遺産分割とは、ある方が亡くなり、その相続人が複数いた場合に、相続人の間で残された財産をどのように分配するかについて、話し合って決めることである。
このように言葉にすると非常に簡単であるが、相続において最も骨が折れるのが遺産分割であることは間違いない。事実、「平成24年度司法統計」においても、家庭裁判所での遺産分割事件の事件数はこの10年で約1.5倍になったと発表されている。
そんなただでさえ厄介な遺産分割であるが、これが無事終わった後に、もしも新たに相続人が出現した場合はどうなるのだろうか。やっとのことでまとまった遺産分割を一旦白紙にし、再度やり直すことになるのだろうか。これについて相続問題に強い高島秀行弁護士に話を伺った。
■新たな相続人が出てきたら遺産分割はやり直し!
では早速、遺産分割が終わった後に、新たに相続人が現れた場合、その遺産分割はどうなるのだろうか。
「最初の遺産分割協議は無効になります」(高島秀行弁護士)
やはり無効になるという。これはつまり、一からやり直しということになるのだろうか。
「分割してしまった遺産が分割されていなかったことを前提に遺産分割協議をし直すことになります」(高島秀行弁護士)
当事者が感じるだろう徒労感を考えると言葉が見つからない。
■名義変更や売却済の財産は、金銭換算して再度遺産分割
しかしここで一つの疑問が浮かぶ。それは、例えば相続財産の中に不動産が含まれていた場合、既に遺産分割が終わっているということは名義の変更や、あるいは売却済ということも十分考えられる。このようなケースはどうなるのだろうか。
「不動産や株式は名義が変わっていたり、売却されていたりして元に戻すのは大変な場合が多いと思いますので、実際は、後から判明した相続人の相続分を他の相続人が金銭に換算して支払うという方法が取られると思います」(高島秀行弁護士)
なるほど。金銭に換算して精算するという。これなら後から出てきた相続人も納得がいくだろう。
■新たに出てきて困るのは相続人だけでなく、遺産も同様!
これまで相続人を把握することの重要性について述べてきたが、これは相続財産についても同様のことが言える。つまり、遺産分割が終わった後に、新たな財産が発覚することである。
遺産分割では、遺産分割協議書を作成する。そこでは新たな財産が発覚することも想定して、「新たな財産については◯◯が取得する」と記しておくことが一般的である。
しかし、あとから出てきた財産が莫大であった場合、その条項をそのまま適用しまうと、他の相続人から不満の声が出てくるのは必至であり、新たな火種となる可能性は高いだろう。
相続のトラブルは遺産が多いか少ないかではないと聞いたことがある人もいるだろう。ウチは残せるほどの遺産なんてありませんとは、よく聞くフレーズである。しかしトラブルの原因の多くは、実は「相続人間の遺産分割の比率」によるところが大きいということを忘れてはならない。
このように言葉にすると非常に簡単であるが、相続において最も骨が折れるのが遺産分割であることは間違いない。事実、「平成24年度司法統計」においても、家庭裁判所での遺産分割事件の事件数はこの10年で約1.5倍になったと発表されている。
そんなただでさえ厄介な遺産分割であるが、これが無事終わった後に、もしも新たに相続人が出現した場合はどうなるのだろうか。やっとのことでまとまった遺産分割を一旦白紙にし、再度やり直すことになるのだろうか。これについて相続問題に強い高島秀行弁護士に話を伺った。
■新たな相続人が出てきたら遺産分割はやり直し!
では早速、遺産分割が終わった後に、新たに相続人が現れた場合、その遺産分割はどうなるのだろうか。
「最初の遺産分割協議は無効になります」(高島秀行弁護士)
やはり無効になるという。これはつまり、一からやり直しということになるのだろうか。
「分割してしまった遺産が分割されていなかったことを前提に遺産分割協議をし直すことになります」(高島秀行弁護士)
当事者が感じるだろう徒労感を考えると言葉が見つからない。
■名義変更や売却済の財産は、金銭換算して再度遺産分割
しかしここで一つの疑問が浮かぶ。それは、例えば相続財産の中に不動産が含まれていた場合、既に遺産分割が終わっているということは名義の変更や、あるいは売却済ということも十分考えられる。このようなケースはどうなるのだろうか。
「不動産や株式は名義が変わっていたり、売却されていたりして元に戻すのは大変な場合が多いと思いますので、実際は、後から判明した相続人の相続分を他の相続人が金銭に換算して支払うという方法が取られると思います」(高島秀行弁護士)
なるほど。金銭に換算して精算するという。これなら後から出てきた相続人も納得がいくだろう。
■新たに出てきて困るのは相続人だけでなく、遺産も同様!
これまで相続人を把握することの重要性について述べてきたが、これは相続財産についても同様のことが言える。つまり、遺産分割が終わった後に、新たな財産が発覚することである。
遺産分割では、遺産分割協議書を作成する。そこでは新たな財産が発覚することも想定して、「新たな財産については◯◯が取得する」と記しておくことが一般的である。
しかし、あとから出てきた財産が莫大であった場合、その条項をそのまま適用しまうと、他の相続人から不満の声が出てくるのは必至であり、新たな火種となる可能性は高いだろう。
相続のトラブルは遺産が多いか少ないかではないと聞いたことがある人もいるだろう。ウチは残せるほどの遺産なんてありませんとは、よく聞くフレーズである。しかしトラブルの原因の多くは、実は「相続人間の遺産分割の比率」によるところが大きいということを忘れてはならない。