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100万円を2年で1億円!バブル期の株投資の世界がわかる「ファミコン株ゲーム」3選

日刊SPA! 2024年4月21日 8時51分

―[絶対夢中★ゲーム&アプリ週報]―

◆バブル期はファミコンでも株!?
 日経平均がバブル期の終値最高値3万8915円を塗り替えた今、株を勉強してひと勝負! という人も増えていると聞きます。そんなあなたにもってこいなのがファミコンの株ゲーム!(ジョークですよ 笑)。

 バブルに浮かれていた1980年代後半、子ども向けのゲーム機だったファミコンにも株をテーマにしたゲームが登場しました。

 今回は、日経平均バブル期突破記念、知っていたら相当マニアなファミコン株ゲーム3選をお届けします。かく言う私も、『松本亨の株式必勝学』を子どもの頃にプレイして、株への理解を深めたひとり。そして、この株高でそこそこ儲かりました! ファミコンでしか知りませんでしたが、松本亨さんありがとうございます(笑)。

◆●松本亨の株式必勝学
(イマジニア 1988年)

『松本亨の株式必勝学』は1988年にイマジニアから発売されたタイトル。懐かしいところでは『井崎脩五郎の競馬必勝学』なんてのもありました。

 電源を入れると「ひとのゆく うらに道あり 花の山」と達筆な文字で格言が出るのがインパクト大(笑)! この松本亨さんとは、経済評論家で日刊投資新聞社の設立者。多くの穴株を見出してきた眼力の持ち主だそうです。

 ゲームのルールは100万円を2年間で1億円に増やすこと。キリン、トヨタ、三菱重工といった100銘柄が実名で登場し、臨場感あるのがポイント。しかも、ただ株を売買するだけではなくちょっとしたライフシミュレーションになっているのが『株式必勝学』の面白さでした。

 パラメータには健康度(HP)と生活度(LP)があり、売買するごとにLPが10ポイント低下して、0になると家庭崩壊してゲームオーバー(笑)。宝くじが当たったり、交通事故に遭ったり、遺産が転がり込んできたりと、さまざまなイベントが起こります。個人的には「ニュルンベルクのマイスタージンガー」などクラシックがBGMに使われていて、ハイソ(死語w)な雰囲気が好きでした。

 翌年には続編の『II』も発売されて、こちらはライフシミュレーション部分をさらに尖らせた一本。なぜか錦糸町や成城が3Dダンジョンと化し、マンションを買って息子の小学校の先生を住まわせたり、怪しい薬を飲んでパラメータを回復したり……。株をしっかり勉強したければ初代『株式必勝学』を、おバカなゲームを体験したければ『株式必勝学II』をぜひプレイしてみて下さい(笑)。

◆●ザ・マネーゲーム
(ソフエル 1988年)

『株式必勝学』に次いでファミコンの株ゲーで有名だったのが『ザ・マネーゲーム』。こちらは100万円を10億円にするというめちゃくちゃ高いハードルが設けられていました。資産だけでなく、高級車を買い、彼女と結婚して立派な家に引っ越して、生活水準を上げることもクリアの条件となります。

 バブル期だからか、この彼女がクセ者。「わたし、いずへどらいぶに つれてってほしいな(はーと) でも3万円かかるの…」「こんや ろっぽんぎの だんすぱーてぃに つれてってほしいの(はーと) でも20万円かかるの…」などと、電話のたびにおねだりしてきます(笑)。思えば、メッシーくんやアッシーくんなど、彼女でもない女性に男性が貢ぐのが当たり前だった時代。ちゃんと結婚してくれるだけでもマシかもしれません。

 この『ザ・マネーゲーム』の魅力は、企業がパロディ名になっていること。イトーヨーカドーならぬ「さとうむいかどう」、旭硝子ならぬ「ゆうひがらす」など、もとがどんな企業だったかを連想する面白さがあります。

 しかも、パロディ会社が載ったおまけの株式四季報がソフトについてくるこだわりぶり。たとえば「三天堂」の社長は「河内正」氏。トランプ類からテレビゲームに進出し、ゲームソフト『スーパーマリコシスターズ』を発売しています(笑)。

 四季報には、「阿蘇通」が「人工知能を内蔵した携帯用通訳マシン」を開発するなど、ちょっとした未来予測のようなネタも多く、SF感覚で楽しめます。『ザ・マネーゲーム』のカセットを買う場合は、ぜひこの四季報が同梱されているものをお選び下さい。

◆●株式道場
(ヘクト 1989年)

『株式道場』は、ヘクトから1989年に発売されたタイトル。ヘクトといえば『エモやんの10倍プロ野球 セリーグ編』『イーハトーヴォ物語』あたりが有名でしょうか。これまで紹介した2本の株ゲームに比べて、一番ストイックなのが本作。「初級」から「プロ級」まで5つのコースが用意され、それぞれ1年半で1000万円を1200万円にする、6ヶ月で5000万円を9000万円にするといったクリア条件が課せられています。

 ライフシミュレーションのようなお遊びはなく、ひたすら株価の上がり下がりを追っていくだけ。といっても、『株式道場』は現実の株価の動きをトレースしているので、リアルであることは確か。チャートの形を見極めて的確に売買を行わないとクリアするのは至難の技です。

 プレイ中は「Aけんせつ」「Bせんい」「Cしょくひん」と名前が伏せられてますが、コースをクリアすると企業名が答え合わせとして出てくるという仕掛けになっています。バブル期の荒波を乗り越えてきた強者なら、「ああ、この株の動きはあの時期のこの企業か!」とピンとくるかもしれません。

 以上、ファミコンの株ゲーム3選でした。令和バブルともささやかれ始めた昨今、イマジニアから『株式必勝学III』が出てもいいのではないでしょうか(笑)。<文/卯月鮎>

【卯月鮎】
ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も

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