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トニセンの令和へ時代が変わっても変わらぬ思い

日刊SPA! 2024年7月24日 8時48分

元V6の坂本昌行(52歳)、長野博(51歳)、井ノ原快彦(48歳)のユニット・20th Century(トニセン)が19日、全国ツアー「20th Century Live Tour ~地球をとびだそう!~」の千秋楽を神奈川県民ホールで迎えた。トニセンらしいセットリストやパフォーマンス、笑いに溢れた120分。出会ってから36年、STARTO ENTERTAINMENT所属の最年長アイドルグループがファンを存分に盛り上げた。
しっとりとした歌い出しの楽曲「トライアングル」で幕開け。曲途中でスポットに照らされて登場したトニセンの3人。その後は、曲調が一転。「大人Guyz」では会場に札束が舞い散るという派手な演出。曲終わりでは、井ノ原が「今日は華やかにいきましょう。去年の(ツアー)は14年ぶりにやったから、今年は空けないようにしようってことでやらせてもらいました!」と挨拶すると、会場から歓声が上がった。

続いては、昨年11月1日にトニセンがオープンさせた純喫茶「喫茶二十世紀」をイメージしたセットに、店員スタイルに着替えた3人。そんな落ち着いた雰囲気のなか、「回れよ地球」「ある日願いが叶ったんだ」など、アコースティックバージョンで披露した。また、そのコーナーで披露した「不惑」という曲に触れて、井ノ原が「僕が40歳になったときにできた曲。これで全員40代だねって言いながら歌ってたんですけど、もう二人が50代になり、もうそろそろ50代の曲も作らないといけない」と話すと、坂本も「ほんとに考えていかなきゃね」としみじみ。また、バックダンサーを務めている20歳の後輩たちに向けて、「彼らが20年後に『不惑』を継承してもらってさ」と語りかける。そのやりとりを見て、長野も「いいね~。ただ、そのとき僕らは70代だよ……」と漏らすと会場から笑いが起こった。

今回のツアーでは、トニセンのルーツを辿った楽曲たちも盛り込まれた。トニセンが長年バックダンサーを担当していた少年隊の「デカメロン伝説」「君だけに」など、少年隊をオマージュした衣装を身にまとい、舞い踊った。また、ツアータイトルにかけて、地球を飛び出した3人が宇宙最大のフェス「ギャラクシーソニック」に出場するというコーナーも展開。そこで、V6のヒット曲「MUSIC FOR THE PEOPLE」「WAになっておどろう」などのイントロが流れると、会場はさらにヒートアップ。さらに、井ノ原が「まだまだいくぜ! 俺たちの友達の曲です!」と曲フリ。元V6の森田剛、三宅健、岡田准一のユニット・Coming Century(カミセン)の楽曲「夏のかけら」「Theme of Coming Centry」を、トニセンが全力のダンスパフォーマンス。そんなエモい光景を目の当たりにしたファンも手拍子とペンライトが大きく振って応えていた。

アンコール後の挨拶では、長野が「何年かライブができない日々が続いたりとか、ライブをやっても声を出せなかったりもありました。でも、こうして皆さんにあって声を出して、発散していろんなキャッチボールができる。本当に僕たちにとって大切な場所なんだということをあらためて感じてます」とコメント。坂本も、「昨今は新しいものを求めすぎていて、何か大事なものを失っているような気もしていて。今回のツアーをやらせてもらうときに、偉大な先輩、偉大な楽曲があるからこそ、僕らがステージに立たせてもらっているんだなというのを感じました」と噛みしめた。

最後に、井ノ原は「できる限り僕らもね、これぐらいのステップでよければいくらでもできるんで。ずっとアイドルとしてやっていきたいと思ってます。気づけば歌って踊るアイドルとしては最年長になっちゃいまして(笑)。後輩たちがすごい頑張ってくれてるんで、僕らは地道にのんびりライブができたらなと思っていますので、これからもよろしくお願いします」と頭を下げると、会場からは大きな拍手に包まれた。

昭和、平成、令和と時代は移り変われど、目の前のお客さんに最高のエンターテイメントを提供する。トニセン3人の変わらぬ思いが詰まった空間だった。

取材・文/吉岡 俊 撮影/後藤 巧

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