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合名会社や合資会社の意義やメリット・デメリットを税理士が解説!

相談LINE 2017年8月28日 19時0分

あまりなじみのない会社形態ですが、合名会社・合資会社という会社形態があります。会社と言えば、通常は株式会社を想像されると思いますが、合名会社や合資会社は株式会社とは異なり、無限責任社員という社員が存在します。

■無限責任とは?

株式会社に出資する場合、その出資者(株主)は、仮に株式会社が債務超過で倒産してもその出資金額の範囲内でのみ責任を負えば足ります。例えば、百万円で出資した株式会社が1千万円の債務超過で倒産しても、その債務超過に対して株主は返済する義務を負わず、当初出資した百万円が紙切れになるだけで責任を果たしたことになります。つまり、出資した金額についてのみリスクを負うことから、有限責任などと言われます。

一方で、合名会社は出資者(社員)の全員、合資会社は出資者(社員)の一部が、無限の責任を負うことになります。先の例でいえば、百万円で出資した合名会社が1千万円の債務超過で倒産すれば、その債務超過に対して社員は返済義務を負います。出資金額に責任が限定されないことから、無限責任などと言われます。

■メリットとデメリット

合名会社や合資会社は、株式会社に比して責任が大きいことから、実務ではあまり利用されていません。しかしながら、設立のコストや手続きが株式会社よりも簡単である、といったメリットもあります。加えて、出資が現金に限定されておらず、信用・労務や現物出資のみの出資もできるとされています。

反面、デメリットは社員の責任が大きくなることはもちろん、資金調達が難しいという問題を指摘することができます。上場企業をお考えいただくとわかるとおり、株式会社であれば増資を一般の投資家に募ることで資金調達ができますが、合名会社や合資会社は責任が大きいため、一般の投資家から広く出資を募る、といった資金調達は極めて難しいです。

■合同会社を使う方が有効

上場企業のように出資を募ることは考えていない小規模企業であれば、このようなデメリットはあまり関係ないと思われるかもしれませんが、それなら合名会社や合資会社を使わず、合同会社を使った方が有利です。

合同会社は株式会社と同様、出資者はすべて有限責任になりますのでリスクは小さいですし、設立手続きもそれほど難しくなく、コストも株式会社ほどかかりません。

このため、実務では合同会社の利用が増えているという印象があります。

■専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。税務調査で望ましい結果を得るための法律論・交渉術に関する無料メルマガを提供中。

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