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入社後すぐに退職願を提出。誰にも引き留められなかった新入社員の“慢心”――大人気記事・すぐ辞めた新入社員トップ10

日刊SPA! 2024年5月19日 8時45分

新入社員が今年もやってきました。そこで「すぐ辞めた新入社員」の記事の中から、反響の大きかったトップ10を発表。まだまだある大人気記事を順位不同で紹介!(初公開2022年4月4日 集計期間は2018年4月~2023年12月まで 記事は取材時の状況) *  *  *

 多くの企業が新入社員を迎え入れる春。新卒はもちろん、転職してきた人たちで職場の空気は一変する。だが、そこに上司や先輩を困らせる“自分勝手な新入社員”が紛れ込んでくることもあるのだ。“個”が尊重される時代においても、組織としては悩ましい問題である——。

 技術系の職種の場合、就職先を選ぶ際には、“自分の知識やスキルを活かせること”が大事……ではあるのだが、職場では多くの人たちと関わっていくことになる。そこで最初に求められるものとは!?

 結果的には即戦力どころか、周囲からは“モンスター新入社員”扱い。すぐに辞めることになってしまった二人のエピソードを紹介しよう。

◆上司や先輩の助言を一切無視する新入社員

 情報システム部に在籍している田中初美さん(仮名・30代)が、会社のDX化を目的として、5年ぶりに新入社員が配属されたときのエピソードを教えてくれた。

「彼は大人しそうな見た目に反して、自分の意見をきちんと言える、電話も積極的に出ることから、最初の印象は悪くはなかったのですが……」

 職場は浮き足立ちながらも新入社員Aを歓迎したが、彼との溝は深まるばかりだったという。

 田中さんの部署の主な業務は、既存システムの修繕や各部署のトラブル対応など。先輩社員とペアになり、いつでもフォローできる体制にしていたそうだ。

 Aには、こう伝えていたという。

「問題が起きても怒らないので、必ず連絡すること、分からないことは無理に一人で対応せず、先輩に相談することを徹底してほしいと伝えていました。最初から『失敗=悪いこと』という認識にはならないように配慮していたのですが、Aがシステムのトラブル対応をする度に、各部署からクレームが入るようになったんです」

 それは、Aに業務を一人で任せるようになってすぐのことだった。業務を抱え込むようになり、上司や同僚の知らないところで問題を起こすようになったのだ。

◆社内でクレームの嵐! システムを直すどころか、無茶苦茶に悪化

「Aは、自分で処理ができないにもかかわらず、トラブル対応をすべて引き受けようとする。挙げ句の果てにシステムを無茶苦茶にして悪化させてしまうトラブルメーカーでした。

 結局フォローする羽目になるので、問題が起きたらすぐ連絡するように伝えたのですが……。彼はムッとするばかりで、受け入れようとしない。その後も同じことが何度も続きました。さすがに連続で起きたときは、強めに言わないと分からないと思い、『なぜ勝手な行動を繰り返すのか、連絡をくれないと困る』と伝えたところ、なんと逆ギレ!」

 Aは、「トラブル対応してやってるのに、なぜ文句を言われなければならないのか分からない」と主張する。さらに、「評価をしてくれない上司に対して不信感をもっている」とまで言ったという。

◆上司を“パワハラ”扱いして退職願を提出

「どうやらAは、プライドが高く自信家。誰かに頼ることが許せないタイプだったんです」

 田中さんは何度も指導や説得を重ねたが、一向に態度を改めなかった。さらにAの行動は思わぬ方向へ。

「今度は、上司を“パワハラ”だとうったえるようになり、他部署への異動願いを提出しました。さすがに、会社としてもAのことを問題社員と分かっているので却下。すると、思い通りにならないことが気に入らなかったのか、退職願いを出したのです」

 とはいえ、本気で辞めようと思っていたわけではなく、「退職」というワードを引き合いに、部署異動を狙っている魂胆が見え見えだったと田中さんは話す。入社してまだ半年だったが、結局は誰も彼の退職を引き留めなかった。

 相当の鬱憤が溜まっていたのだろう。最終出社日にも情報システム部の上司や同僚には、誰にも挨拶しなかったのだとか。

◆入社早々に嫌われてしまった新入社員

 システムエンジニアの横山かなさん(仮名・20代)は、同期入社のSについてのエピソードを教えてくれた。

「彼は、空気が読めないどころか、謎の自意識過剰でした。入社時の顔合わせの際には同期たちでLINEを交換したのですが、気に入った女子にメッセージを送りまくっていたそうです」

 その噂はすぐに同期の間で広まり、当初から「アイツはヤバい」という印象だったとか。そんなSは、もともとプログラミングの知識があったため、周囲を見下しているフシがあったという。

◆「俺は分かってるんだぜ!」アピールにうんざり

 他社の新入社員とも合同で開催された研修の場では、プログラミングについて聞かれれば「ま、これくらいは当然だよね」と振る舞う。

「もう、コイツには聞かない……と思っても、なぜか『俺は分かってるんだぜ』アピールをしたいのか、覗き込んできて『まだできてないのかよ。仕方ないなー』と、わざわざ教えてきます」

 そんな態度に同期だけではなく、他社の社員もウンザリしていた。そして、2週間の研修も終わり、いよいよ配属先が決まった。

◆配属先では周囲とコミュニケーションがとれず…

 Sが配属された部署はというと……。

「彼の自慢のプログラミングを全く使わない部署でした。同期たちがそれぞれ別の部署になっても、みんなで頻繁にご飯を食べていたのですが、Sはすぐに来なくなりました。

 彼は配属された部署で相当やらかしている様子でした。私は同じフロアだったので見ていたのですが、先輩社員が溜息をついていましたね」

 そして、とうとう会社を休みがちになったSは、結局、会社を退職することになった。

「勝手な判断が多く、他の社員とのコミュニケーションがままならなかったそうです」

 組織のなかで働く以上、いくら知識やスキルがあっても慢心してはならない。そもそも最低限のコミュニケーションがとれなければ、それを活かすことも難しいのである。

<取材・文/chimi86>

【chimi86】
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

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