労働契約には、使用者に対して指示命令できる権利が存在する。労働者はそれに従わなければならない。もしも拒否をすれば、就業規則の懲戒項目の規定に沿って処分が下される。しかし業務命令の中には、業務上、その命令が本当にに必要かどうか疑わしい命令も存在する。例えばネクタイ着用命令やお茶汲みである。そこで今回はこれらの命令を拒否した場合、どうなるのかを加塚裕師弁護士に伺った。
■そもそも業務命令とは?従わないとどうなる?
まずは業務命令が有効になるための要件を伺った。
「業務命令の有効性については、各命令の内容に応じて必要性、合理性を考慮し判断されることになります。業務上の必要性、内容の相当性、人選の合理性、手続の相当性等が満たされていれば、これらの業務命令は有効であると考えられます」(加塚裕師弁護士)
では業務命令を拒否した場合に解雇という処分を下すことについてはどうだろうか。
「業務命令が有効であったとしても、解雇は労働者を企業から放逐する過酷な処分であることから、解雇の有効性は厳格に判断されます。具体的には、労働者による命令拒否が固執的、反復継続的で是正の余地がなく、使用者に労働契約の継続を期待しがたいような事情がある場合に解雇が認められることになります」(加塚裕師弁護士)
有効であると認められた業務命令に対して、労働者が一切を譲ろうとせず頑なに断り続けると、場合によっては解雇もやむなしだという。
■ネクタイ着用命令やお茶汲みを断ったらどうなる?
ではネクタイ着用命令の拒否やお茶くみ拒否、所持品検査の拒否、健康診断の拒否、染髪命令の拒否などはどうだろうか。
「まず業務命令それ自体の有効性が問題となります。この見地からすると、ネクタイ着用やお茶汲みなどはその必要性、合理性自体に疑問が生ずるところです」(加塚裕師弁護士)
ネクタイ着用命令とお茶くみの二つは、そもそも業務命令としての有効性が疑われるとのこと。つまり拒否してもお咎め無し、という可能性が高い。
「所持品検査、健康診断、染髪などは一定の場合、業務命令をなし得る必要性、合理性は肯定しうるとしても、これらは労働者のプライバシーにも関わることから、その業務命令としての有効性は慎重に判断されることになります。そのうえで有効な業務命令と判断された場合には、その命令拒否にあたっての労働者の固執性、反復継続性の有無を検討し、これが肯定される場合には解雇も正当化される場合もありうると考えられます」(加塚裕師弁護士)
所持品検査や健康診断、染髪についてはその有効性を認めつつも、労働者のプライバシーに触れる部分もあるため、業務命令として成立するかどうかの判断は難しいとのこと。
■最後に…
その命令が従うべき命令に値するか。また従わなかった場合にどんな処分がくだされるのか。
これまで使用者と労働者の対立を前提としていたが、最も重要な部分は企業の繁栄と、それに伴う労働者のやりがいや給与の向上だろう。
勿論、時と場合によっては利害関係が一致しないこともあるだろう。しかし、根幹の部分で繋がっておくことが労働トラブルを未然に防ぐ、最も重要な手立てではないだろうか。
■そもそも業務命令とは?従わないとどうなる?
まずは業務命令が有効になるための要件を伺った。
「業務命令の有効性については、各命令の内容に応じて必要性、合理性を考慮し判断されることになります。業務上の必要性、内容の相当性、人選の合理性、手続の相当性等が満たされていれば、これらの業務命令は有効であると考えられます」(加塚裕師弁護士)
では業務命令を拒否した場合に解雇という処分を下すことについてはどうだろうか。
「業務命令が有効であったとしても、解雇は労働者を企業から放逐する過酷な処分であることから、解雇の有効性は厳格に判断されます。具体的には、労働者による命令拒否が固執的、反復継続的で是正の余地がなく、使用者に労働契約の継続を期待しがたいような事情がある場合に解雇が認められることになります」(加塚裕師弁護士)
有効であると認められた業務命令に対して、労働者が一切を譲ろうとせず頑なに断り続けると、場合によっては解雇もやむなしだという。
■ネクタイ着用命令やお茶汲みを断ったらどうなる?
ではネクタイ着用命令の拒否やお茶くみ拒否、所持品検査の拒否、健康診断の拒否、染髪命令の拒否などはどうだろうか。
「まず業務命令それ自体の有効性が問題となります。この見地からすると、ネクタイ着用やお茶汲みなどはその必要性、合理性自体に疑問が生ずるところです」(加塚裕師弁護士)
ネクタイ着用命令とお茶くみの二つは、そもそも業務命令としての有効性が疑われるとのこと。つまり拒否してもお咎め無し、という可能性が高い。
「所持品検査、健康診断、染髪などは一定の場合、業務命令をなし得る必要性、合理性は肯定しうるとしても、これらは労働者のプライバシーにも関わることから、その業務命令としての有効性は慎重に判断されることになります。そのうえで有効な業務命令と判断された場合には、その命令拒否にあたっての労働者の固執性、反復継続性の有無を検討し、これが肯定される場合には解雇も正当化される場合もありうると考えられます」(加塚裕師弁護士)
所持品検査や健康診断、染髪についてはその有効性を認めつつも、労働者のプライバシーに触れる部分もあるため、業務命令として成立するかどうかの判断は難しいとのこと。
■最後に…
その命令が従うべき命令に値するか。また従わなかった場合にどんな処分がくだされるのか。
これまで使用者と労働者の対立を前提としていたが、最も重要な部分は企業の繁栄と、それに伴う労働者のやりがいや給与の向上だろう。
勿論、時と場合によっては利害関係が一致しないこともあるだろう。しかし、根幹の部分で繋がっておくことが労働トラブルを未然に防ぐ、最も重要な手立てではないだろうか。