税務上、青色申告を行う一定の中小企業者に対しては、少額減価償却資産の特例が認められています。この特例は、本来耐用年数に応じて減価償却をして毎期少しずつ経費を計上するべき減価償却資産について、その取得価額が30万円未満の場合、減価償却資産をすることなく一括で経費とすることを認める特例を言います。この特例を使えば、節税につながることはもちろん、減価償却をしなくてもいいため、経理処理も簡単になります。
ただし、この特例は1事業年度当たりの取得価額の合計が、300万円に達するまで認められるもので、300万円を超える部分については、適用がありません。
■事業供用年度で落とす
この少額減価償却資産の特例についてよくある質問の一つに、例えば今期で複数の減価償却資産を取得し、その取得価額の合計が400万円となった場合、300万円を超える資産について翌事業年度に回して、翌事業年度において一括で経費にすることは可能か、というものがあります。結論から申し上げますと、明確な事例は見つかりませんが、事業供用年度を当期と翌事業年度で分ければ、このような取扱いは可能と考えられます。
と言いますのも、少額減価償却資産の特例については、一定の期間内に30万円未満の減価償却資産を取得し、それを事業の用に供した場合、事業供用年度において一括で経費にすることができると法令で定められているからです。取得する年度と事業供用年度を一致させることまで規定されていませんから、事業供用年度を分ければそれぞれの年度で少額減価償却資産の特例の適用を受けることができると考えられます。
■事業の用に供するとは
なお、事業の用に供するとは、減価償却資産を文字通りビジネスに使うことを言います。例えば、パソコンを買った場合、ハコから出して電源につないで使用しますが、買っても箱から出さずそのままにしておけば、使用したことになりません。この使用するタイミングにおいて事業の用に供することになるのであり、その事業の用に供する年度が事業供用年度になります。
減価償却という処理は、長期に渡り使える減価償却資産の取得価額を、その使用する年度に分けて少しずつ必要とする処理です。このため、減価償却資産を使用することになる事業の用に供した日から、減価償却費は費用とすることになり、この取扱いは少額減価償却資産の特例においても同様なのです。
■専門家プロフィール
元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開し、税理士を対象としたコンサルティング業を展開。
ただし、この特例は1事業年度当たりの取得価額の合計が、300万円に達するまで認められるもので、300万円を超える部分については、適用がありません。
■事業供用年度で落とす
この少額減価償却資産の特例についてよくある質問の一つに、例えば今期で複数の減価償却資産を取得し、その取得価額の合計が400万円となった場合、300万円を超える資産について翌事業年度に回して、翌事業年度において一括で経費にすることは可能か、というものがあります。結論から申し上げますと、明確な事例は見つかりませんが、事業供用年度を当期と翌事業年度で分ければ、このような取扱いは可能と考えられます。
と言いますのも、少額減価償却資産の特例については、一定の期間内に30万円未満の減価償却資産を取得し、それを事業の用に供した場合、事業供用年度において一括で経費にすることができると法令で定められているからです。取得する年度と事業供用年度を一致させることまで規定されていませんから、事業供用年度を分ければそれぞれの年度で少額減価償却資産の特例の適用を受けることができると考えられます。
■事業の用に供するとは
なお、事業の用に供するとは、減価償却資産を文字通りビジネスに使うことを言います。例えば、パソコンを買った場合、ハコから出して電源につないで使用しますが、買っても箱から出さずそのままにしておけば、使用したことになりません。この使用するタイミングにおいて事業の用に供することになるのであり、その事業の用に供する年度が事業供用年度になります。
減価償却という処理は、長期に渡り使える減価償却資産の取得価額を、その使用する年度に分けて少しずつ必要とする処理です。このため、減価償却資産を使用することになる事業の用に供した日から、減価償却費は費用とすることになり、この取扱いは少額減価償却資産の特例においても同様なのです。
■専門家プロフィール
元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開し、税理士を対象としたコンサルティング業を展開。