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合コン帰りに“狙っていた女性”とタクシーに。「イケる」と思いきや、台無しになってしまった残念な理由

日刊SPA! 2024年3月31日 15時52分

 タクシーの車内では、自ずと狭い空間で見ず知らずの人物と過ごすことになる。仮に運悪く運転手が癖のある人物だった場合、何とも言えない苦痛を感じる時間を余儀なくされてしまうわけだ。
「あまりにも腹が立って、一睡も眠ることができなかった」というほど、タクシーで不快な体験をしたことがあるというのが、加賀健斗さん(仮名・32歳)だ。

◆合コン後に“良いなと思っていた女性”と…

「あれは会社の同僚が合コンを開いてくれた日のことでした。かなり盛り上がって、終電もなくなった深夜にお開きになったんですね。参加女性の1人と自分の家が同じ方向でしたから、一緒にタクシーに乗って帰ることになりました。しかも、内心良いなと思っていた女性だったので、何とか仲を深めることはできないかなという期待を抱きつつタクシーに乗り込みました」

 女性が降りるまで1時間弱程度の距離。加賀さんは早々にアプローチすることにした。

「合コンのときに話した、海外ドラマの話で盛り上がりまして。自分が入っているサブスクで観ることができたので、『うちで一緒に観ない』と誘ってみようかなと」

◆まさかの運転手の乱入で、事態は思わぬ雲行きに

 ドラマの話を始めてすぐ、期せずして余計な合いの手が入ってしまった。

「『お客さん、あのドラマ観たんですか? いやー私もずいぶんハマりましてね』と運転手が声をかけてきたんです。自分が相槌を打つと、そこから運転手が怒涛の勢いでそのドラマがいかに素晴らしいか語り出して、ついにはドラマの大筋を全部話してしまったんです。女性も『がっつりネタバレ聞いちゃったから、しばらくは観なくていいや』と言い出す始末……」

 怒りを覚えたが、残された時間は短い。すぐに次のアプローチを実行することにした。

「ラーメンが好きだと聞いていたので、自分の家の近くにあるラーメン屋についてプレゼンしてみました。ちょっと変わったタイプのコッテリ系メニューがウリの店で、『他では味わえないから食べていかない?』と切り出すつもりだったんですけど……」

 だが、またも介入されてしまう。

「『あーダメダメ。あんな店よりも美味しいラーメンを出す店はいくらでもありますよ』と運転手が話題に入ってきたんです。タクシー運転手が紹介する店の話の方が信憑性があるじゃないですか……。急に自信がなくなってしまい、結局誘うことはできなくなりました」

◆またもや会話に乱入する運転手。そして…

 計画を次々と潰される加賀さんだったが、そう簡単に諦めなかった。

「本当にタイプだったので、とにかく何とか突破口を作れないかと思って、仕事の話をすることにしたんです。彼女は広告代理店の営業ウーマン。苦し紛れですが、楽しく働けているという現状について褒めてまくってみました。そうしたら、再度運転手が話に入ってきて……。『実は自分も同じ業界で昔やってたんですよ』と。そこから延々と自分語りが始まりました。昔話とはいえ、同じ業界の話題だったので、彼女も最初は食いついていたんですが、あまりにも自慢する感じがクドくて……。最終的には、うんざりした様子で聞き流していました」

 どうでもいい話がだらだらと続いた結果、誘うことが出来ないまま女性が降りる場所についてしまった。

「彼女を見送った後、運転手が話しかけてきたんです。『お兄さん、あの女の人、狙ってたでしょ? だったらもっと上手くやらなくちゃ。せっかくこっちが良いパスいっぱい出してるのに、全然うまく使わないんだもんな。あれじゃあ上手くいかないよ。あんたモテないでしょ?』って。本当にハラワタが煮え繰り返る気分でした」

 そして「いかに自分が女性をモノにしてきたか」という嘘くさい武勇伝を散々聞かされ、話に熱中しすぎた運転手は道を間違えるという笑えないオチまでついてしまった。

<TEXT/和泉太郎>

【和泉太郎】
込み入った話や怖い体験談を収集しているサラリーマンライター。趣味はドキュメンタリー番組を観ることと仏像フィギュア集め

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