(木川雅博弁護士)
「賃金や残業代は2年間で時効になってしまいますので注意が必要です」(木川雅博弁護士)
言っても聞かないなら当然の流れと言えるだろう。
■ブラックバイトで心身を壊しそうなら、まずは退職という手もアリ
請求した後にすぐに支払ってくれれば済む問題であるが、そうでないならば法的手段に出なければならないだろう。しかしそうなれば心身ともに疲弊していく可能性もでてくる。この点、木川雅博弁護士はこのように語った。
「賃金や残業代が支払われないようなアルバイト先であれば、心身を壊す前に辞めてしまうのも一つの手です」(木川雅博弁護士)
「もし、学費や生活費の面でどうしても辞められないというときであっても、まずは親族や大学の奨学課に相談するようにしたほうがいいです。親族に金銭的余裕がないこともあるでしょうが、アルバイトを続けて心身を壊したり学業に支障が出たりするかもしれない状況を説明すれば何らかの形で力になってくれる可能性が高いです。親族からの援助が期待できなくとも、いまは奨学金制度が充実しているので、一時的であっても奨学金の借入れ・給付を受けられる可能性があります」(木川雅博弁護士)
塾講師は現在、人手不足だと言われている。これは個別指導塾が増えたことが大きな原因とのこと。そして、この個別指導塾は参入障壁が低いという。つまり、比較的簡単に開業できてしまうからこそ、法令遵守の徹底が困難なのかもしれない。
一刻も早く改善が望まれる。
そこで前回は、このコマ給が法律的にどうなのかを扱った。そして今回は、具体的な請求方法を木川雅博弁護士に伺った。
■「働いていた」ということを証明できるように証拠を残すべき!
「まずは実際に労働をしていたという証拠を残しておくことです。タイムカードがあればベストですが、タイムカードがないときは『日付』、『具体的な勤務時間と休憩時間』を手帳のメモやエクセルで残しておきましょう。また、労働契約書や給与明細も捨てずに取っておきましょう」(木川雅博弁護士)
まずはこのように話す木川雅博弁護士。これは今回の塾講師に限った話ではない。残業代が発生しているにも関わらず支払われていない方、すべてに該当する。
■請求しても払ってもらえない場合は?
ではそれでも支払いに応じなかった場合は、どう対応すればいいだろうか。
「請求しても支払ってもらえないのであれば、本社、労働基準監督署、労働センター、弁護士に相談することを伝えます。それでもなお支払われなければ実際に相談するようにしましょう」(木川雅博弁護士)
「賃金や残業代は2年間で時効になってしまいますので注意が必要です」(木川雅博弁護士)
言っても聞かないなら当然の流れと言えるだろう。
■ブラックバイトで心身を壊しそうなら、まずは退職という手もアリ
請求した後にすぐに支払ってくれれば済む問題であるが、そうでないならば法的手段に出なければならないだろう。しかしそうなれば心身ともに疲弊していく可能性もでてくる。この点、木川雅博弁護士はこのように語った。
「賃金や残業代が支払われないようなアルバイト先であれば、心身を壊す前に辞めてしまうのも一つの手です」(木川雅博弁護士)
「もし、学費や生活費の面でどうしても辞められないというときであっても、まずは親族や大学の奨学課に相談するようにしたほうがいいです。親族に金銭的余裕がないこともあるでしょうが、アルバイトを続けて心身を壊したり学業に支障が出たりするかもしれない状況を説明すれば何らかの形で力になってくれる可能性が高いです。親族からの援助が期待できなくとも、いまは奨学金制度が充実しているので、一時的であっても奨学金の借入れ・給付を受けられる可能性があります」(木川雅博弁護士)
塾講師は現在、人手不足だと言われている。これは個別指導塾が増えたことが大きな原因とのこと。そして、この個別指導塾は参入障壁が低いという。つまり、比較的簡単に開業できてしまうからこそ、法令遵守の徹底が困難なのかもしれない。
一刻も早く改善が望まれる。