Infoseek 楽天

CYBERJAPAN一筋。リーダー・かなへぇが明かす15年間の“変化と挑戦”「人生は何が起こるかわからない」

日刊SPA! 2024年6月19日 15時51分

 “日本一セクシーな美ボディ集団”として、国内外のイベントやフェスに出演する「CYBERJAPAN DANCERS」。魅惑的な衣装を身にまとい、華麗なゴーゴーダンスで会場を盛り上げる。
 そんなCYBERJAPAN DANCERSを長年引っ張ってきたのが、“かなへぇ”の愛称を持つ渡辺加苗さん(36歳)だ。2010年にCYBERJAPAN DANCERSへ加入して以来、常にグループの中心的存在として活躍し、名実ともにトップクラスのダンサーへと成長した。

 今年で活動開始から15年目を迎える渡辺さんに、CYBERJAPAN一筋で続けてこられた原動力や過去の苦労話、今後の展望について話を聞いた。

◆学校時代の青春は「放課後のダンス」

 大阪府出身の渡辺さんは、中学時代にバレーボール部へ所属していたが、仲の良いクラスメイトがダンスに熱中していることを知り、「自分も踊ってみたい」と思うようになったという。

「実は小学校の頃から、歌って踊れるアーティストのSPEEDや安室奈美恵に憧れていて。中学校の休み時間には、モーニング娘。の『LOVEマシーン』の振りを覚えて踊っていましたね。

 放課後にみんなで集まって、ダンスの振り付けを考えたり衣装を買ったり、ポージングを決めたりするのが楽しかったんです。友達とダンスに明け暮れる日々は、まさに学生ならではの“青春”でした」(渡辺さん、以下同)

◆ノーギャラでもいい。雑誌に載るために惜しまなかった“投資”

 学生時代にダンスの魅力に気づいた渡辺さんだが、芸能活動を始めた当初は「JELLY」や「S Cawaii!」、「NUTS」、「BLENDA」といったファッション雑誌の読者モデルを主な仕事にしていた。

「当時は今のようにSNSがなく、本当にたくさんの雑誌がある時代でした。ファッションやメイクのトレンドは全て雑誌からだったので、“雑誌に出ることがステータス”だったんですね。なので、とにかく必死になって雑誌の1カットに載ることを意識していました」

 雑誌の表紙を飾っても、ギャラは数千円程度。小さな枠の掲載では、ノーギャラもザラにあったそうだ。

 それでも、「雑誌で有名になるための“投資”だと思っていた」と渡辺さんは振り返る。

「モデル活動以外に、時給1500円のアルバイトとしてアパレル問屋のモデルをやっていたので、そこで稼いだお金を衣装やコスメの購入に使っていました。雑誌のアンケートに『どのモデルが好きだったか』というランキングがあって。そこにランクインされると、大きな仕事に繋がる可能性が高まるので、読者から注目してもらえるように頑張っていましたね」

◆時代に合わせて自分のスタイルを変えていく

 その後、2010年に妹の渡辺 加和(かずへ〜)さんと共にCYBERJAPAN DANCERSへの加入をきっかけに、ダンサーとしてのキャリアを積み上げていくことになる。

 2010年代初期のクラブシーンは、avexが仕掛けていた「HOUSE NATION(ハウスネイション)」のクラブイベントやコンピレーションCDの影響で、“ハウスブーム”が巻き起こっていた。

 そして、2014年には米マイアミ発の都市型音楽フェス「ULTRA JAPAN」が日本で初開催され、以降のEDMブームやフェスブームの礎を築いていった時期でもあった。

 こうしたクラブシーンの隆盛とともに、CYBERJAPAN DANCERSは活躍の場を多岐に広げるようになったわけだ。

 そんななか、今までCYBERJAPAN DANCERS一筋で活動してきた渡辺さんにとって、「時代に合わせて自分のスタイルを研究し、新しいことに挑戦する」ことが原動力になっていると語る。

「CYBERJAPAN DANCERSへ入って間もない頃のグループは『クールでかっこいい夜のダンサー集団』といったイメージでしたが、時代の移り変わりに合わせて『歌って踊れるアイドル』のように振る舞うことで、時流の波に乗ることができたと思っています。

