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コンビニ大手3社の「冷やし中華」を実食。食べ比べてわかった“決定的な3つの違い”

日刊SPA! 2024年8月3日 8時51分

◆コンビニ大手3社「冷やし中華」を食べ比べてみた
「冷やし中華はじめました」の短冊をラーメン店や中華料理店に見かけるようになると、いよいよ夏の到来を実感する……というのも今は昔。ここ数年は、5月末くらいから夏のように暑いですよね。今年の夏も例年以上に暑い日が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 そこで今回は、灼熱の夏こそ食べたくなる「コンビニの冷やし中華」を食べ比べ! その元祖は仙台の中華料理店であるとの説が有力で、夏場の売り上げ低下を打開するためのメニューとして考案されたのだとか。

 一般的には、冷水でしめた麺の上に、キュウリやもやし、紅ショウガ、錦糸玉子にゆで玉子、チャーシューまたはハムをトッピング。甘さと酸味がある醤油ベースの冷たいスープ、ほんのりごま油が香るのがポイント、といったところでしょうか。

◆セブン-イレブンは「甘めの味わい」

 まずはセブン‐イレブン「冷し中華 561円(税込)」から。3社では唯一、トッピングにわかめが入っています。それでは実食!

 スープは甘酸っぱく、特に甘みがわりとしっかり感じられました。ごま油とショウガがほのかに香り、醤油辛さはありません。麺はのど越しがよく、軽いちぢれがスープをほどよく持ち上げます。

 スープの甘みも相まって、麺を噛むとほんのりと自然な甘みが広がります。

 お次はトッピング。細切りのチャーシューは塩加減がほどよく、肉の旨みが感じられます。錦糸玉子もわり甘めで、香ばしさもありました。そのほかキュウリ、もやし、わかめはフレッシュ感があり、シャッキリとした歯ごたえ。そのままでもじゅうぶん味わいが成立しているので、辛子は味変したいときに途中で投入するのがよさそうです。なお、マヨネーズが付属するのは近畿地方と、三重県、愛知県、岐阜県の店舗に限られます。

 総じて、甘みを感じるマイルドな仕上がりだと思いました。「甘めの味付けが好き、もしくは酸味が立った味わいが苦手」という方におすすめです。

◆ファミマは「ごま油やレモン酢」が隠し味

 お次はファミリーマート「定番!さわやか醤油スープ 冷し中華 598円(税込)」。チャーシューが丸判で大きく、インパクトがあります。では実食。

 公式HPによると、スープにはごま油やレモン酢を加えているとのこと。たしかに甘酸っぱく、麺と絡めると酸味がさらに際立ちます。麺は若干細目で、ちぢれが弱く、もう少ししっかり絡みが欲しいところです。

 しかしそれより気になったのは、麺の柔らかさ。スープでほぐす際にもかなりほぐれにくく、食べ進めると口の中がもったりとしてきます。

◆チャーシューの食べ応えは○

 トッピングの丸判肩ロースチャーシューは、ハムくらいの薄さですが、豚肉の脂の風味が感じられます。

 チャーシューの下に敷かれたもやしは、塩とごま油で味付けがしてあり、これが意外と良いアクセントになっていました。錦糸玉子は塩気が強め。付属の辛子をかけると、麺とスープの甘みが引き立つとともに、全体がぐっと引き締まった印象に。「辛子をかけて完成される味わい」だと思いました。もう半袋分ほど、追い辛子したいくらいです。

 個人的には、麺が少々残念。「チャーシューの食べごたえが欲しい方に」といったところでしょうか。

◆ローソンは清涼感のある一品

 ラストは、ローソン「冷し中華(醤油) 599円(税込)」。帯状の、照りのある直火焼きチャーシューが目を引きます。キクラゲのトッピングもローソンならでは。その実力やいかに。

 スープにはレモンやオレンジの果汁を合わせていると公式HPにあり、ごま油の風味に加え、それらのフルーティーな香り・酸味がはっきりと感じられます。麺はたまご麺を採用していて、見た目にも黄色みが強いのがわかります。玉子の自然な甘みが酸味の効いたスープで引き立ち、つるんとハリがあって、口当たり・のど越しもスムーズです。

 チャーシューはタレが絡みコクのある味わい。キクラゲは塩気に加え、唐辛子の辛みが好アクセントに。付属のマヨネーズを和えると、セブン‐イレブンとは逆に全体がまろやかな甘みに包まれました。スープの酸味に奥行きがあり、食欲をそそるので最後まで食べ飽きず、マヨネーズは入れなくてもいいかもしれません。

 とにかく爽やかで、フルーティーな酸味が優位。「清涼感のある酸っぱめの味付けが食べたい!」という時にうってつけです。

◆筆者の推しは、「ローソン」!

 酸味が効いたスープは、正直好みが分かれるところだと思います。ただ、暑いときに食べる風物詩的メニューという位置づけが強いので、もっとも清涼感を感じたローソンの冷やし中華を推したいです。麺もぜひ、味わって食べてみてください。

 セブン‐イレブンは、特に日本人に広く好まれそうな甘めの味付けで、「ベーシックなバランス」に仕上がっています。「食べごたえ」で選ぶならファミリーマートもオススメです。

 コンビニ大手3社の冷やし中華には、ちゃんと違いがありました。大きな相違点は、以下の3点が挙げられます。

1.チャーシューはカット方法も味付けも違う
2.麺にもかなり差がある
3.スープの味も、甘み・酸味のバランスが特に異なる

 また、ファミリーマートとローソンには、醤油ベースではなく、ごまダレバージョンの冷やし中華もあります。

 コンビニ各社からはそのほかにも、魅力的なひんやり麺がたくさんリリースされているようです。夏こそ美味しい麺で、ひとときの涼を楽しんでみてはいかがでしょうか。

文/川瀬章太

【川瀬章太】
フリーライター。神戸・大阪の編プロに8年勤務し、グルメ・街ネタ誌や飲食業界誌などを手がける。取材経験は1500件以上。某純文学新人賞の最終選考に3度残ったことがある。現在はWEBサイト「LIQLOG」などで、ビギナーにやさしいお酒の基礎知識や取材記事を執筆中

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