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「警察に言わなくてもいいだろ」車をぶつけたのに悪態をつく“70代男性”。顔を真っ赤にして謝罪するまで――仰天ニュース傑作選

日刊SPA! 2024年9月1日 15時45分

過去5万本の記事より大反響だった話をピックアップ!(初公開2023年12月6日 記事は取材時の状況) *  *  *

 ここ数年、ニュースで連日のように報じられる高齢ドライバーによる交通事故。国や自治体は免許返納を呼びかけているが、警察庁『運転免許統計』によると2021年の75歳以上の返納率は4.72%で85歳以上も10.99%にとどまり、いずれも前年を下回っている。

 特に近年は路線バスの廃止や減便が全国各地で相次いでおり、地方在住者にとっては車が運転できなくなると生活に支障をきたす場合があるだろう。とはいえ、加齢による判断能力の低下もあり、高齢者のほうが事故を起こすリスクが高いのも紛れもない事実だ。

 実際、高齢者が運転する車にぶつけられたという話はよく聞く。自動車の安全性が向上したことで事故件数そのものは減少傾向にあるものの、全体に占める高齢者が起こす事故の割合は増加している。

◆出勤しようとしたら愛車のフロントにキズが…

「前を走ってるのが高齢ドライバーを示す四つ葉マークやもみじマークの場合、意識的に車間距離を長めに取るようにはしていました。ただ、運転していない時にぶつけられてしまってはどうしようもないので……」

 うんざりした様子で事故の被害に遭った当時のことを振り返るのは、運送会社に勤める田岡克洋さん(仮名・29歳)。今から約1年前のある朝、いつものように会社に向かおうと自宅マンションの駐車場に向かうと愛車の軽ワゴン車のフロント部分には大きなへこみ。前日、車を降りた際にはこのようなキズはなく、駐車場に停めてあるいずれかの車にぶつけられたと思ったそうだ。

「そこまで大きなマンションではなかったので駐車スペースの台数も限られていました。だから、相手の車にもキズがあると思い、1台ずつチェックしたんです。すると、1台だけ後ろにキズと小さなへこみのあるワンボックスカーがあったんです。しかも、キズの位置は私の車とほぼ同じ高さでした」

◆ドライブレコーダーの映像を確認すると…

 ただし、出勤の時間が迫っていたこともあり、この日は原付バイクで職場へ。車は走行可能な状態だったが警察にまだ通報していなかったため、とりあえず動かさずにそのままにしようと判断したためだ。

「本当はすぐに通報するべきだったのですが、それだと遅刻してしまうので……。上司が理由を問わず遅刻や欠勤にうるさい人でしたし、ドライブレコーダーも確認していなかったので通報は後回しにしたんです」

 帰宅後、ドライブレコーダーの映像を確認すると、相手はやはり例のワンボックスカー。しかも、運転手は70代と思われる年配の男性だった。ちなみに事故を起こした後は、車を降りてぶつけた箇所をのぞき込む仕草をしていた。

「前日、私が帰宅して間もない時間の出来事でした。ですが育児休暇中でずっと家にいた妻に聞くと、この日も『誰からも連絡はなかった』って。そこで男性の車の隣が妻のママ友の車だったため、何号室の住人かを聞き出して家に直接尋ねることにしたんです」

◆事故のことをしらばっくれ、「名誉棄損だ!」と…

 ところが、相手の男性は「昨日は車に乗っていない。キズは以前別の場所でぶつけた際に作ったもの」と真っ向から否定。さらに「突然、こんな時間におしかけてきて失礼にもほどがある」や「名誉棄損だ!」と文句を言ってきたのだ。

「まさかこの状況でしらばっくれるとは思ってなかったので呆れました。けど、だったら容赦する気は一切なかったので男性には一応謝罪しつつも部屋を出た後に速攻で警察に通報してやりました」

 到着した警察官にはドライブレコーダーの証拠映像を見せたうえで加害者の老人は事故について認めなかったことを証言。実は、先程のやりとりはスマホの録音アプリに保存しており、その音声も合わせて聞かせたという。

「今度はお巡りさんを連れて再び男性宅を訪れ、ドライブレコーダーの映像があることを告げると観念した様子で事故のことを白状。謝罪の言葉もありましたが、余程悔しかったのか顔を真っ赤にしていましたけどね」

◆老人は通報したことを根に持っていたので…

 当然、10対0で全面的に相手に非があり、保険会社から修理代は支払われたとのこと。だが、後日マンションの1階ロビーで老人と顔を合わせた際、「あのくらいで警察に言わなくてもいいだろ」とまた文句を言われたとか。

 そこで「駐車場でウチの車にぶつけてきながら罪を認めず、『名誉棄損だ!』と言ってきたのはあなたでしょう。自分で事故を起こしておきながら被害者にそういう態度を取り、挙句の果てには『警察に言うな』ですか? いったいどうすればそんな恥知らずな言葉が吐けるんですか!」とわざと周囲に聞こえる大きな声で言ったそうだ。

「ロビーには立ち話をしている主婦グループがいて、私たちのほうを興味津々と眺めていました。さすがにバツが悪くなったのか、すぐに自分の部屋に引っ込んでいきました。その後、案の定一部の住民たちの間で噂になったみたいです。大人気ないやり方だとは思いましたが、ちょっとだけスカっとしました(笑)」

 高齢者に限った話ではないが事故そのものを認めなかったり、事故は認めても事実を捻じ曲げて証言する者も少なくない。事故被害者が泣き寝入りしないためにもこういう人には車を運転してもらいたくないものだ。

<TEXT/トシタカマサ>

【トシタカマサ】
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。

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