最近、ネットやSNSでもよく目にする”あおり運転”の生々しい様子。何らかの要因で相手の車に激昂してしまい、普段では考えられない”攻撃的”な迷惑行為で、一歩間違えれば人命にも関わる大ごとにもつながります。ところが、時には無意識のうちに“あおり運転”をしてしまっている場合もあるようです。いったいどのような状況なのでしょうか。
◆妻のワンオペ育児に感謝
妻と8歳長女、5歳次女の2人の子どもと暮らす島田さん(仮名・35歳)は、休日に妻を休ませてあげようと、子どもたちを連れて外出することを計画しました。
「次女もこの春から晴れて小学生になりました。私も、次女の入学と同時期に2年間赴任していた地方の営業所から本社へ戻ることができ、久々の家族だんらんを楽しんでいるのですが、赴任中だった時の妻のワンオペ育児は想像以上に大変だったらしく、妻に1日ゆっくりしてもらうことにしました」
島田さんからの思わぬ提案に、奥さんはとても喜んで、久々の美容院を予約したり、その帰りに映画を楽しむことにしたそうです。
◆行き先は近場の動物園
奥さんがオフの日を楽しんでいる一方、島田さんは、以前から子供を連れて行きたかった神奈川県の動物園へ向かいました。普段なら奥さんお手製のお弁当がついてくるのですが、この日は道中のコンビニで買うことにしました。
「あまり遠出はせずに、近場の動物園を選びました。ここなら比較的渋滞などもなく、自宅から1時間くらいなので、もし何かあってもすぐに帰れる安心感があります。子供たちも、普段はあまり利用することのないコンビニで好きなお弁当を買えるとあって、かなり喜んでいましたね」
長女、次女を車に乗せ、コンビニを後にした島田さんは、晴天にも恵まれたドライブ日和の中、子供たちと一緒にしりとりをしながら安全運転で目的地に向かいました。
◆突然襲った長女の車酔い
親子3人で和気あいあいと車中を楽しんでいたそうですが、しばらくして長女の異変に気づいた島田さん。
「さっきまで、大声でしりとりに参加していた長女の口数がだんだん減っていったんです。最初は眠くなったのかと思い、特に気にも留めていなかったのですが、次女が『パパ、お姉ちゃんが気分悪そうだよ』と言ってきたので、あわててバックミラーに目をやると、長女がぐったりしていたんです」
道路は比較的空いていたものの、緩やかなカーブが連続していたせいか、長女は車に酔ったようです。こともあろうに、そういう今日は奥さんも不在で、島田さんは不安な気持ちでいっぱいになったそうです。
◆追突事故に遭ってしまう
「とにかく、どこか車が停められる場所を探して休憩しようと必死でした。つくづく『妻がいてくれたらなあ』と痛感したのをよく覚えています」
そのすぐ後に、妹が再び「パパ! おねえちゃん吐きそうなんだって!」と声を上げ、島田さんもびっくりしてバックミラーに目をやり、再び視線を戻したところ、前方の自動車が目の前まで迫っていたので、とっさに急ブレーキをかけた島田さん。
「前方の車が右折しようといったん停止していて気づいたらもう目の前にいて、慌てて急ブレーキをかけ間一髪衝突せずに済んだのですが、そのすぐ後に『キー!ガチャン!』と鈍い音とともに後方から衝撃を受けました」
◆後味の悪い事故の結末
幸い、衝突音の割には衝撃は少なく、2人の子供も一瞬は驚いた様子を見せたそうですが、気丈にも「パパ大丈夫?」と、逆に心配してくれるほどの余裕があったそうです。しかしーー。
「子供達にけがなどがなくまずはホッとしていたのですが、次の瞬間後続車のドライバーから大声で『いい加減にしろよ! 蛇行したり減速したりさ! おまけに急ブレーキかよ。たいしたあおり運転してくれるじゃないか! 警察呼ぶぞ』と罵声を浴びせられたのです」
一瞬「なんで自分が怒鳴られる?」と思った島田さんですが、よく考えると、後部座席の長女に気を取られ、頻繁に様子をうかがっているうちに、蛇行や減速を繰り返していたことに気づきました。
◆意図せずあおり運転した?