 動画が全盛になってきてからは、YouTubeチャンネルを立ち上げたりTiKTokを始めたりと、変化を恐れずに柔軟な姿勢でいろんなことへチャレンジしていくことを大事にしていますね」

◆2016年のCDデビューをきっかけにファン層が拡大した

 転機になったのが2016年にCYBERJAPAN DANCERSの渡辺姉妹(Kanae、Kazue)、Karen、Kanaの4名から成るユニット「TeamK」を立ち上げ、CDデビューしたときだった。

「CDデビューをきっかけに、一気にアングラからメジャーへCYBERJAPAN DANCERSの名前が知れ渡っていきました。TeamKとして楽曲を出してからは、私のInstagramのフォロワーが5倍以上に増えたんです。

 また、『週刊プレイボーイ』の企画では、初のグラビア撮影で沖縄に行かせてもらったりと、ダンス以外の仕事の幅もかなり広がりました」

◆思いも寄らなかった妹・加和の仕事に対するプロ意識

 2019年には妹とのDJユニット「渡辺シスターズ」を始動させ、ダンスだけでなくDJにも取り組むようになる。

 CYBERJAPAN DANCERSを支えてきた渡辺姉妹だが、“仲良し姉妹”の秘訣はどこにあるのか。

「妹と仕事をする前は、頼りないというか“鈍臭い”と思っていたんです。でもそれが、CYBERJAPAN DANCERSで一緒に活動するようになったときに、仕事に対するプライドやプロ意識がすごくしっかりしているなと。

 そう感じる場面が多くて。一緒に妹と仕事ができて本当に良かったですし、姉妹が揃ってパフォーマンスすればパワーも2倍になる。妹には感謝も尊敬もしていて、かけがえのない相方だと思っていますね」

◆今は結婚よりも仕事に集中したい

 妹の加和さんは6月3日、SNSで結婚を発表した。そのことについて、「先を越されちゃいましたね(笑)」と話す。

「妹は去年、卵巣嚢腫の手術を受け、そこから色々と人生を見る目が変わったというか。ある種、こういうきっかけがないと次に進めなかったと、今はお互い全てプラスに捉えています。

 幸いにも、SNSで寄せられたコメントは『結婚おめでとう!』といった祝福の言葉で溢れていて、妹も『大好きなファンのためにこれからも恩返していく』という気持ちで、これからも特に何も変わらずにお互い頑張ろうと思ってます」

 ちなみに渡辺さんは自身の結婚については「まだ結婚するのかしないのかはわからない」と明かす。

「私自身、CYBERJAPAN DANCERSに入る前までは『10代で結婚したい』と考えていました。それが仕事を始めてからは結婚を考える暇もなく、気づいたら15年過ぎていましたね。今は仕事の方が楽しいと感じているので、まずはそこに集中していきたいなと思います」

◆時代に乗るために何でも挑戦し、新しい自分を見つけたい

 渡辺さんは、今後も時代に乗っていくために「何でも挑戦する」ことを胸に活動を続けていくそうだ。

「アパレルや音楽、ファッション、美容、お笑いも好きなので、これからも自分のやりたいことを全力でこなしていく予定です。さまざまなことにチャレンジしていくなかで、自分にぴったりハマるものが見えてくると思うんですよ。

 元々はモデルになりたかったのに、まさかダンスで今のような人生になるとは想像もつきませんでした。人生は何が起こるかわからないので、常に自分の可能性を探していく姿勢を持ち続けながら、新しい道を切り開いていきたいです」

 2024年5月には妹の加和さんと共にアパレルブランド「ALIBULA (アリブラ)」を立ち上げたほか、直近では、キャリア初のソロ写真集『ずっと』を発表(※妹の加和さんはソロ写真集『一緒だよ』を発表、姉妹のタイトルを合わせると「ずっと一緒だよ」になる)。CYBERJAPAN DANCERSを率いるリーダーの挑戦は続いていく。

<取材・文・撮影(人物)/古田島大介>

【古田島大介】
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

この記事の関連ニュース