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六本木の「バーレスク東京」が沖縄に進出。“プレイングマネージャー”に聞く、経緯と展望

日刊SPA! 2024年6月20日 15時51分

 六本木に店を構えるショークラブ、ROKUSAN ANGEL(旧バーレスク東京)が5月17日に沖縄県で新店をオープンした。バーレスク東京の2倍近い広さのバックヤードを設え、ダイナミックなショーを提供するという触れ込みの『Churasun6沖縄(以下、ちゅらさん6)』(沖縄県那覇市松山・旧ナムラホール跡地)である。代表には、バーレスク東京を13年間にわたって牽引し続けたMiiさんが就任した。プレイングマネージャーとして目指す到達点と展望を聞いた。
◆新店舗の代表就任は「運命めいたものを感じた」

――沖縄県初の店舗ということですが、代表就任にあたって考えたことを教えてください。

Mii:もともと個人的に沖縄県が大好きでした。バーレスク東京でパフォーマンスをしてから足掛け13年になり、漠然と「引退したら沖縄で暮らそうかな」と考えていたほどです。生まれ故郷の近くに三沢基地(青森県)があり、米軍基地が身近にあるという立地もどこか懐かしかったからかもしれません。また、自然が大好きで、エネルギーチャージをするときは海を眺めたりするんです。海沿いのカフェなどで感じる、都会とはまた違った雰囲気に魅力を感じています。沖縄県での暮らしを思い描いていた矢先の打診でしたので、なにか運命めいたものを感じましたね。

――現在の『ちゅらさん6』のパフォーマンスは、バーレスク東京と比べていかがですか。

Mii:おかげさまでバーレスク東京は良いお客様に恵まれ、一定の知名度を得ることができました。『ちゅらさん6』はそれに比べるとまだライトユーザーが多い段階で、これからファンと一緒に自分たちの武器や魅力を模索していこうとするところです。キャストの数は本店と比較して少ないものの、広大な土地や設備があり、魅力的なショーを提供できるポテンシャルに満ちています。本店の良い伝統を引き継ぎながら、『ちゅらさん6』の強みも磨き上げることでさらに高いレベルのパフォーマンスを見ていただけると信じています。

◆「六本木は怖い場所」と思っていたが…

――そもそもMiiさんがバーレスク東京でパフォーマンスをするようになった経緯を教えてください。

Mii:私はもともと芸能事務所に所属していて、歌手を志望していました。青森県で生まれ育ち、仙台市に移って楽天球団のスタジアムダンサーなどを経験して、上京しました。当時、私は夜の世界にエンターテイメントのお店があるなんて知りもせず、ダンスのレッスン仲間から誘われたときは「六本木なんて、絶対怖い場所に違いない」と思っていたんです(笑)。でもレッスン仲間もやっているならと思って働くうちに、「やっぱり私はエンターテイメントが好きだな」と思い、10年以上を傾けました。

◆「2500人の前で歌った」ことが一番の思い出

――Miiさんにとってエンターテイメントとはどんな存在ですか。

Mii:私の世代はMAXさんや安室奈美恵さんなど、“歌って踊れるかっこいい女性”の魅力をもろに感じて育っていて、いつか自分もそうなりたいと思っていました。エンターテイメントに触れている時間は、誰もが日常の辛いことや悲しいことを一瞬だけ忘れられたり、和らげることができると思うんです。その人の人生に入り込んで、ネガティブなものを少しでも薄らげるというのは、とても偉大な力ですよね。私自身、もしもエンターテイメントがなかったらどうやって生きてきたんだろうと今でも思うほど、没頭してここまできました。自分が提供する側になる難しさもありますが、やはりお客さんの反応などを見ていると、「やり続けてよかった」と心から思えますね。

――バーレスク東京在籍中、もっとも印象深い思い出があれば教えてください。

Mii:どれも思い出深いですが、ワンマンライブをさせていただいたのは今でも鮮明に思い出しますね。先ほどもお話してように歌手志望だったので、ステージに立たせていただけたことは感謝しています。ライブの規模は2500人ほどで、あれだけのお客さんに囲まれて歌を聞いていただく機会はめったにないと思うので、いい思い出です。

◆キャストと運営の二刀流で日々奮闘

――『ちゅらさん6』代表として心がけていることはありますか。

Mii:正直、キャストとして13年間勤め上げ、後半はバーレスク東京の女性を率いるポジションの経験があったので、運営の仕事も多少はわかっているつもりでいました。でも、全然そんなことはなかった(笑)。代表は店舗のすべての事柄を把握し、場合によっては関与して、常に判断を迫られます。自分でできると思った仕事でも、あえてキャストに任せる忍耐も必要ですし、もちろん経営的な視点も必須でしょう。そうしたことがだんだんわかってきたとき、これまで当たり前にサポートしてもらっていたひとつひとつへの感謝に繋がりました。キャストとして、運営側として、両面において自分の背中を見せ続けることによって、店の全体をひっぱっていける存在になるよう奮闘中です。

◆沖縄で「日本最大級のショーを目指す」

――最後に、『ちゅらさん6』の今後において注目してほしい部分はどこですか。

Mii:施設総面積220坪という、テーマパークを彷彿とさせる壮大なスケールと、そこで行われるショーの熱気でしょうか。かっこよく、セクシーに、でも可愛らしさも手放さない――全部が揃った日本最大級のショーを目指しています。また、年代や性別を問わずに心惹かれる場所にしていきたいと思っていますので、お近くにお立ち寄りの際はぜひお待ちしています!

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 コロナ禍で押し寄せた自粛の波は、夜の街の元気を奪っていった。現在もなお、コロナ以前の活気を取り戻せない街も多い。だがそうした逆境を経て、バーレスクグループの新章が幕を開けた。エンターテイメントを心から愛し、長きにわたってバーレスク東京の看板として活躍したMiiさんのショーにかける熱が、海を渡ってさらに多くの人々の心の導線にエネルギーを着火していく。

<取材・文/黒島暁生>

【黒島暁生】
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki

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