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「何百本やったのかわからない」レトロゲームが好きすぎる女性YouTuberが“特に勧める”3作品

日刊SPA! 2024年7月8日 8時52分

美麗なグラフィックで描かれ、メタバースやVRの台頭とともに進化を続ける現代のゲーム。しかし、世の中と逆行するかのごとく、ひたすらに昔のゲームをプレイし続けている人物も存在する。
『レトゲー女子はるまりのレトロゲームクエスト』を運営するはるまりさんは、約3年間で1,000を超える勢いの実況動画を配信している。しかし気になるのが、一体何が彼女の琴線を揺らしたのかということ。曰く、いまのゲームではとても表現できないレトロゲームならではの面白さがあるそうだ。ハマったきっかけや特に好きなタイトルについて、そして今後の展望を語ってもらった。

◆粗くて奇抜で、特別なのがレトロゲーム

――はるまりさんは、いまの時代になぜレトロゲームをプレイしているのでしょうか?

はるまり:小さな頃の私にとって、スーパーファミコンは手の届かなかった憧れの存在でした。自分は持っていないけど、友達の家に行くとできる“特別なもの”だったんですよね。アルバイト代を趣味に使えるようになった大学生時代、「友達の家でしかできなかったあのゲームをやりたい」と思いスーパーファミコンを買ったら、どっぷりハマってしまって……。それからは、まるでゲームの歴史をさかのぼるように、ファミリーコンピュータ(以下、ファミコン)からSEGAのメガドライブやマークⅢなどのハードに手を出し……(笑)。

――はるまりさんの思うレトロゲームの魅力を教えてください。

はるまり:なんといっても粗いドット絵です。いまのゲームのようにキャラの動きが細かく表現されていないので、ある程度自分で想像できる楽しみがあるんですよね。ほかにも「なんでこんなことになってるの?」という奇抜さや、驚きがいっぱい詰まっているのも最高です。たとえば、ファミコンで出ている『影の伝説』は、魔城に捕らえられた姫を助けるストーリーなんですけど、救出しても次のステージでサクッとまたさらわれていくんですよ(笑)。丁寧に物語が描かれるいまのゲームではありえない、ツッコミどころ満載なところがたまりません。

◆レトロゲームは海外に誇れる日本の文化

――はるまりさんは、レトロゲームをどのように入手しているのでしょうか?

はるまり:レトロゲームが売っているお店は、全国に結構あるんです。東京であれば、中野や秋葉原が有名ですね。私は、所有欲よりも“遊びたい欲”が強いので、パッケージやゲーム内容でビビッときたものをよく購入しています。旅行先でご当地のレトロゲーム屋に行くと、新しいソフトとの出会いがあって楽しいですよ。

――レトロゲームは、いくらぐらいで買えるものなのでしょうか?

はるまり:中古で販売されているものばかりなので、値段はバラバラです。1,000円台で買えるものもあれば、プレミアがついていると10万円以上することも珍しくありません。ファミコンの後期に出た名作の『へべれけ』をどうしてもやりたくて、4万円程度で購入したことがあります。

――需要はまだまだあるんですね。

はるまり:レトロゲームは、海外に根強いファンがいるみたいなんですよ。配信をしていると、ブラジルやスペイン、ロシアなどの方々からコメントをもらうときがあります。フランスの方から、海外で出回っているレトロゲームのレアグッズ情報をもらったこともありました。世界に通用する日本の文化として、レトロゲームが広まってくれたら嬉しいなと思います。

◆おすすめを挙げるにも「好きなゲームが多すぎる」

――はるまりさんのおすすめレトロゲームを教えてください。

はるまり:好きなゲームが多すぎて、日によって変わるのが正直なところかもしれません。ただ、思い出深い作品を挙げるなら、『妖怪道中記』のファミコン版かな。つい口ずさんでしまうBGMが魅力で、パッケージを見ただけでキュンとしてしまいます。

ほかに心に残っている作品は、大好きなゲームメーカーの株式会社ジャレコから出ている『忍者じゃじゃ丸くん』ですね。とにかくかわいいキャラクターと、シンプルなのに面白いゲーム性が最高なんです。ピン坊という一つ目小僧のキャラクターがいるんですけど、気絶したときの顔がすごくキュートで。あまりにも私が彼への愛を叫んでいるので、ファンの方がピン坊のピアスを作ってくれたこともありました。

あとは、シューティングが好きなので、ファミコン版の『グラディウス』はよくやっています。コナミコマンド(↑↑↓↓←→←→BA)をいかに使わないでいくかをやり込んだ思い入れのあるゲームで、宇宙を舞台にした世界観やBGMがたまらなく好きですね。

◆配信が終わった後にも、別腹でゲームをする

――これまでレトロゲームを何本くらいプレイしたのでしょうか?

はるまり:本当に、何百本やったんだろう? 数えてはいないのですが、YouTubeチャンネルに掲載している実況動画の数は、もうすぐ1,000本を超える勢いです。

「配信終わった!じゃあゲームやろう。」みたいな毎日を送っているので、本当にゲームが好きなんだなって自分でも思います。3年以上も配信を続けていると、さすがにプレイも上達してきたかもしれません。

◆「一緒にプレイしている感覚」で配信を楽しんでもらいたい

――配信でこだわっていることはありますか?

はるまり:小さな頃、友達と一緒にプレイしていたときの感覚で見てもらえることを意識しています。みんなで集まって、交代しながら遊んでいたあの感じを思い出してほしいんですよね。たとえば、難しいステージで同じ穴に何回落ちても、あえてカットせずそのまま流しています。他人のプレイを見ているときの“モヤモヤ感”みたいなものを共有しつつ、クリアしたときの感動を一緒に味わってもらいたい。YouTubeであれば早送りもできるので、好きなように楽しんでもらえると嬉しいです。

――ここまでレトロゲーム好きを極めていると、メディアからも出演オファーが来るのでは?

はるまり:ゲーム情報チャンネルの『ゲーがくTV!』にゲストで呼ばれたり、レトロゲームオタクとしてテレビ朝日の番組に出演したりしています。私が露出することでレトロゲームを広めていけるのであれば、これからも積極的にメディアの仕事を受けていきたいですね。

――最後に、はるまりさんの今後の目標を教えてください。

はるまり:これからも、大好きなレトロゲームの配信をずっと続けていきたいなと思っています。そして、“昔のもの”であるレトロゲームのブームが再燃し、イベントやグッズなどでまた“新しいもの”が生まれるきっかけになれたら嬉しいです。レトロゲームバーのような交流の場も作れたら楽しそうだと思うのですが、多分向いていないと思います。私自身がひたすらにプレイしてしまうので(笑)。

<取材・文/川上良樹>

【川上良樹】
エンタメ好きなフリーライター。クリエイターやアイドルなどのプロモーション取材を手掛ける。ワンドリンク制のライブが好き。

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