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二郎系ラーメンを食べ続けて7年。臓器を全摘した今でも「週3ラーメン生活」を続けられるワケ

日刊SPA! 2024年8月15日 15時54分

 濃厚な味付けの濃厚豚スープに、極太の麺と茹で野菜、「ブタ」と呼ばれる厚切りのチャーシューでおなじみのラーメン二郎。港区三田に本店を構える同店は、「二郎系」と呼ばれる多くのフォロワーを生み出した。
 ラーメン二郎を全店制覇し、これまで約700軒にのぼる二郎系ラーメンをトッピング“マシマシ”にして食い続けてきた人気YouTubeチャンネル「アカボシマシマシTV」の企画・編集・出演を務めている、お笑い芸人のアカボシさん(@urawa_seijin)。

 現在、クラウドファンディングを実行中で二郎系(G系)ラーメン解説本「一度は行きたい!究極のG系ラーメンガイドブック」を作ろうと奮闘している。日々、二郎系ラーメンと向き合い、戦い続けているアカボシさんに、YouTubeチャンネルを作ろうとしたきっかけや、ガイドブック制作の経緯などを聞いた。

◆ライブの集客目的ではじめた

――そもそもYouTubeを始めたきっかけはなんだったんですか?

アカボシ:吉本に所属してお笑い芸人をやっていて、最初はライブの集客目的ではじめたんです。2016年にチャンネルを作りました。ちょうどYouTuberが一気に増え始めた時期です。でもコンテンツがないと盛り上がらないから、子どもの時から好きだったラーメンをテーマにしようと思いました。当時はSUSURUさんや、ラーメンやら寿司やらを食べてリポートするIKKO’S FILMSさんなどのラーメンYouTuberの方がいて、その方たちと違う切り口にするため、まだ誰もやっていない二郎系ラーメン専門で行こうと思いました。

――いまでは二郎系はどこも行列店ですが、当時は専門YouTubeがいなかったんですね。

アカボシ:当時はいなかったです。やっぱり毎日同じ物を食べるというのはしんどいのが理由のようですね。いまでこそ、大阪の二郎系ラーメンを食べるオーガ・グルメの鬼さんが出てきましたが。

◆クエストを攻略するイメージ

――編集もレトロゲームのような作りになっていて、凝っていますよね。

アカボシ:誰もやっていないことをやりたいので編集は全て自分でやっています。レトロゲームが好きなので、ゲーム風の編集にしようと思いました。クエストを攻略するイメージでラーメンを食べる動画にしようかと。

――ロゴのデザインも懐かしいゲーム「MOTHER2」を想起させますね。

アカボシ:そうですね。インスパイアさせていただいています。ロゴも自分で作りました。当時は芸人としてまだかけだしでお金もなかったので、自己投資できたのがパソコンくらいだったんです。昔は僕が編集して、それを芸人仲間3~4人で見ながら実況するというスタイルだったのですが、今はみんなが卒業してしまい1人で実況までしていて、少し寂しいです。会話の相手も猫しかいないし、なんだか、チャンネルのお笑い度が減っている気がします。でも今後はまたメンバーが戻ってきたりするかもしれませんので乞うご期待ということで(笑)。

◆誕生日は食べ放題がデフォルト

――大食いはいつからですか?

アカボシ:子どもの頃からです。小学生の時、誕生日になると「ご飯何が良い?」と聞かれるんですが、毎回「食べ放題」と答えて焼肉食べ放題とかバイキングに行っていました。体重は100キロくらいありました。家族も皆よく食べるほうで、母親は昼夜に食べ放題に行くとなっても、かならず1日3食は食べていましたね。昼にバイキングに行って、夜になると「ご飯何食べたい?」と聞かれて「唐揚げ」と言うと、ちゃんと作って食べさせてくれるし、母もバクバク食べるんですよ。姉弟もよく食べるので、この大食いは完全に遺伝ですね(笑)。

――大食い一家となると食費もかなり高くなりそうですね。

アカボシ:でもこのままじゃまずいと中学でダイエットしました。それから50〜60キロをずっとキープしていたんですが、YouTubeを始めたら体重が一気に90キロくらいになっていました。ただ、最近、身長が5センチ伸びたんですよ。おそらく成長期にダイエットしていた反動だと思うんですけど(笑)。でも、小学校の頃よりはやせているので、当時の服はまだ着られます。

◆胆石症の手術をして胆嚢を全摘出

――大人になってからも身長が伸びることあるんですね。ラーメンを食べるペースはどれくらいですか?

アカボシ:週3日くらいですかね。二郎系ラーメンを食べる日以外はかなり健康に気を使ったご飯を食べています。5年くらい前まではラーメン、二郎系、ラーメン、二郎系みたいな毎日ラーメンという食生活をしていたんです。そしたらキリキリと胃痛がして痛みも増して耐えられなくなりました。病院に行ったら、「胆嚢に石があるね」と言われてしまって。胆石症の手術をして胆嚢を全摘出しました。これはラーメンだけのせいではなく、僕の生活習慣に問題があったのだと思いますが……。

――全摘出の弊害はあるんですか?

