8月5日に起きた日経平均株価の歴史的暴落で破産寸前に追い込まれた青汁王子。豪邸から移り住んだ家賃6万円のアパートで彼を直撃。再起にかける思いを聞いた!
◆青汁王子 NOT OVER!どん底からの決意表明
「何を隠すこともなくお金がなくなりました。リアルになくなりました」
「金もない、家もない、女もいない。何もない」
実業家の“青汁王子”こと三崎優太氏が8月13日、Xでこのように発信した。若き富豪として一世を風靡していた彼に何が起きたのか。
現状を知るべく、直撃取材に向かった記者が指定された場所は、家賃1700万円の「青汁ヒルズ」ではなく、下町情緒あふれる立地に立つ築40年超の古びたマンション。記者がドアを開けた途端、怒号が聞こえてきた。
「電気、まだ通らないんですか? 今すぐ使いたいんですよ。困りますよ!」
引っ越したばかりでまだ何も置かれていない1DKには、電力会社に必死に電話をかけている三崎氏がいた。さすがに申し込んだ翌日の開通は不可能だったようで、薄暗く、エアコンなしの蒸し暑い部屋で話を聞くことになった記者。もともと9月末に青汁ヒルズから退去することが決まっていたとはいえ、落差が激しい。
「会社のカネを流用したことで、9月末に必要な3億1000万円の支払いができなくなっている状態。その中には、青汁ヒルズの原状回復費用8000万円も含まれてます」
◆1700万円を35年ローン
何とか月々の生活費を抑えようと「都内・格安・ペット可・バイク置き場あり」の条件で物件を探しまくってこの部屋にたどり着き、1700万円の35年ローン月々6万円で購入した。株のみならず生活レベルも明らかに暴落したが、むしろ気楽だという。
「都心からも遠いし、お風呂の窓が錆びついているし。上京したときの部屋よりも狭くて安いけど、なんだかんだ言って、住居を購入したのは初めなのでうれしい。近所には、おじいちゃんおばあちゃんがたくさんいて昭和の下町っぽい点も結構気に入っているかも。全然イケる気がします!」
最寄り駅までは徒歩約20分かかるが、基本的にバイク移動なので問題はない。かつての部屋にあった豪華な家具はなくなり、カネを失った途端、好意を持っていた女性も離れていき、癒しと言えば添い寝してくれる愛犬の存在だけだという。
◆ブランド品や車も処分
青汁王子がこの街を歩いていたら目立つのでは、という問いには「気にしない」というが、セキュリティについて尋ねた途端、表情が曇る。
「ほとんどのブランド品や美術品、車を処分している最中。ここに高価なものなんてひとつもないから気にしません」
そう言いながら、普段は口にしないという9%のアルコール飲料をガブ飲みし始めた。
三崎氏が所有するほとんどは流動性が低く、なかなか売れないという現状にぶち当たっているのだ。
◆「今は月2000万円儲かっているのと同じ」
それでも二の手、三の手を打っている。まずは堀江貴文氏に相談し、紹介してもらった証券会社で株を担保にカネを借りる算段をつけた。そして、FCチャンネル代表取締役・林尚広社長のアドバイスで企業の顧問を始めることにしたとか。
「年間3000万円の顧問料で10社引き受ければ、当面は何とかなりますからね。既に数社から話はいただいてますが、最初に契約してくれたのは、なんと林社長ですよ。本当にありがたいことです」
三崎氏の経営実績や成功体験を欲しがる企業は多いはずだ。
「でも株で失敗していますからね。あまり期待しないでほしいというのが前提。本当に困っているので助けてください、という感じですね」
3億円問題が解決した後は、どう動いていくのか。聞くと、三崎氏はおもむろにベランダへ向かい、やめていたはずのたばこを取り出し火をつけた。
「まず、株には二度と手を出しません。保有株は最悪時より多少回復していますが、なかったものと考えています。二番底が来ると言われているのは怖いですけどね」
◆「悪いことばかりではなかった」
まだ暴落のトラウマは残っているようだが、「悪いことばかりではなかった」という。
「青汁ヒルズに住んでいた頃は、併設していたバーの人件費も含めて、月2000万円ほどの固定費がかかっていました。つまり、今は生きているだけで年間2億4000万円も儲かっていることになる。これってすごくないですか!?」
さすが、転んでもタダでは起きない強メンタルだ。
「残高8万円の通帳のスクショをXにアップしたのは、人生最大のピンチだったから。本当に悪気はなかったんです。その後、世間から『私よりマシ』『庶民をバカにするな』といった声をいただいて、自分より困っている人がたくさんいることに改めて気づかされた。何よりも怖いのは、青汁王子は本当に終わったと言われてしまうこと。『今回も“青汁劇場”だったんだ』と思われるほどの大復活を遂げてみせます。応援してくれた皆さんにも、必ず恩返しさせていただきますよ!」
33㎡の部屋から、力強く再起を誓う三崎氏であった。
※信用取引で十数億の巨額損失を負う
事業運転資金を稼ぐため株式投資を行っていた三崎氏だが8月5日、日経平均株価が4451円安の暴落に遭遇し10億円の含み損が発生。信用取引であったため多額の追証金が発生したがすべての株を売却できず、会社の資金を投入して補塡を図るも10億円超の損失を抱え、株は塩漬け状態に。個人資産もほぼ失い、私財の売却に追われる身となった
【三崎優太氏】
実業家、インフルエンサー、三崎未来ホールディングス株式会社代表取締役。さまざまな事業を経て’17年、「すっきりフルーツ青汁」の販売で年商130億円となり名を馳せる。著書に『過去は変えられる』(扶桑社刊)など