「あおり運転なんてする余裕も、理由もなかったのですが、私たちの緊迫した状況は知るはずもなく、後続車のドライバーからは立派なあおり運転に見えたのでしょうね。とりあえず、警察が到着するのを待ちました」
しばらくしてから、警察が現場に到着し、島田さんが話した一部始終を確認した後、最終的には後続車の前方不注意という事故で処理されたそうです。念のため、動物園は諦め自宅近くの総合病院で診察を受けた子供たちですが、特に問題はなかったそうです。
「私に過失はなかったのですが、なんだか後続車を巻き込んでしまったような気がして、とても後味が悪い1日になってしまいました」
<TEXT/ベルクちゃん>
【ベルクちゃん】
愛犬ベルクちゃんと暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営
―[シリーズ・危険!あおり運転]―
◆妻のワンオペ育児に感謝
妻と8歳長女、5歳次女の2人の子どもと暮らす島田さん(仮名・35歳)は、休日に妻を休ませてあげようと、子どもたちを連れて外出することを計画しました。
「次女もこの春から晴れて小学生になりました。私も、次女の入学と同時期に2年間赴任していた地方の営業所から本社へ戻ることができ、久々の家族だんらんを楽しんでいるのですが、赴任中だった時の妻のワンオペ育児は想像以上に大変だったらしく、妻に1日ゆっくりしてもらうことにしました」
島田さんからの思わぬ提案に、奥さんはとても喜んで、久々の美容院を予約したり、その帰りに映画を楽しむことにしたそうです。
◆行き先は近場の動物園
奥さんがオフの日を楽しんでいる一方、島田さんは、以前から子供を連れて行きたかった神奈川県の動物園へ向かいました。普段なら奥さんお手製のお弁当がついてくるのですが、この日は道中のコンビニで買うことにしました。
「あまり遠出はせずに、近場の動物園を選びました。ここなら比較的渋滞などもなく、自宅から1時間くらいなので、もし何かあってもすぐに帰れる安心感があります。子供たちも、普段はあまり利用することのないコンビニで好きなお弁当を買えるとあって、かなり喜んでいましたね」
長女、次女を車に乗せ、コンビニを後にした島田さんは、晴天にも恵まれたドライブ日和の中、子供たちと一緒にしりとりをしながら安全運転で目的地に向かいました。
◆突然襲った長女の車酔い
親子3人で和気あいあいと車中を楽しんでいたそうですが、しばらくして長女の異変に気づいた島田さん。
「さっきまで、大声でしりとりに参加していた長女の口数がだんだん減っていったんです。最初は眠くなったのかと思い、特に気にも留めていなかったのですが、次女が『パパ、お姉ちゃんが気分悪そうだよ』と言ってきたので、あわててバックミラーに目をやると、長女がぐったりしていたんです」
道路は比較的空いていたものの、緩やかなカーブが連続していたせいか、長女は車に酔ったようです。こともあろうに、そういう今日は奥さんも不在で、島田さんは不安な気持ちでいっぱいになったそうです。
◆追突事故に遭ってしまう
「とにかく、どこか車が停められる場所を探して休憩しようと必死でした。つくづく『妻がいてくれたらなあ』と痛感したのをよく覚えています」
そのすぐ後に、妹が再び「パパ! おねえちゃん吐きそうなんだって!」と声を上げ、島田さんもびっくりしてバックミラーに目をやり、再び視線を戻したところ、前方の自動車が目の前まで迫っていたので、とっさに急ブレーキをかけた島田さん。
「前方の車が右折しようといったん停止していて気づいたらもう目の前にいて、慌てて急ブレーキをかけ間一髪衝突せずに済んだのですが、そのすぐ後に『キー!ガチャン!』と鈍い音とともに後方から衝撃を受けました」
◆後味の悪い事故の結末
幸い、衝突音の割には衝撃は少なく、2人の子供も一瞬は驚いた様子を見せたそうですが、気丈にも「パパ大丈夫?」と、逆に心配してくれるほどの余裕があったそうです。しかしーー。
「子供達にけがなどがなくまずはホッとしていたのですが、次の瞬間後続車のドライバーから大声で『いい加減にしろよ! 蛇行したり減速したりさ! おまけに急ブレーキかよ。たいしたあおり運転してくれるじゃないか! 警察呼ぶぞ』と罵声を浴びせられたのです」
一瞬「なんで自分が怒鳴られる?」と思った島田さんですが、よく考えると、後部座席の長女に気を取られ、頻繁に様子をうかがっているうちに、蛇行や減速を繰り返していたことに気づきました。
◆意図せずあおり運転した?
「あおり運転なんてする余裕も、理由もなかったのですが、私たちの緊迫した状況は知るはずもなく、後続車のドライバーからは立派なあおり運転に見えたのでしょうね。とりあえず、警察が到着するのを待ちました」
しばらくしてから、警察が現場に到着し、島田さんが話した一部始終を確認した後、最終的には後続車の前方不注意という事故で処理されたそうです。念のため、動物園は諦め自宅近くの総合病院で診察を受けた子供たちですが、特に問題はなかったそうです。
「私に過失はなかったのですが、なんだか後続車を巻き込んでしまったような気がして、とても後味が悪い1日になってしまいました」
<TEXT/ベルクちゃん>
【ベルクちゃん】
愛犬ベルクちゃんと暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営
―[シリーズ・危険!あおり運転]―