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確認したのに「聞いてない!」と大騒ぎ…ディーラー営業マンが直面した、客の“ヤバいクレーム”5選

日刊SPA! 2024年8月15日 15時53分

 近年では「カスタマーハラスメント(カスハラ)」に対する企業の取り組みが注目されています。自動車という高額商材を取り扱うディーラーにおいても無理難題を押し付けてくるユーザーは少なくありません。今回は、国内メーカー系ディーラーに4年間勤務した筆者が実際に対応した「クレーム客」5パターンを紹介します。
◆1:「車検直後に車が壊れた」

 あるあるな話ですが、車を車検などで整備した直後に車が壊れてしまう、ということ。一般ユーザーにとって「ディーラーで車検をしたから安心」という心理が働くかと思いますが、一部は本当で一部は違います。

 そもそも車検とは国が定める保安基準を満たしているかどうかをチェックするだけで、国の基準に関係のない箇所はチェックされません。この時はエアコンが壊れてしまった、という事例ですが、エアコンについては快適装備なのでチェックされません。

 お客様には丁寧に説明してことなきを得ましたが、日本の車検制度とは?と疑問に思った瞬間です。

◆2:「土禁なのに土足で運転された」

 高いお金を払って買った車だから、常に綺麗にしておきたいのが人の性ともいえます。几帳面な人は自宅のように車内も土足禁止にしている人も少なからずいます。

 この時、整備で車を預かったのですが、土足禁止ということを言われずに作業をしたため、靴を脱がずに車の移動などをしました。車を返す際に違和感を抱き、このようなクレームに発展したのですが、先に言ってくれればそうしなかったのに……という出来事でした。

 土足禁止がダメ、ということではありません。他人が車に乗るときにやんわりと言ってくれれば大丈夫なのです。

◆3:「別のディーラーではやってもらっていた」

 過剰なサービスを要求するユーザーからのクレーム(ご要望)でした。無料で洗車して欲しい、整備費用をサービスするのは当然だ、車を買ったんだからオプションくらいは無料で付けろ、などといった強い要望を伝えてくる人も一定数います。

 人が動く、費用が発生するものを無料にしろというのは悪質なクレーム(カスハラ)ですので毅然とした態度で対応しましたが、本音は「やってくれるディーラーに行けよ。煙たがられたからうちの店に来たんだろ?」と内心思っていましたが言えるわけないですよね。

◆4:「頼んでいない整備をされた」

 よく話を聞いていないお客様の車を預かって整備し、車を納車する際の出来事です。車を預かる時と整備中の中間連絡をした際に実際にOKした整備内容なのに、忘れたのか聞いていないのか「聞いていない」と大騒ぎ。

 お金がかかる作業なので慎重に対応しているのですが、お客様の勘違いでクレームに発展することもしばしばあります。

◆5:「保険の満了日をなぜ言わなかった」

 自社代理店で自動車保険に入っているユーザであれば、保険の内容などは把握できているためご案内ができます。このクレームは自社で保険に入っておらず、ネット型の保険に入っていたユーザーからのもの。

 どうやら満期日を忘れて更新ミスしてしまったようで無保険状態となっていました。自社加入ならつゆ知らず、他社加入の保険までは把握していないので丁重にクレーム対応しました。皆さんも自動車保険の加入状況はしっかり確認してくださいね。

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 いかがでしたでしょうか。今回のクレームはソフトなものが多いですが、よくある話かと思います。読者の皆様もこのようなことをしていないか、思い出して見てくださいね。

<TEXT/宇野源一>

【宇野 源一】
埼玉県在住の兼業ライター。大学卒業後、大手日系自動車ディーラーに就職。その後、金融業界の業務・教育支援を行う会社に転職し、法人営業に従事しながら、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP資格を取得。X(旧Twitter):@gengen801

―[カスハラ現場の悲鳴]―

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