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元“日本一の男子大学生”の24歳が「感動を与えられる人になりたい」と俳優の道を決心したワケ

日刊SPA! 2024年2月20日 15時51分

若手俳優の“登竜門”として、近年注目されているのが恋愛リアリティショー(恋リア)だ。初対面同士の男女が共同生活を送り、そこで芽生える恋愛模様を視聴者はのぞき見できることから、いまや人気ジャンルのひとつとなっている。
現在までに多くの作品が生まれているなか、「テンキス 〜キスすると人は恋に落ちるのか?〜」(Leminoオリジナル、以下テンキス)は、“毎日キスをする”という他では類を見ないルールが特徴の恋愛リアリティショーになっている。

出演陣の中でも、ネクストブレイクが期待されるのが、俳優の荒井啓志さん(24歳)。“日本一の男子大学生”を決めるコンテスト「CAMPUS BOYS 2022」でグランプリを受賞し、2023年に芸能界入りを果たした。

テンキスでは「キス王子」として、意中の女性へ熱いキスを交わす姿が描かれている。俳優を目指したきっかけや今後の展望について、荒井さんに話を聞いた。

◆バスケで学んだ「空気を読む力」と「人の気持ちを察する力」

宮城県出身の荒井さんは、小学校の頃から先生が涙を流すほどの“問題児”だったとか。自由奔放な性格で、周囲からは手に負えない子どもだと見られていたそうだ。

そんな一面があるなか、姉の影響で小学1年生から始めたバスケットボールの腕前をひたすら磨いていったという。

「とにかく、時間さえあれば家の近くにある公園でバスケの練習をしていましたね。週7日のほとんどをバスケに費やすほど、熱中していたのを覚えています」(荒井さん、以下同)

中学校に進学するとクラブチームと部活の両方に所属。地元の高校進学後も県の選抜選手に抜擢されるなど、「プロバスケットボール選手になる」という夢に向かって一心に進んでいた。

バスケで学んだことを聞くと「人の気持ちや考えを理解し、行動すること」だと荒井さんは話す。

「バスケのポジションはポイントガードを務めていて、チーム全体を俯瞰的に見ながら、パスを繋いでチャンスを作る司令塔の役割を担っていました。チームリーダーとして、各選手の動きや得意なプレイを把握し、指示を出していくんですが、あうんの呼吸というか『この瞬間にパスを出してほしい』といった相手の心を読む能力が身についたなと思っています。

そこがいちばん大事で、他の選手と意思疎通ができていなければチームも勝てない。こうして今、大人になって俳優の仕事をさせていただく場面でも、求められる役柄の振る舞いを察して、演技するように心がけています」

◆東京のキラキラした世界に、自分の居場所はなかった

大学は東京の明治学院大学へ進学する。

地元の大学にも上がることができたそうだが、気の知れた仲間同士で和気あいあいと過ごすよりも、「せっかくなら、日本の中心に行ってみたい」という思いから上京を決意したとのこと。

また、長年打ち込んできたバスケに関しても、プロは目指さずに趣味として楽しんでいく方向に転換し、バスケサークルへ加入した。

大学の授業やサークル活動といったキャンパスライフのほか、ラーメン屋や居酒屋でのアルバイトなど、バスケ漬けの生活を送ってきた荒井さんにとって、東京での生活はまさに“新しい自分探し”をする機会となったのだ。

「東京ならではの好奇心を刺激する体験やエネルギーを感じようと、色々と行動してみたんですが、あまりしっくりこなくて。自分の個性を生かせるのはどんなことだろうと考えていくうちに、漠然と『俳優になりたい』という気持ち自体は芽生えていました。でも、一歩を踏み出す勇気が持てなかったんです」

◆Bリーグで活躍する幼なじみに感化され、俳優を志す決心がついた

転機となったのは、幼なじみの活躍を目の当たりにした時だった。

「小さい頃からずっと、『将来はプロ選手になりたい』と言っていた幼なじみがいるんです。その彼が実際にB.LEAGUE(Bリーグ)の選手になり、大舞台で活躍する姿を観に行ったとき、すごく感動と勇気をもらったんです。

ライバル視していた友人が、幼い頃に思い描いていた夢を実現させたことで、自分も『感動を与えられる人になりたい』と思うようになって。そこから俳優の道を志す決心がついた気がします」

思い立ったが吉日、Bリーグの観戦から帰宅後に大学ミスコンの情報を片っ端からかき集めたという。

そこから滑り込み応募して出場したのが、日本一の男子大学生を決めるコンテスト「CAMPUS BOYS」だった。

荒井さんは「CAMPUS BOYS2022」に出場し、エントリー総数約4000人の中から見事グランプリに輝く。

その後、現事務所のエイベックス・マネジメントに所属、2023年3月から俳優活動をスタートさせた。

◆「インフルエンサー」ではなく「俳優」として有名になりたい

まもなく、俳優デビューから1年を迎えるわけだが、今の心境について伺うと「失敗と学びを繰り返しつつも、周りにアドバイスをもらいながら、仕事に打ち込めている」と荒井さんは語る。

「この1年で舞台から地上波、恋愛リアリティショーまで、さまざまな経験をさせてもらうことができました。一方で、演じる役柄の人物像を自分自身で考えていく上では、正解があるのかどうかもわからず、その部分が結構難しくて。

本当に毎日が勉強だと感じています。どんな役柄を与えられてもいいように、日頃からジムに通って体を鍛えたり、本を読んで感性を磨いたりしています」

恋愛疑似体験型ショートドラマ「キス×kiss×キス」(テレビ東京系)や、観察型恋愛リアリティショー「テンキス」では、自分の直感で恋愛する“素”の自分で臨み、本気で女性と向き合った。

「直近で出演させていただいた『テンキス』では、娯楽として観る面白さもありながら、キスというコミュニケーションの重要性を感じ取っていただける作品になっています。恋愛に対してピュアな感情を持つ若い世代から大人の方まで、幅広い層の方に楽しんでもらえると思います」

今後の展望は「一人でも多くの人に顔を覚えてもらいたい」と荒井さん。

芸能界に入ってからSNSに力を入れ始めたそうだが、インフルエンサーとして有名になりたいわけではなく、活動の軸は俳優に置いているとのこと。

「今年掲げている目標は連続ドラマへのレギュラー出演と『仮面ライダー』に出演すること。やってみたい役柄は、ダークで嫌われそうな『悪役』です。自分の可能性をさらに広げられるように精進していきたいです」

日本一の男子大学生に輝き、芸能界デビューした荒井さんにとって、まだ俳優人生は始まったばかりだ。さらなる飛躍に注目したい。

<取材・文・撮影(人物)/古田島大介>

【古田島大介】
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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