取材・文/和場まさみ 安羅英玉 撮影/黒田 明
―[青汁王子[破産からの復活]宣言!]―
◆青汁王子 NOT OVER!どん底からの決意表明
「何を隠すこともなくお金がなくなりました。リアルになくなりました」
「金もない、家もない、女もいない。何もない」
実業家の“青汁王子”こと三崎優太氏が8月13日、Xでこのように発信した。若き富豪として一世を風靡していた彼に何が起きたのか。
現状を知るべく、直撃取材に向かった記者が指定された場所は、家賃1700万円の「青汁ヒルズ」ではなく、下町情緒あふれる立地に立つ築40年超の古びたマンション。記者がドアを開けた途端、怒号が聞こえてきた。
「電気、まだ通らないんですか? 今すぐ使いたいんですよ。困りますよ!」
引っ越したばかりでまだ何も置かれていない1DKには、電力会社に必死に電話をかけている三崎氏がいた。さすがに申し込んだ翌日の開通は不可能だったようで、薄暗く、エアコンなしの蒸し暑い部屋で話を聞くことになった記者。もともと9月末に青汁ヒルズから退去することが決まっていたとはいえ、落差が激しい。
「会社のカネを流用したことで、9月末に必要な3億1000万円の支払いができなくなっている状態。その中には、青汁ヒルズの原状回復費用8000万円も含まれてます」
◆1700万円を35年ローン
何とか月々の生活費を抑えようと「都内・格安・ペット可・バイク置き場あり」の条件で物件を探しまくってこの部屋にたどり着き、1700万円の35年ローン月々6万円で購入した。株のみならず生活レベルも明らかに暴落したが、むしろ気楽だという。
「都心からも遠いし、お風呂の窓が錆びついているし。上京したときの部屋よりも狭くて安いけど、なんだかんだ言って、住居を購入したのは初めなのでうれしい。近所には、おじいちゃんおばあちゃんがたくさんいて昭和の下町っぽい点も結構気に入っているかも。全然イケる気がします!」
最寄り駅までは徒歩約20分かかるが、基本的にバイク移動なので問題はない。かつての部屋にあった豪華な家具はなくなり、カネを失った途端、好意を持っていた女性も離れていき、癒しと言えば添い寝してくれる愛犬の存在だけだという。
◆ブランド品や車も処分
青汁王子がこの街を歩いていたら目立つのでは、という問いには「気にしない」というが、セキュリティについて尋ねた途端、表情が曇る。
「ほとんどのブランド品や美術品、車を処分している最中。ここに高価なものなんてひとつもないから気にしません」
そう言いながら、普段は口にしないという9%のアルコール飲料をガブ飲みし始めた。
三崎氏が所有するほとんどは流動性が低く、なかなか売れないという現状にぶち当たっているのだ。
◆「今は月2000万円儲かっているのと同じ」
それでも二の手、三の手を打っている。まずは堀江貴文氏に相談し、紹介してもらった証券会社で株を担保にカネを借りる算段をつけた。そして、FCチャンネル代表取締役・林尚広社長のアドバイスで企業の顧問を始めることにしたとか。
「年間3000万円の顧問料で10社引き受ければ、当面は何とかなりますからね。既に数社から話はいただいてますが、最初に契約してくれたのは、なんと林社長ですよ。本当にありがたいことです」
三崎氏の経営実績や成功体験を欲しがる企業は多いはずだ。
「でも株で失敗していますからね。あまり期待しないでほしいというのが前提。本当に困っているので助けてください、という感じですね」
3億円問題が解決した後は、どう動いていくのか。聞くと、三崎氏はおもむろにベランダへ向かい、やめていたはずのたばこを取り出し火をつけた。
「まず、株には二度と手を出しません。保有株は最悪時より多少回復していますが、なかったものと考えています。二番底が来ると言われているのは怖いですけどね」
◆「悪いことばかりではなかった」
まだ暴落のトラウマは残っているようだが、「悪いことばかりではなかった」という。
「青汁ヒルズに住んでいた頃は、併設していたバーの人件費も含めて、月2000万円ほどの固定費がかかっていました。つまり、今は生きているだけで年間2億4000万円も儲かっていることになる。これってすごくないですか!?」
さすが、転んでもタダでは起きない強メンタルだ。
「残高8万円の通帳のスクショをXにアップしたのは、人生最大のピンチだったから。本当に悪気はなかったんです。その後、世間から『私よりマシ』『庶民をバカにするな』といった声をいただいて、自分より困っている人がたくさんいることに改めて気づかされた。何よりも怖いのは、青汁王子は本当に終わったと言われてしまうこと。『今回も“青汁劇場”だったんだ』と思われるほどの大復活を遂げてみせます。応援してくれた皆さんにも、必ず恩返しさせていただきますよ!」
33㎡の部屋から、力強く再起を誓う三崎氏であった。
※信用取引で十数億の巨額損失を負う
事業運転資金を稼ぐため株式投資を行っていた三崎氏だが8月5日、日経平均株価が4451円安の暴落に遭遇し10億円の含み損が発生。信用取引であったため多額の追証金が発生したがすべての株を売却できず、会社の資金を投入して補塡を図るも10億円超の損失を抱え、株は塩漬け状態に。個人資産もほぼ失い、私財の売却に追われる身となった
【三崎優太氏】
実業家、インフルエンサー、三崎未来ホールディングス株式会社代表取締役。さまざまな事業を経て’17年、「すっきりフルーツ青汁」の販売で年商130億円となり名を馳せる。著書に『過去は変えられる』(扶桑社刊)など
取材・文/和場まさみ 安羅英玉 撮影/黒田 明
―[青汁王子[破産からの復活]宣言!]―