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「ダブルクリックがわからん!」コールセンターに“高圧的な態度”を取り続けた50代男性の末路

日刊SPA! 2024年7月27日 8時54分

顧客から寄せられるさまざまな悩みを解決するコールセンター。人と対話をする職業だけに、高頻度で迷惑客に遭遇するらしい。竹田謙吾さん(30代・仮名)も、過去に厄介なモンスター客に遭遇した経験を持っている。
◆「高圧的な50代男性」からの問い合わせに頭を悩ませる

竹田さんはレストランシステムのカスタマーサポートセンターに勤務。顧客からトラブルの内容を聞き、解決する役割を担っていた。ある居酒屋にシステムを導入したところ、モンスター客から電話が入るようになったという。

「50代と思われる男なんですが、電話を受けた瞬間から『これ、使い物にならん。なんじゃこのシステムは』と喧嘩腰な物言いで、もちろんタメ口。仕事なのでトラブルの内容を聞かざるを得ないのですが、こちらも人間ですから最初から喧嘩腰の人物とは話したくありませんよ」

非常に高圧的なうえに、システムを覚えようとせず、何度も電話をかけてくるのだそう。

「通常の場合、システム導入時に操作説明をするんですが、レクチャーした社員が辞めてしまったんです。男はなにも知らないので、ハンディーターミナルの電源の入れ方、オーダーの方法など、初歩的なことから質問してくる。しかも『わかりにくい』など『もっとわかりやすいにデザインにしろ』などと文句を言ってきて。はっきり言って迷惑でしたね。操作ミスをしているくせに『システムが悪い』なんて言ってきたりして……」

◆対応に「通常の3倍」かかってしまう

困ったのは、態度だけではないという。

「男の態度が喧嘩腰なのも困ったのですが、それ以上に頭を悩ませたのが『アレ』の多さ。困っていることを聞き取ろうとすると、『このアレがアレしている』『このアレがダメで』などと言うんです。わけがわからないので『アレとはどういう状態でしょうか?』と聞くと、『アレはアレ。わかるじゃろうが』と方言混じりで逆ギレする。これでは本当に話になりません。結局粘り強くこちらが理解するまで話を聞くのですが、ほかの客なら10分で済む話が、30分はかかる。同僚の間では『アレじいさん』と呼んでいました」

男のわがままぶりはエスカレートをしていったと竹田さんは回想する。

「アレを連発されたとしても、こちらは仕事ですからトラブル内容を聞いて解決します。そういうことが続くと、だんだん男もワガママし放題でも対応してくれると思うわけです。そのようなこともあり、タメ口や威圧的な言動が状態化。この人物から電話が入ったときは、すべて私ともう1人の社員が対応することになりました」

◆「ダブルクリックがわからない」モンスター客の末路

竹田さんの堪忍袋の緒は、ついに切れることになる。

「あるとき、レストランのメニューが秋から冬に切り替わることになりました。当然ハンディーターミナルの設定も変更しなければいけません。男は当初『お金を出すからそっちでやってくれや』と言ってきたのですが、難癖をつけられるのは明白なので、拒否しました。結局男が設定方法を教えることになったのですが、説明中も『ややこしい!』『わからん』を連発し、呆れ返ってしまいました」

男はパソコンが苦手な様子で、理解力に乏しかったという。

「『ここをダブルクリックしてください』と教えたら、『右と左、両方押すんか?』クリックも、『右と左、どちらを押すんじゃ?』と言ってたり。その後も『わからない』『目が見えない』を連発してきました。あまりに酷い有様でしたので、少々頭にきて『パソコンのわかる担当者を用意してください』『これ以上の対応は致しかねます』と伝え、対応を中止しました。私も言い過ぎではあったのですが、我慢ができませんでした。

後日風の噂で聞いたのですが、この人物は職場でもパワハラが問題視されていたそうで、配置転換になったんだとか。しかも左遷先はクレーム処理のコールセンターらしく。今ごろ、鏡に映った自分のようなクレーマーと喧嘩しているのではないですかね」

コールセンター相手に横柄な態度を取る人物は、一定数いると聞く。それが好ましくない行為であることは、火を見るより明らかだ。

<TEXT/佐藤俊治>

【佐藤俊治】
複数媒体で執筆中のサラリーマンライター。ファミレスでも美味しい鰻を出すライターを目指している。得意分野は社会、スポーツ、将棋など

―[話の通じないおっさんの末路]―

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