アカボシ:かなりあります。まず、お通じが早くなりました。食べ物を消化したりする過程で胆汁が出るのですが、本来、胆汁は胆嚢に溜まっていきます。しかし溜めておく胆嚢がないと胆汁が胃から腸へ垂れ流しになるみたいで、脂っこい物を食べると下痢になるようになりました。しかも食べてからすぐ脂が下から出てきます。なので、ラーメンを食べにいく際はお店とトイレの場所を必ず確認しておき、念のため事前に何かを食べて便を出してから行くようになりました。

◆オフの日は1日1食

――かなり大変な生活ですね。ラーメンを食べないオフの日はどんな食生活なんですか?

アカボシ:基本は1日1食にして揚げ物は控えています。麺類がどうしても食べたくなった時はお蕎麦屋さんに行き、肉を食べたい時は鶏ささみを食べています。家でささみを食べる時もなるべく脂を除去できる焼き方にしています。外食でも炭水化物を抜くなどかなり努力はしています。あとはエナジードリンクが好きで飲みまくっていたのですが、それも最近は控えています。この努力のおかげか、ここ数年は体重をキープできています。

――運動をしたりはしないんですか?

アカボシ:昔は毎日2キロランニングしていたのですが、ある日ぎっくり腰になってしまって道端で動けなくなってしまったんです。芸人仲間に連絡して「腰をやってしまったので、助けにきてほしい」と迎えにきてもらい、支えられて帰りました。数年前のライブ中にも、ぎっくり腰をやってしまい、ネタはなんとか飛ばなかったのですが、ネタが終わって舞台袖にはけるときに動けなくなってしまいました。当時の相方に「なにゆっくり戻ってきているんだ!」と怒られたのですが、「実はギックリ腰になってしまって」と謝りました。なので、いまは腹筋くらいしか運動はしていません。

◆今は相方を探している

――お笑いの活動はしていますか?

アカボシ:ネタは作っているのですが、相方がやめてしまってピン芸人になってしまいました。今は相方を探しているのですが、なかなか見つからずライブもご無沙汰ですね。ピン芸人として活動していく方向も考えたのですが、僕の作るネタはけっこうコピーライトに引っかかるみたいで、テレビで使えないことがわかってしまったので、芸人活動はいったん保留にして、最近はYouTubeのみの活動です。

――ラーメンの情報はどこで仕入れているんですか?

アカボシ:「ラーメンデータベース」というサイトで調べています。二郎系だけを検索できる項目があるので、オープンした日付が浅い順に並べ替えて、上から順番に行ったことない店に行く感じです。あとはInstagramやXの二郎系好きのアカウントから情報を仕入れています。

◆クラウドファンディングを決意した一言

――「一度は行きたい!究極のG系ラーメンガイドブック」のクラウドファンディングをはじめたきっかけは?

アカボシ:二郎系ばかり食べ続ける生活を6〜7年間やって、あるときファンの方に「二郎系を紹介するまとめサイトを作ってください」と言われたんです。ただ、個人的にはサイトよりは本にしたいと思いました。出版社に売り込むことも考えたのですが、なかなかうまくいきませんでした。あとはヨシモトブックスから出す案もあったんですが、いろいろと検討して、クラウドファンディングがいいという結論が出ました。

――現在、クラウドファンディングはまだ目標途中です。失礼かもしれませんが、未達成だった場合はどうなるのでしょうか?

アカボシ:自分の本を出すと言う目標はやめたくないですね。もしこのクラウドファンディングが未達成になった場合は、一冊だけ自腹で作って出版社に売り込むか、同人誌として作るか、電子書籍で試してみるかですかね。ただ、写真と文章はほぼ考えてあるので、クラウドファンディングは絶対に成功させたいと思っています。いつでも書籍は出せるような形にはなっています。あと250万円くらい足りないのですが、ぜひご協力いただけるとありがたいです!

<取材・文/山崎尚哉 撮影/山田耕司>

【アカボシ】
1987年埼玉県生まれ。吉本興業所属のお笑い芸人。2016年からYouTubeチャンネル「アカボシマシマシTV」で二郎(系)ラーメンの食べ歩き動画を投稿している。「一度は行きたい!究極のG系ラーメンガイドブック」のクラウドファンディングを8月20日まで実施
X:@urawa_seijin
Instagram:@akaboshi_mashimashi
TikTok:@akaboshi_tiktok
YouTube:「アカボシマシマシTV」
FANYクラウドファンディング:「一度は行きたい!究極のG系ラーメンガイドブック / 制作プロジェクト」

【山崎尚哉】
’92年神奈川県鎌倉市出身。ライター業、イベント企画、映像編集で生計を立てています。レビュー、取材、インタビュー記事などを執筆。Twitter:@yamazaki_naoya

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