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「後輩女性社員の尻ぬぐい」にうんざり。なぜか通るダメ企画、じつは上司とラブホで…――大反響・上司に嫌気がさした人たち

日刊SPA! 2024年7月21日 15時45分

過去5万本の記事より反響の大きかった傑作選。今回は上司に嫌気がさし辞めちゃった人たちに注目する。果たしてどちらが悪いのだろうか……。(初公開2023年5月12日 記事は取材時の状況) *  *  *

 夫婦間の不和、仕事のストレス……既婚者が不倫に走る要因はさまざまである。しかし、一時の快楽と引き換えに大きな代償を支払うことにもなりかねない。当事者が社会的な制裁を受けるのは当然として、なかには思わぬとばっちりを受けてしまうケースも。

 IT企業に勤めている湯山浩樹さん(仮名・28歳)は、「他人の不倫」のせいで、情熱を注いでいた職場を辞める決断に至ったそうだ。

◆ITベンチャーで仕事に打ち込む日々

「自分が勤めていたのは、ベンチャー系のIT企業でした。『自分の手で社会を変えるような新しいサービスを生み出すんだ』と意気込み、燃えてましたね。終電間際まで働くこともザラにありましたが、忙しさを苦に感じないぐらい夢中になって仕事をしていました」

 当時の湯山さんには、目標とする人物がいた。

「当時30代後半だった課長です。とにかく仕事ができる人で、短期間で黒字化した企画をいくつも出していましたね。普段の温厚な人柄と打って変わって企画に関しては厳しい人で、けんもほろろに突っぱねられることはしばしば。いつか認めてもらえる企画を出せるようになろうと思うような存在でした」

◆中途の女性社員の指導役に抜擢

 尊敬する上司のもとで、仕事に情熱を傾ける充実した日々にある変化が訪れる。

「企画部に中途採用の女性社員Aが入ってきたんです。自分より歳は1つ下で、背が小さくておっとりしたタイプでした。自分がメンターとして、OJTを行うことになったんですが、これが大変でした。まるっきり仕事ができないんです」

 それでも、初めての後輩を1人前にすべく、地道に教え続けたという。

「何度も同じことを教えなければならない時もありましたが。物覚えがあまりにも悪くて……。指示を出しても、言ったことの30%ぐらいしかできないんです。別に難しいことを指示しているわけじゃないのに。4か月ほど経ってもそんな感じだったので、どうしたら良いのか、かなり悩みましたね」

◆なぜか後輩の企画が通るように

 そんな最中、Aさんに驚くような変化が。

「Aの企画が通るようになったんです。企画力がアップしたというわけでもなく、出すのはパクリ企画みたいなものばかり。でも、そんな企画にGOサインが出てしまう……。訳が分かりませんでした。あの厳しい課長もジャッジしているのに、『なんでこんな企画が通るんだよ』と怒りさえ覚えました。さらに最悪なのが、自分がAの企画をフォローしなければならなくなったことです」

 これは、トラウマになるレベルで辛い体験だったという。

「エンジニアに企画を説明するのが嫌でたまりませんでした。Aには企画をブラッシュアップした方がいいと伝えたんですが、納得せずで。課長にも相談したんですが、『そのままでいい』と言われて……。正直、頭がおかしくなったんじゃないかとさえ思いました」

◆部を跨いで板挟みになってしまう

 結局、Aの企画はリリースされることが決定。湯山さんにとって、辛い状況がさらに続くことに。

「もちろん、そんな製品が売れる訳がなくて……。営業からは『なんでこんなクソみたいな企画を通したんだよ』とキレられたり、『企画はこのレベルで仕事になるんだから楽だよな』と馬鹿にもされました。自分もクソだと思っていましたが、部として出しているものなので、立場的に、そんな企画でも守らなければならなくて……。板挟みが本当に辛かったです」

◆社内でささやかれる“不倫説”

 その頃には、あることを疑うようにもなったという。

「課長とAはデキてるんじゃないかって。Aの企画が通るようになった頃から、同僚とそんなことを冗談っぽく話したりもしていました。でも、それがだんだんと確信に変わっていきました。朝一緒に出勤してくるのを見たという話や、ラブホ街の近くで手を繋いで歩いているのを見たという話を聞くようになったんです。最終的には、周囲の誰もが不倫を確信するような状態でした」

 湯山さんは真相を確かめるため動くことに。

「飲んだ席で上司に聞いたりもしました。でも、既婚者だった課長は頑なに否定しましたね。その後も、Aの企画が通って、また自分がフォローする羽目に……。同じく酷い企画だったので、もう限界でした。会社をしばらく休んで旅行に出かけ、旅の途中で退職を決意しました」

◆尊敬から一転憎悪の対象に

 退職を決めた理由は、怒りだった。

「Aに対する怒りもありましたが、それ以上に憧れていた上司に対する憎悪の方が強かったですね。『こっちは寝るまも惜しんでまでやっていた仕事で、公私混同してんじゃねーよ』って。『こんな上司のもとで働くのは無理だ』と思ったのが退職の1番の理由でした」

 上司の不倫のせいで、職を失うことになったという湯山さん。いまだに怒りが覚めやらぬという様子だった。ちなみに「でもなぜか、あの事件以来、不倫モノの作品が好きになりまして……」と妙な嗜好の変化まで語ってくれた。

<TEXT/和泉太郎>

【和泉太郎】
込み入った話や怖い体験談を収集しているサラリーマンライター。趣味はドキュメンタリー番組を観ることと仏像フィギュア集め

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