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プロ野球の外国人選手の年俸の課税関係について税理士が解説

相談LINE 2019年9月3日 19時0分

プロ野球が後半戦に突入し、一つ一つの試合が重みを増してきていますが、これに関連して、外国人選手の年俸の課税関係について質問を受けることがあります。結論から申し上げますと、外国選手の年俸は、一律20%(正確には20,42%)の税率で、所得税の源泉徴収されて終わることが日本では一般的です。

■非居住者の課税関係

このような取扱いになるのは、プロ野球の外国人選手が、原則として非居住者になるからです。日本の所得税の計算上、納税者は居住者と非居住者に区分されます。居住者は通常の日本人の通り、すべての所得に対し累進課税で課税されますが、非居住者は国内源泉所得という所定の所得に対してのみ課税され、その税率は、日本にPEという事業の拠点がなければ原則として20。42%となります。

■居住者と非居住者の区分

このため、居住者と非居住者の区分が問題になりますが、居住者は以下の要件を満たす者をいい、非居住者はそれ以外の者とされています。

1 日本に住所がある個人
2 日本に1年以上居所がある個人

専門的な話になりますが、住所とは生活の拠点を意味するとされています。外国人選手の場合、家族で日本に移住することは多くなく、一般的には本国に家族と自宅を残し、自分は出稼ぎとして日本でプレーをしに来る、ということが多いと思われます。実際のところ、シーズンオフには帰国する外国人選手がほとんどでしょう。となると、上記1の要件は満たしません。

次に、居所があるかですが、居所は文字通りいどころを意味し、ホテルなどで寝泊まりしていれば、このような場所も該当するとされています。しかし、1年以上はいないでしょうから、この要件にも該当しないことが通例です。

このため、外国人選手は非居住者として、20.42%の課税となることが通例です。なお、この税金は源泉徴収されていますので、原則として確定申告も必要ありません。

■消費税は課税される

所得税の課税関係は上記の通りですが、消費税については、日本国内でサービスを提供していれば等しく課税されますので、外国人選手についても、課税対象となります。

この場合、特定役務の提供として、通常の消費税の申告納税とは異なる手続きとなる場合があります。詳細は税理士などの専門家にお尋ねください。

■専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開し、税理士を対象としたコンサルティング業を展開。

※注意事項:記載については、著者の個人的見解であり正確性を保証するものではありません。本コラムのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、著者は賠償責任を負いません。加えて、今後の税制改正等により、内容の全部または一部の見直しがありうる点にご注意ください。

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