最近では女子会プランやライブ鑑賞会、コスプレ撮影会など、さまざまな使い方を提供しているラブホテル。
ひと昔前とはイメージが変わってきていますが、それでもやはりカップルが利用する場所としてさまざまなスキャンダルが生まれる場所でもあります。今回は、そんな「ラブホテル」にまつわるちょっとしたトラブルをご紹介します。
◆やる気のある新入社員
中堅の貿易会社で営業部長をしている五十嵐さん（仮名・45歳）は、周囲からもたびたび言われるほど真面目で責任感の強いタイプ。家族との仲も良好で部下との関係性もよく、部署内の雰囲気も良好です。そんな五十嵐さんの部署に、今年配属されたのが遠野さん（仮名）という25歳の若手女性社員でした。
「遠野さんはとても真っすぐな性格です。仕事は常に一生懸命で、何事にも意欲的なので、これから活躍してくれるだろうと期待しています。ただ、少々要領が悪いところがあり、配属直後からたびたび残業をしているのを見かけました」
配属直後からやる気十分の遠野さんでしたが、頑張りすぎる節があり、五十嵐さんは少し心配していました。そのため、あまり無理をしないよう直接声をかけることもあったそうです。
◆帰れない？まさかのトラブル
ある日、仕事を終えて自宅で家族と過ごしていた五十嵐さんのもとに、突然、遠野さんから電話が入ります。
「遠野さんの話によると、残業をしていたところ大雨の影響で帰宅が困難になってしまったそうです。ただ、近くのホテルや漫画喫茶もその影響か満室だったため、仕方なく女性1人でも宿泊できるラブホテルに入ったとのことでした。しかし、慌てて退社したため、会社に貴重品やIDカードを忘れてしまい、戻ろうにも戻れない状況だというのです。まだ入社して日が浅いため、誰に助けを求めればいいかわからず、混乱して私に電話をかけてきたようです」
焦った様子の遠野さんをいったん落ち着かせ、五十嵐さんは翌日代わりに支払いをするためにホテルへ向かうことを伝えました。家族にも事情を説明し、翌日はいつもより少し早く家を出てホテルに寄ってから出社することにしたそうです。
◆会社に着くと視線が…
五十嵐さんは待ち合わせたホテルのフロントで支払いを済ませ、2人は会社近くのカフェで朝食をとり、いつも通りの時間に出勤しました。しかし、フロアに入った瞬間、社員たちの雰囲気がいつもとは違い、なんだか冷たい視線を向けられているような気がしたそうです。
「とりあえず席について様子を見ていたのですが、どうやら部下である石川くん（仮名）という男性社員が、僕と遠野さんがラブホテルから出てくるのをたまたま目撃していたようでして……。それを不倫だなんだと面白おかしく流していたことがわかりました。しかも2人一緒に出勤し、遠野さんのほうは昨日と同じスーツを着ていたもので信ぴょう性が高まってしまったんですね……。この点は完全に私の配慮不足でした」
石川さんは、以前五十嵐さんから業務態度についてたびたび注意を受けていて、それを根に持っているようです。それ以来、反抗気味な態度や無視など、大人げない態度をとるようになり、彼にとって今回の目撃は、絶好の反撃チャンスだったようです。
◆ラブホテルを使っていたのは誰？
そんな雰囲気を変えたのは遠野さんでした。遠野さんは周囲の人に、昨日から今朝までの経緯を全て話すと、それを聞いた社員たちは納得していつもの雰囲気に戻ったオフィス。
「ホッとしていたところ、突然、遠野さんが『石川さんも昨日は帰れなかったんですか？ 彼女さんとお泊まりなんて仲良しですね』と、唐突に彼に話しかけたのです。すると石川さんの顔がみるみる青ざめていくのがわかりました」
それと同時に怒りの表情で石川さんに詰め寄る平野さん（仮名）という女性。彼女は遠野さんと同じ部署で、実は周囲の面々も知っている石川さんの彼女でした。その平野さんいわく、昨日は石川さんに用事があると言われ、自宅で1人で過ごしていたとのこと。つまり石川さんは、別の女性とラブホテルから出てくるところを遠野さんに目撃されていたのです。
「遠野さんの仕返し発言で、完全に意気消沈した石川さんですが、平野さんはその日早退することになり、石川さんも午後から彼女の後を追ったそうです。遠野さんの発言のインパクトがあまりにも強かったため、彼女も少し反省しているようでした」
結局、その後、五十嵐さんを陥れようとしていた石川さんは彼女を失い、部内での評判も大きく落ちたことが原因で、会社にも居づらくなったそうです。
＜TEXT／ベルクちゃん＞
【ベルクちゃん】
愛犬ベルクちゃんと暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営
