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女性店員に怒鳴る“50代の男性客”。「迷惑だからやめろ」作業服の男が一喝した結果…

日刊SPA! 2024年4月22日 8時54分

 普段、ほとんどの人は怒りの感情を人前で見せないようにコントロールしているが、困るのはお酒が入ると理性が利かなくなる人たち。実際、飲食店では酔客によるトラブルは毎日のように起きている。店側も彼らの対応には慣れていても面倒極まりなく、ほかの客から見ても目に余る迷惑行為を働く者も少なくない。
 今から半年ほど前、仕事終わりに友人と地元の居酒屋で飲んでいた自営業の辻沢祥太さん(仮名・43歳)も店内で迷惑客に遭遇。通路を挟んで向かい側のテーブル席に座っていた3人組のうち、いちばん年長者と思われるアラフィフくらいの男性が料理を持ってきた女性店員を「遅い! いつまで待たせるんだ!」と大声で怒鳴りつけていたという。

◆クレーマー上司に他人事と決め込む連れの部下たち

「20歳前後の若い女性スタッフは、料理の提供が遅くなったことを謝っていましたが、相手の男性だけが勝手にヒートアップしている感じでした。そもそも私たちもその男性たちとほぼ同じタイミングで注文していたことを覚えていますが、まだ10分くらいしか経っていませんでした。すでにかなり酔っている感じだったとはいえ、それで『遅い!』って文句を言われるのはかわいそうだなと思っていました」

 でも、間に入って怒りの矛先が自分に向くのも怖かったため、女性店員に同情しつつもその場ではスルー。ただし、気になったのはクレーム男性と一緒に飲んでいた2人の男性も止める気配が一向になかったこと。これには辻沢さんも「お前ら止めろよ!」と内心思っていたとか。

「クレーマーの方より若かったので、おそらく会社の上司と部下の関係だったのかもしれません。だとしても店員さんだけじゃなく周りで飲んでいた我々やほかのお客にとってもいい迷惑。怒鳴り声が結構なボリュームで店内に響いていましたから」

 すると、彼らの隣のテーブルで飲んでいた作業服姿の30代くらいの2人組男性の1人が「さっきからうるせぇぞ! 静かにしろ!」と一喝。これにアラフィフ男性が「誰だ! 今言った奴!」とぶち切れますが、作業服の男性は「俺だよ!」とまったく臆することなく立ち上がります。

◆隣の席で飲んでいた客とのバトルに発展

「身長は180㎝を超えており、見るからにガタイの良さそうな身体つきでした。でも、クレーマーのおじさんも酔っていたせいか、『関係ない奴はすっこんでろ!』って。この状況に不謹慎なのは理解していますが、なんか面白いことになってきたぞ、と内心ワクワクしてしまいました(苦笑)」

 そんな期待(?)に応えるかのように作業服の男性は、「アンタの怒鳴り声が迷惑だからやめろって言ってんだよ。いい歳してカスハラとか恥ずかしくないの?」と火に油を注ぐ始末。ここまで自分に突っかかってくるのは予想外だったのかアラフィフ男性に一瞬動揺が見られたそうですが、それでも「若造が偉そうに」と言い返す。

◆「文句があるなら殴ってみるか?」と言われ…

 ところが、これにも「文句があるなら殴ってみるか? こっちは一向に構わないぞ。その瞬間に警察に通報してやるけどな」と作業服の男性のターンが続いたそうだ。

「この時点で勝負ありの状態でしたが、クレーマーおじさんから女性スタッフへの謝罪の言葉はありませんでした。作業服のお兄さんはそれが気に入らなかったのか『店員さんに謝れよ。いい歳してそんなこともできないのか? 親の顔が見てみたいわ』と言うだけでは飽き足らず、おじさんの部下と思われる男性たちにも『あんたらも注意しろよ。止めようとしなかったあんたらも同罪だぞ』と注意していました」

 さすがにいたたまれなくなったのか3人組はその後すぐに会計を済ませ、そそくさと店を出て行ってしまったとか。

 この一部始終は辻沢さん以外のお客たちも目撃しており、周りからは「兄ちゃん、よく言った!」などの言葉が飛んでいたそう。さらに女性店員や店長からも何度もお礼されており、照れくさそうにしていたという。

「私自身は飲食店のスタッフに文句を言ったことはありませんが、仮に一緒に飲みに行った上司がクレーマーとなった場合、私もあのおじさんの部下のように何もできなかったかもしれません。いい気味だと思って見ていたのは事実ですが、一方で他人事じゃないなと思わせる出来事でした」

 確かに、状況によっては傍観者でいられない場面もあるだろう。巻き込まれないためにもクレーマー気質の人物と飲みに行くのは極力避けたほうがよさそうだ。

<TEXT/トシタカマサ>

【トシタカマサ】
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。

―[話の通じないおっさんの末路]―

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