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3連単190万円超え馬券の立役者も!予想に役立つ‟地味ウマジョッキー”を紹介

日刊SPA! 2024年3月16日 8時25分

◆ジョッキーは「知名度=腕」とは限らない
 桜の便りも近づく3月半ば、競馬界にも春のG1戦線の足音が聞こえてきました。そこで今回はこれからの春競馬で頼りになりそうな、何よりお財布の味方になりそうな、地味だけど上手い、オススメの「地味ウマジョッキー」をお送りしたいと思います。

 地味というと少しネガティブな印象を持たれるかもしれませんが、馬券を買ううえではむしろ有利。例えば、ルメール騎手や川田騎手のようなよく知られた上手いジョッキーは、やはりそれだけ人気になりやすい。つまり、儲けるのも大変。一方、まだ知名度があまり高くないジョッキーは、人気になりにくいというメリットがあります。

 そもそも、知名度と腕が必ずしも比例しないのが騎手の世界。そこで今回は、「地味ウマジョッキー」と命名し、知名度は決して高くないものの、実は腕が達者、つまり儲けにも繋げやすい騎手たちをご紹介しようというわけです。

◆名手が認める腕の持ち主

 まず1人目は、津村明秀騎手です。津村騎手といえばもうキャリア20年超、ベテランの域に入るジョッキー。少し競馬を知ったファンならば、「津村騎手が地味なんて失礼だ!」と思われるかもしれません。

 今年も年明け早々に中山金杯を巧みな進路取りで制しています。ただ、現状の人気を冷静に見ると、その腕とファンの支持に大きな乖離があるのは間違いありません。数字の面で見ても、2022年以降津村騎手の単勝を買い続けた場合、その回収値は110円とプラス収支。平均はだいたい80円程度ですから、アベレージを大きく上回っています。

 その要因のひとつは、意外なほど大きなレースを勝っていないからかもしれません。カレンブーケドールとのコンビでG1戦線でも活躍した経験はありますが、未だにG1およびG2の勝利はゼロ。これまで制したJRA重賞16勝はすべてG3。大舞台での目立つ活躍がない分、広く一般ファンにその名前が浸透していないのかもしれません。

 とはいえ、同期の川田騎手をして「競馬学校時代の津村騎手には勝てなかった」というほどの技術の持ち主。とりわけ、トリッキーな中山競馬場では津村騎手の技術と強気の仕掛けが生きます。特にダートでの成績が良いので、中山ダートで津村騎手を見つけたら、黙って買いです。

◆G1でもアッと言わせた、大一番に強い若き大穴男!

 続いて2人目は、関東の若手・原優介騎手。原騎手は2020年デビューの5年目、関東で伸び盛りの若手ジョッキーです。

 同騎手の名前を広く知らしめたのは、やはり昨年のチャンピオンズCでしょう。12番人気・単勝92倍という人気薄のウィルソンテソーロに騎乗すると、道中は後方のインでジッと脚を溜め、直線は大外から猛然と追い込み。最後はレモンポップこそ捉えられなかったものの2着に突っ込み、3連単190万円超えの大万馬券の主役となりました。

 原騎手はデビュー年が僅か3勝と、出遅れ。これは所属厩舎の変更など、レース以外での環境の変化の影響もあったのでしょう。それでも、ファンにとって第一印象は非常に大きなものです。デビュー年にあまり勝てなかったため、その後は人気になりづらいジョッキーになっています。

 ただ、もともと水泳で仕込んだパワフルな追いっぷりはデビュー当時から目立っていました。近年はメキメキ頭角を現しており、前述のウィルソンテソーロ以外でもオープンでの激走が目立ちます。キタノリューオーとのコンビでは、昨年の師走Sを7番人気で制すると、次走も6番人気で2着。好走しても人気にならないケースが多いので、馬券を買う立場としては非常にありがたい存在です。

 そんな原騎手の現状の狙いは芝よりもダート。特にクラス上がれば上がるほど成績が上がるのも魅力です。ビッグレースを制して有名になる前に、特徴を掴んでおきたいジョッキーです。

◆近年最速ペースで勝ち星を積み上げる中堅騎手

 3人目は、今年13年目を迎える関西の中堅、長岡禎仁騎手です。長岡騎手は、これまでのキャリアハイが19勝、それも記録したのは2016年と随分前で、決して目立つ存在ではありません。

 ただ、今年は近年になく絶好調。7年ぶりに2ケタ11勝を挙げた昨年を大きく上回るペースで、3月2週目終了時点で既に6勝を挙げています。このままのペースならキャリアハイの更新も夢ではなさそうです。

 今年、長岡騎手に注目が集まったのは、やはりG1のフェブラリーSでしょう。芝しか走ったことのなかったガイアフォースに騎乗すると、隙のない騎乗で2着。初騎乗ながら見事に乗りこなしました。ガイアフォースにしてもそうですが、ローカルや関西圏だけでなく、東京や中山でも頼りになるジョッキーです。

 特に長岡騎手の買い条件は、芝です。もともと頭脳プレーが光るジョッキーで、戦略性を問われる芝でその能力を発揮します。芝に限れば、2022年~2023年と2年連続で単勝回収値はプラス。今年もプラスで推移しています。あまり騎乗機会は多くないですが、それでも最近は好調ぶりが伝わっているのか、騎乗依頼も増加中。今のうちに狙いを定めておきたいです。

 というわけで、今回は「地味ウマジョッキー」として、津村騎手、原騎手、長岡騎手の3名についてお伝えしました。冒頭でも少し触れましたが、必ずしも知名度=腕とはならないのが騎手の世界。知名度は高くなくても、腕の立つジョッキーに目をつけておくことで、馬券を買う上で大きなアドバンテージになるはずです。

文/TARO

【TARO】
競馬予想ブログとしては屈指の人気を誇る『TAROの競馬』を主宰する気鋭の競馬予想家。12月5日に最新刊『馬券力の正体 収支の8割は予想力以外で決まる』(オーパーツ・パブリッシング)が発売になった。著書は他に『競馬記者では絶対に書けない騎手の取扱説明書』(ガイドワークス)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(扶桑社)が発売中。

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