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“筋骨隆々な大食いファイター”を直撃「わんこそばを690杯」食べても、なぜ太らない?

日刊SPA! 2024年7月17日 15時54分

大食漢といえば太った男性というイメージも今や昔。しかし、ギャル曽根やもえあず、小林尊といった先駆者の活躍によって、痩せていても大食いができる、むしろ巨漢よりも強いことが証明されたといえよう。
ここ最近、大食い業界に超新星が現れた。2024年4月に放送された『最強大食い王決定戦2024』(テレビ東京系)に登場した鍋島龍一郎氏だ。

パーソナルトレーナー兼アームレスラーという肩書きをもつ彼は、まるで鎧のような筋肉に包まれた肉体を持っていた。

一体どんな人物なのか、そして相反するようにも思える筋肉の維持と大食いをどのように両立させているのか。本人を直撃した。

◆大食いを始めたのは「半年くらい前」

ーー子供の頃から大食いだったんですか?

鍋島龍一郎(以下、鍋島):いえ、普通の人よりはよく食べる子供だったと思うんですが、大食いをガチではじめたのは半年くらい前なのでまだまだペーペーなんです。

ーーなぜ大食いを始めようと?

鍋島:去年の12月に、埼玉県川越市の「でっかいからあげジャイアン」さんというお店が開催する、からあげの大食い大会があることを知って、食べるのが好きだし、挑戦してみようと思ったんです。エントリーして1週間くらい練習しました。1個130~140gくらいの唐揚げを制限時間30分でいくつ食べられるかというルールだったんですが、25個を食べて優勝しました。その3ヶ月後の同じ大会では31個食べてこの時も優勝できました。それがきっかけで「大食いって楽しいな」と思うようになったんです。

ーーそこからは、どのような活動を?

鍋島:「侍イーティング」という大食い系YouTubeチャンネルに呼んでいただいて、有名なフードファイターの方々に交じって僕も出られることになったんです。2週間ほど練習を続けて撮影に臨みました。チーム戦ではありましたが、個人的には「300gのうな丼」を13杯食べました。その撮影も終わって、目標がなくなったと感じていた時に「大食い王決定戦」が出場者を募集していることを知ったんです。すぐに応募し、大会に向けて練習を積むという感じでした。ここ半年は、都度できた目標を目指して頑張ってきたという感じですね。

◆ラーメンとわんこそばの店で歴代1位の記録を樹立

ーーこれまでにたくさん食べた記録を教えてください。

鍋島:とんこつラーメンの「なんでんかんでん」さんが、過去に替玉チャレンジをやっていて、そこで制限時間30分で23玉食べました。これはお店の歴代1位記録です。それから、「くるくるわんこ」さんというわんこそばのお店で、制限時間40分で690杯食べ、こちらも歴代1位ですね。

◆“体が維持できるように”コントロールしている

ーー一方、筋トレやアームレスリングに興味を持ったきっかけはなんですか?

鍋島:子供の頃から力が強い方でしたし、遊びでの腕相撲もよくやっていました。4年くらい前に、アームレスリングのチャンピオンと知り合って、その人に負けちゃったんですよ。すごく悔しくて、その日からトレーニングを始めました。

ーー負けから始まったんですね。大食いをしているのに、なぜその体が維持できるのですか?

鍋島:どんなに忙しくても、どんなに疲れていても毎日ジムに行くようにしています。それと、体重計に毎日乗りますね。体重を見ながら、自分でリカバリーができると思う時にしか大食いはしません。

ーー1日の食事の一例を教えてください。

鍋島:以前は少なめの量をこまめに食べる生活だったんですが、大食いを始めてからはリズムが変わりましたね。たくさん食べた後には30時間くらい食べなかったりということもあります。でも最近は、1日~2日に1度は大食いをしていますけどね。それでも、この体が維持できるようにコントロールはしています。

◆「大食いをしても太らない」体質に気づいた

ーー具体的にどのようにコントロールしているのですか?

鍋島:自分が何をしたら自分の体がどう変化するのかを、きちんと知らなくてはいけません。例えば、糖質をどのくらい減らしたらどのくらい体重が減るのかや、どんなトレーニングをしたら筋力がどう変わったということを知ることが大事です。

ーーそのためには、数多くサンプリングすることが大事ですね。

鍋島:太りやすい/太りにくいだったり、筋肉がつきやすい/つきにくいなど、体質は人によって違いますよね。なので、世間で言われるいくつものダイエット法や筋トレも、自分にあったものをやらなければ、せっかく頑張っても結果が出にくいんですよね。

ーー鍋島さんご自身の体には、どんな特徴がありましたか?

鍋島:「大食いをしても太らない」ことです。ちなみにお酒も筋トレや筋肉に良くないと言われていますよね。ただ、僕はお酒もすごく飲むんですが、影響を感じたことがないですね。

◆半年前に比べて「倍ぐらい食べられるようになった」

ーー大食いの練習によって胃が大きくなることはあると思いますが、テクニックも身につくものですか?

鍋島:そうですね。大食いの面白さは「ただ、胃に流し込む」だけではないところだと、身をもって知りました。メンタルや段取りも大きく影響するんですよね。制限時間が迫って焦り始めても、ペースを崩さず食べられるメンタルだったり、体内に食べ物が入りやすい段取りをうまく組み立てたりという奥深さがあります。

ーー半年間でそのスキルやメンタルは高められましたか?

鍋島:かなり高まったと思います。半年前に比べると量としては倍ぐらい食べられるようになりましたね。

ーーなかでも、ご自身で変化が大きいと感じるのはどんな部分ですか?

鍋島:スピードですね。海外のフードファイターは食べるのがめちゃくちゃ早いんですよ。ホットドッグの大食い大会として有名なアメリカの「ネイサンズ」は、制限時間10分ですからね。日本は国民性としてもコンプライアンスの視点からも綺麗に食べるのをよしとするので、スピードの面では海外よりも弱くなります。ですから、スピードを意識して練習していますね。

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「大食いが楽しい」という鍋島氏は「もっと強くなって、いろんな人と対戦するのが楽しみ」とニヤリ。独自の理論をベースに、今後さらなる戦績を積み重ねていくことだろう。

<取材・文/Mr.tsubaking>

【Mr.tsubaking】
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

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