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夏フェス会場で倒れた20代女性を「全員が見て見ぬふり」声を掛けられたと思ったら、まさかの…

日刊SPA! 2024年8月16日 8時54分

夏本番を迎え連日のように猛暑日を記録しているなかでも、例年通りに日本各地で「夏フェス」が開催されています。すでに日本を代表する音楽フェスの『フジロックフェスティバル ’24』は終了していますが、今後も9月までさまざまなイベントが盛りだくさん。スケジュールを合わせて、フェスに参戦するつもりの人も多いのではないでしょうか? 今回、話を聞いた佐川真由美さん(仮名・28歳)も、今年とあるフェスに参戦した一人。しかし、フェスの会場でなんとも世知辛い体験をしてしまいました。
◆念願だった夏フェスへの参戦

真由美さんは、音楽が好きで常々フェスに参加したかったそうです。ただ、仕事が忙しく、コロナ禍などもあってチャンスがなく、今年になってやっと初参戦することになったとか。

「フェスには、同じ職場の友人と2人で行きました。テントも持参して2日間の予定を組んで目一杯フェスを楽しむつもりのスケジュールでした。友人は何度かフェスに参戦したこともあり、いろいろと準備に関しても教えてくれてサポートしてくれた。心強い味方がいることで、初めてのフェスでしたが安心して参戦できました」

◆一日目が終了した時点で家に帰りたくなってしまった

フェス当日、朝早くから会場に駆けつけた真由美さんと友人ですが、そこで待ち受けていたのは思った以上に過酷な現場でした。

「都心から、車で数時間離れた場所なので会場が涼しいかと思いきや、午前中から熱くすでに熱中症の警戒情報が出ていたほどです。アーティストのステージを見る際は、お客さんの熱気と太陽光で都心にいるよりも熱い。特に、初めてでルールもわからず緊張していたこともあり、一日目でどっと疲れが出てしまい、正直いえば帰りたい気持ちになってしまいました」

想定外の熱さとの戦いになってしまった真由美さんですが、二日目はさらに体調を悪化させることになったそうです。

「テントに慣れていないこともあって、疲れている割に全然寝付けずに朝を迎えてしまった。とはいえ、チケット代と旅費でかなりお金を使っているし、いまさら友人に帰りたいともいえない状況。なんとか、会場の売店で栄養ドリンクや経口補水液を買って熱中症にならないように気をつけながら行動していました。ただ、昼頃に限界を迎えてしまって」

◆熱中症で倒れるも、寝ていると勘違いされた?

もはや、フェスを楽しむどころではなくなった真由美さん。前日の疲れもあって、突然会場内で倒れてしまったのだとか。

「友人はどうしても見たいステージがあると別行動していたときに、眼の前がチカチカしてそのまま体の力がスーっと抜けるのがわかった。そのまま倒れ込んでしまい、意識朦朧な状態になってしまいました」

熱中症で倒れてしまった真由美さん。普通ならば、すぐに周りの人が助けてくれそうなところだが、フェスという特殊な会場だったこともあり、声をかけてくる人はいなかったのだとか。

「倒れたのが芝生の上だったので、普通に寝ていると勘違いされたんでしょう。周りにも、座り込んで休んでいる人が多くいましたから。会場では爆音で音楽も鳴っているし声掛けして助けを求めることもできなく、手がしびれてうまくスマホも操作できなかった。結局、友人が気づいて探してくれるまで、30分以上は炎天下の中で放置されていました」

◆誰も助けてくれなかったことがトラウマに…

誰が悪いわけではなく自業自得なのだが、それでも真由美さんは世知辛い雰囲気を感じたのだとか。

「実は倒れているときに声をかけてきた男性が一人いました。でも意識が朦朧としているため、何も返事ができずにいたら、すぐに知らんふりして去ってしまった。多分ナンパしたかったようで、具合が悪そうにしている私を見て、面倒なことに巻き込まれたくないと思ったようです。近くを通った人もいたのですが、見て見ぬふりで誰も助けてくれずで。少し寂しい気持ちになりました」

結局、友人に介抱され、会場の医務室に運ばれたことで大事には至らなかったという真由美さん。初参戦となった夏フェスで、トラウマになってしまったという。

「友人が一緒にいなかったら重症になっていた可能性もある。そう考えるとなんだか怖くなってしまい、ちょっと当分は夏フェスには行きたくありません。私と同じように、あまりフェスに慣れていない人は、参戦する際に緊急事態の対処法も絶対に考えておいたほうがいいです。多くの人がいても、周りが助けてくれる事はないと考えていたほうが自分のためになります」

これからまだまだ暑い夏が続き、フェスも各地で開催される。くれぐれも自分の身は自分で守るような体制で、灼熱のフェスには挑んだほうが良さそうだ。

<TEXT/高橋マナブ>

【高橋マナブ】
1979年生まれ。雑誌編集者→IT企業でニュースサイトの立ち上げ→民放テレビ局で番組制作と様々なエンタメ業界を渡り歩く。その後、フリーとなりエンタメ関連の記事執筆、映像編集など行っている

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