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外国人旅行者から見た“日本の印象”。外国人から人気でも「理解できなかった」日本食レストランは

日刊SPA! 2024年8月13日 8時52分

インバウンド需要に沸いている日本。観光地はもちろん、大きな都市ではどこに行っても外国人の姿が目に入ってきますが、日本に住み、インフレ&物価高の影響を大きく受けている日本人からすると「日本の何がそんなに良いのか?」と疑問に思ってしまいますよね。
そこで、すこし日本にゆかりのある外国人に「日本の印象」を聞くことで、我々が忘れかけていた日本の素晴らしさに改めて気づくことができるかもしれません。

カナダ・バンクーバー在住アーティスト、ジョセフ・カンニングハムさん(29歳)。彼のパートナーは日本人女性で、彼女といっしょに2023年の秋に、初めて1ヶ月間日本に滞在しました。彼は幼い頃から日本の文化に深く興味があったそうです。

アーティストならではの強い感受性と審美眼を持ちながらも、カナダ人男性らしいワイルドな部分を併せ持つジョセフさんに日本の印象についてインタビューしました。筆者(古川紋)にはなかった斬新な視点から見た日本の魅力など、とても興味深い話を聞くことができました。

◆大好きな日本人は「松岡修造」!

「好きな日本人は誰か?」という質問に、「松岡修造」が大好きだと語るジョセフさん。正直、意外な答えだと思ってしまいました!

“熱い男”の日本代表として、松岡修造が魅力的なことは間違いありませんが、海外の人からはじめに聞く日本人の名前は、「イチロー」「北野武」「ゴジラ松井」「大谷翔平」「黒澤明」が多いからです。

彼に理由を聞くと、目を輝かせてこう答えてくれました。

「たまたまインスタグラムを流し見していた時に、彼が『諦めんなよ!』と叫ぶ動画が出てきたんです。彼のことを全く知りませんでしたし、日本語は理解できませんが、動画から凄まじい情熱が強く伝わってきました。後々、彼が元プロテニス選手ということを知って、彼の熱さはそのバックボーンからきているのだと納得しました」

34秒の短い動画で、松岡修造はマイナス10度の極寒の中、腰から下を湖に浸しながら「ダメダメダメ、諦めたら!」「俺だってしじみが採れるって頑張ってんだよ!ずっとやってみろ!必ず目標達成できる!だからこそ、NEVER GIVE UP!!!」とカメラに向けて熱く語っていました。

筆者はこの動画の存在を知らなかったのですが、どうやら10年以上前にインターネット上で流行ったものらしいのです。YouTubeに英語の字幕付きで非公式に転載された動画にいたっては1000万回近く再生されています。

人間の情熱は、国を超えるパワーがあるのだと改めて感じました。

◆尊敬する日本人は「宮本武蔵」

ジョセフさんに尊敬する日本人を聞いてみると、その答えは「宮本武蔵」でした。

「剣豪として知られていますが、実は芸術家でもあり彼の作品は重要文化財としても指定されているほど。さらに作家として本の出版もするなど、僕は幅広い分野で優れた才能や知識、技能を持つ人物を尊敬しているので、宮本武蔵は理想の男性像ですね」

◆外国人から人気でも「理解できなかった」日本食レストラン

日本に滞在した時にジョセフさんが驚いたのは「自分でお好み焼きや焼きそばを鉄板で焼く飲食店」だそうです。日本のローカルフードとしてお好み焼き・鉄板焼きは、外国人から人気が高まっていますが、彼の理由を聞いて、思わず納得してしまいました! 笑顔でこう続けます。

「服に匂いがつくし、そもそもなぜお金を払って自分で料理をしなければならないのか疑問に感じます。美味しいですけどね」

◆日本で「素晴らしいと感じた」トイレ事情

日本で素晴らしいと感じたことを聞くと、「トイレとお風呂が別々にあることが素晴らしい!」とジョセフさんは熱く語ります。カナダでは一つのバスルームの中に全てがまとめて入っていることが多いので、「体を綺麗にする場所と汚い場所を別々にすることは非常に理にかなっている!」と感動したそうです。

さらにウォシュレット機能にも驚愕したとか。

「用を足した後に、洗浄〜乾燥までボタン一つで完結するので自分の手を使わなくて済みます。自分の汚い体の部位に触れる必要がないわけです。これは画期的なアイディア!でも初めて使う時は操作方法が分からず戸惑いました。止め方が分からず、トイレから彼女に電話しましたよ」

いずれはカナダの自宅にウォシュレット機能を導入すると心に決めたそうです。

◆日本への想い「文化を守るためにも…」

最後に、ジョセフさんに1ヶ月の滞在を経て抱いた日本の感想を聞くと、熱い想いを語ってくれました。

「日本の文化を守るためにも女性がもっと子供を産みやすい、育てやすい環境になることを願います。そして帯や着物などの貴重な日本の伝統を守って、次世代に伝えていく重要性を伝えたい。伝統とモダンの融合が日本の美しさを作っていると思います。もし伝統を完全に失ってしまったら、新しいものばかりになって伝統との繋がりはなくなってしまいますから」

<取材・文/古川紋(海外書き人クラブ)>

【古川紋(海外書き人クラブ)】
カナダ・バンクーバー在住。「世界に通用する人間になる」という目標を掲げ、海外生活に踏み切る。フリーランスでライターやインタビュアーとして活動し、数多くの記事を執筆。ブログを日英両方で発信中。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員

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