ひと昔前とはイメージが変わってきていますが、それでもやはりカップルが利用する場所としてさまざまなスキャンダルが生まれる場所でもあります。今回は、そんな「ラブホテル」にまつわるちょっとしたトラブルをご紹介します。
◆やる気のある新入社員
中堅の貿易会社で営業部長をしている五十嵐さん（仮名・45歳）は、周囲からもたびたび言われるほど真面目で責任感の強いタイプ。家族との仲も良好で部下との関係性もよく、部署内の雰囲気も良好です。そんな五十嵐さんの部署に、今年配属されたのが遠野さん（仮名）という25歳の若手女性社員でした。
「遠野さんはとても真っすぐな性格です。仕事は常に一生懸命で、何事にも意欲的なので、これから活躍してくれるだろうと期待しています。ただ、少々要領が悪いところがあり、配属直後からたびたび残業をしているのを見かけました」
配属直後からやる気十分の遠野さんでしたが、頑張りすぎる節があり、五十嵐さんは少し心配していました。そのため、あまり無理をしないよう直接声をかけることもあったそうです。
◆帰れない？まさかのトラブル
ある日、仕事を終えて自宅で家族と過ごしていた五十嵐さんのもとに、突然、遠野さんから電話が入ります。
「遠野さんの話によると、残業をしていたところ大雨の影響で帰宅が困難になってしまったそうです。ただ、近くのホテルや漫画喫茶もその影響か満室だったため、仕方なく女性1人でも宿泊できるラブホテルに入ったとのことでした。しかし、慌てて退社したため、会社に貴重品やIDカードを忘れてしまい、戻ろうにも戻れない状況だというのです。まだ入社して日が浅いため、誰に助けを求めればいいかわからず、混乱して私に電話をかけてきたようです」
焦った様子の遠野さんをいったん落ち着かせ、五十嵐さんは翌日代わりに支払いをするためにホテルへ向かうことを伝えました。家族にも事情を説明し、翌日はいつもより少し早く家を出てホテルに寄ってから出社することにしたそうです。
◆会社に着くと視線が…
五十嵐さんは待ち合わせたホテルのフロントで支払いを済ませ、2人は会社近くのカフェで朝食をとり、いつも通りの時間に出勤しました。しかし、フロアに入った瞬間、社員たちの雰囲気がいつもとは違い、なんだか冷たい視線を向けられているような気がしたそうです。
「とりあえず席について様子を見ていたのですが、どうやら部下である石川くん（仮名）という男性社員が、僕と遠野さんがラブホテルから出てくるのをたまたま目撃していたようでして……。それを不倫だなんだと面白おかしく流していたことがわかりました。しかも2人一緒に出勤し、遠野さんのほうは昨日と同じスーツを着ていたもので信ぴょう性が高まってしまったんですね……。この点は完全に私の配慮不足でした」
石川さんは、以前五十嵐さんから業務態度についてたびたび注意を受けていて、それを根に持っているようです。それ以来、反抗気味な態度や無視など、大人げない態度をとるようになり、彼にとって今回の目撃は、絶好の反撃チャンスだったようです。
◆ラブホテルを使っていたのは誰？
そんな雰囲気を変えたのは遠野さんでした。遠野さんは周囲の人に、昨日から今朝までの経緯を全て話すと、それを聞いた社員たちは納得していつもの雰囲気に戻ったオフィス。
「ホッとしていたところ、突然、遠野さんが『石川さんも昨日は帰れなかったんですか？ 彼女さんとお泊まりなんて仲良しですね』と、唐突に彼に話しかけたのです。すると石川さんの顔がみるみる青ざめていくのがわかりました」
それと同時に怒りの表情で石川さんに詰め寄る平野さん（仮名）という女性。彼女は遠野さんと同じ部署で、実は周囲の面々も知っている石川さんの彼女でした。その平野さんいわく、昨日は石川さんに用事があると言われ、自宅で1人で過ごしていたとのこと。つまり石川さんは、別の女性とラブホテルから出てくるところを遠野さんに目撃されていたのです。
「遠野さんの仕返し発言で、完全に意気消沈した石川さんですが、平野さんはその日早退することになり、石川さんも午後から彼女の後を追ったそうです。遠野さんの発言のインパクトがあまりにも強かったため、彼女も少し反省しているようでした」
結局、その後、五十嵐さんを陥れようとしていた石川さんは彼女を失い、部内での評判も大きく落ちたことが原因で、会社にも居づらくなったそうです。
＜TEXT／ベルクちゃん＞
【ベルクちゃん】
愛犬ベルクちゃんと暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営