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「ママとランチへ行くので!」上司の誘いを断った“お嬢様新入社員”がまさかの救世主になるまで――大人気記事・驚きの新入社員トップ10

日刊SPA! 2024年4月21日 8時45分

4月、新入社員が今年もやってきました。そこで「驚きの新入社員」の記事の中から、反響の大きかったトップ10を発表。第8位の記事はこちら!(初公開2023年11月28日 集計期間は2018年4月~2023年12月まで 記事は取材時の状況) *  *  *

 最近は子離れや親離れができない親子を見かけます。内輪では通用しても、世間的には賛否両論あるのも事実です。今回は、そんな女性新入社員が繰り広げる想定外なエピソードです。

 教育関連教材を販売する会社に勤める宮田さん(仮名・38歳)。他社からヘッドハンティングされ、現在は新天地で統括部長を務めています。

◆まるでお姫様のような新入社員

 例年は、男性新入社員の比率が大きい宮田さんの会社ですが、その年は男女半々だったといいます。

「ずっと体育会系なノリで好成績を上げていたのですが、営業先の顧客からの依頼もあり、今年は女性の採用比率を増やしました。おかげで有能な人材が入社することになったのですが、その中に1人だけ派手な服装で出社するMさんという女性がいました。勤務時の服装規定に厳格なルールは設けていないのですが、あれにはちょっと驚きました」

 スタッフは地味目なスーツ姿が多かったという宮田さんの職場。その中で、舞踏会の衣装のようなコーデのMさんは完全に浮いていました。なんと毎朝、黒塗りのベンツで会社の近くまで送ってもらっていたそうです。
 
◆上司よりママのほうが優先

「最寄りの地下鉄の駅の出口で目撃したんですよ。運転手らしき人が丁寧に後部の扉を開け、そこからMさんが降りてくるのを。かなりのお嬢様なんでしょうね。なんで働くのかなと思いましたけど……」

 前代未聞のMさんですが、営業成績は優秀で、得意先でも仕事ができると評判だったといいます。

「ここ最近は、新入社員と個別にランチ会をする習慣があり、今年もその時期に入りました。ところが、Mさんに『明日はランチ会の日だからよろしく』と社内チャットで連絡した際、なんと『申し訳ございません、お昼はママと食べることになっていまして』という予想外の返信でびっくりしました」

 結局、他の候補日を挙げてもらい、Mさんとのランチ会は遂行されたそうですが、宮田さんは驚きを隠せなかったそうです。

◆会社の業績が低迷して退職者も

 そんななか、ここ数年は堅実な売り上げをあげていた宮田さんの会社ですが、昨今は業績が低迷してきたといいます。

「予測はしていたのですが、やはり販路の減少と、少子化の影響が深刻になってきているんです。なりふり構わず営業を強化するように指示しているのですが、なかなか回復の糸口は見えぬままで……。販路拡大に向けて、全国の教育期間を地道に回ろうという意見も出たほどです」

 急にタイトになった業務に限界を感じた新入社員の男性が辞表を出したほど、社内の緊迫度合いも高まっていたそうです。

「正直、新入社員の辞職はショックでした。統括する立場として責任を感じます。これ以上の退職者を出さぬよう、若い社員たちへのケアを心がけるようにしました」

◆お姫様が会社の救世主に

 そんなある日、お嬢様社員のMさんが部長室の扉をノックしてきたといいます。

「彼女は開口一番『実は私の母親は郷里で学校法人を経営しているんです。幼稚園から大学まではもちろん、調理学校なども展開しています』と話してくれたんです。冗談抜きでMさんが女神のように見えたのを覚えています。早速プロジェクトチームを作りMさんとともに交渉に入りました」

 その日以降、例外的に会社の車寄せまでMさんの送迎車が入ることを許可。さらにMさんの母親もプロジェクトチームに加わったそうです。

「まさかこんな展開になるとは思ってもみませんでした。ランチ会を拒否された時は、先が思いやられましたが、会社の苦境も乗り越えられそうです。まさかその“ママ”絡みで、思わぬ得意先が生まれそうで期待しています」

 結局、Mさんの頑張りもあり、母親の郷里の学校法人で高評価を上げ、近隣の姉妹機関にも販路が広がったそうです。
 
<TEXT/ベルクちゃん>

【ベルクちゃん】
愛犬ベルクちゃんと暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営

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