Infoseek 楽天

廊下の先に“猫の白骨死体”が…。ゴミ屋敷の多頭飼育崩壊現場のリアルを「特殊清掃業者」が激白

日刊SPA! 2024年7月22日 8時53分

 日々増え続ける孤独死現場の清掃作業。全国で年間6.8万人が孤独死をしている日本で、孤独死と切っても切り離せない問題がごみ屋敷である。
 都内を中心にさまざまな現場で特殊清掃を手がけるブルークリーン株式会社で働きながら、特殊清掃の実態を伝える登録者5万3000人以上のYouTubeチャンネル「特殊清掃チャンネル」を運営している鈴木亮太さんに、ごみ屋敷清掃中に出てきて度肝を抜かれた物について話を聞いた。

◆古い家でヒロポンが見つかることも

 ごみ屋敷を清掃していると、「うわっ」と目を背けてしまうような物に遭遇することがある。

「個人的に出てきて、あっ……と思ったのが覚せい剤です。古い家には昔ながらのヒロポンがあったり、そういう場合は警察を呼んで処理してもらってます。あるあるなのが、おしっこ入りのペットボトルですね。腐らないように冷蔵庫に入ってたり、床に転がってたり、いろいろなパターンがあるのですが、そういう家の共通点はトイレがゴミで塞がれていて使えなくなっていること。そこまでになっていると、床すらも見えないごみ屋敷になってる場合が多いんですよ」

◆ごみ屋敷になるパターンは?

 ごみ屋敷になるパターンとしてはこのような流れになっている。

「まず、ゴミを寝床とかテーブル周りとか自分の周りに捨てていきます。自分の寝床がゴミで埋まりそうになったら、次に風呂場やトイレにゴミを捨てていくんです。基本的に自炊などはしないので、コンビニとかスーパーで買ってきた弁当のゴミが溜まっていくけど、ゴミを外に出すことはしない。そのうちトイレがゴミで埋まったり詰まったりして使えなくなってることに気づいて、仕方がないのでペットボトルに尿を出すようになるんですよ。大便もビニール袋にするようになります。そのうちゴミの標高が上がってきて、ゴミの山のてっぺんで寝るみたいなことになります」

 ペットボトルのお茶のほかに、ゾッとしたのは白骨死体が見つかった時のようだ。

「とあるごみ屋敷を掃除していたときに、押し入れまでゴミがパンパンだったことがあったんです。押し入れのゴミを掃除していた時に奥のほうから何かの白骨死体が出てきて、鼠よりは大きいなと思っていましたら、猫用の餌とかも見つかって、この状況で猫を飼っていて、猫がゴミに挟まれてしまって身動きが取れなくなり、そのまま死んでしまったのではないかと推測しました。他には若者で精神疾患になり、1か月くらい家を空けていて、そこを掃除してほしいと依頼を受けたときに飼ってた猫が死んでいたりしたこともありますね」

◆多頭飼いしていた家主が亡くなった時に…

 猫の死体もけっこうな頻度で目にしているようだ。多頭飼いをしていた飼い主がなくなり、食べるものが亡くなった猫がそのまま餓死しているパターンや、虐待を受けていたのではないかと思うような猫の死体が見つかったこともある。

「ゴミが天井までいってしまって、住民は玄関に布団を敷いて寝てるみたいな状況があったんですが、そこを掃除してくれと依頼があったんです。1階がゴミでパンパンなので、家に入るときは脚立を2階にかけて、2階の窓から入るような生活だったらしいのですが、段々と体が衰えていき、2階に上がるのを断念したみたいです。その後、病院で亡くなられたようです。しばらく月日が経って、親族の方から、家を片付けてくれという依頼でした」

 何とか1階のゴミをかき分け、外に出していくと、床に猫の糞らしきものが結構でてきたようだ。ニオイも獣臭く、鈴木さんは嫌な予感がした。どんどんゴミをかき分け進み、1階から2階へ向かう廊下が見えたときに唖然とした。

◆廊下の先に「たくさんの猫の白骨死体が」

「たくさんの猫の白骨死体があったんです。おそらく飼い主が階段で2階に上って餌をやるなり、世話をしてたのですが、それも出来なくなり、飼い主が亡くなって清掃業者が入るまでずっと放置されてたんだと思います。依頼主に連絡すると、『猫は飼ってなかったはず』と言っていたので、もしかしたら野良猫が住みついていただけなのかもしれませんが、あの白骨死体を片づけてるときはかなり胸が痛みました」

 ご近所さんに話を聞いたところ、故人は近所付き合いもほぼない孤独な独居老人だったようだ。話しかけてもすぐ怒鳴り散らして、精神疾患を持っていたようにも見え、その孤独を癒すために野良猫に餌付けをして飼いならしていたのではないかと考えられる。

 白骨死体はそのままビニール袋に入れてゴミに出すと問題になる場合がある。また、猫としての原型をとどめている場合、専門の処理業者に処理を依頼することもあるという。

◆猫の死体を捨てるのは「心が痛む」

「きちんと飼っていた猫であれば、納骨したり、供養したりします。それ以外の野良猫らしき白骨死体であれば、各現場の自治体の清掃事務所に問い合わせて、所定の方法で処理する形です。一応、動物の遺体は一般廃棄物と言われているんですけど、捨てるというには胸が痛むというか、心の持ち所をどうすればいいかわからなくなるので、きちんと供養をしなきゃいけないと思うんですよね」

 ごみ屋敷を清掃してほしいという依頼があっても、費用が足りない場合はどうしているのか。

「支払える額で月々分割という手もできます。今回は3万もらったから3万円分の清掃をしますと。それを何か月もかけて分割で掃除をすることもできるので、お気軽に問い合わせてほしいですね」

<構成/山崎尚哉>

【特殊清掃王すーさん】
(公社)日本ペストコントロール協会認証技能師。1992年、東京都大田区生まれ。地元の進学校を卒業後、様々な業種を経験し、孤独死・災害現場復旧のリーディングカンパニーである「ブルークリーン」の創業に参画。これまで官公庁から五つ星ホテルまで、さまざまな取引先から依頼を受け、現場作業を実施した経験を基に、YouTubeチャンネル「BLUE CLEAN【公式】」にて特殊清掃現場のリアルを配信中!趣味はプロレス観戦

この記事の関連ニュース