―[メンズファッションバイヤーMB]―
メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第495回をよろしくお願いします。
◆無印良品が毎年展開している「和紙素材」の服
無印の「紙」を使った服! これが最高なんです!
「和紙」素材ってご存じでしょうか。実は無印が毎年展開している和紙混素材、そう紙の”和紙”ですね、あれを使って服を作っているのです。
高級ブランドなどでは見かけるこの和紙素材、量販店やファストでは無印以外見かけません。今回は無印のとっておき素材である「和紙」こちらを使ったシリーズを紹介します。ガチでもうファストファッションのクオリティじゃないんですよ……これ。
◆他ブランドではまったく見られない無印の差別化素材
・紳士 和紙混デニムジャケット 1万1900円
・紳士 和紙混デニムパンツ 8990円
毎年お馴染み無印の和紙混シリーズ。ユニクロ、ZARA、GU、ワークマンなど他企業において、まったく見られない無印の差別化素材。
というのも、和紙素材って高級原材料であり、量販店の価格帯だとなかなか採用が難しいのです。無印は他量販ブランドと比べて定価がやや高いため実現が可能なのでしょう。デザイナーズブランドなど高級品でないとなかなか触れない素材です。
そんな高価で希少な原材料であるため、服好きでもなければ馴染みのない人も多いはず。「和紙を使った服なんて……雨で溶けるんじゃないの??」「耐久性が心配」など疑問もあるのではないでしょうか。
しかし、もちろんご安心ください。和紙素材は他原材料と比較しても水に強く、耐久性も高い。考えてみれば、紙って何百年も前のものが残っていたりもするでしょ? 案外、強いんですね。
繊維としての和紙素材は抗菌性が高く、UVカット性があり、さらに超軽量で速乾性が高く、前述の通り、耐久性が高いといいところ尽くし。製造工程で手間がかかるなどどうしても原価が高くなってしまうのでユニクロなどでも見かけません。
◆「おしゃれアメカジ」が誰でも簡単に作れる
そんな無印、こちらは和紙混シリーズのデニムです。ヴィンテージライクな重厚なデニムを作ると得てして重量感があり、ゴワゴワして着用感に劣るものが多いです。
「おしゃれは我慢でしょ」と服好きはいいますが、それでもできれば快適におしゃれをしたいもの……そこでこのデニムです。超軽量という和紙の特性のおかげで重厚なヴィンテージ調デニムでも驚くほど軽く着心地がいい。
また、ポリエステルが程よく混紡してあるので、デニムに光沢感が生まれ、上品な印象に。加えて、こちらスラックスのディティールとシルエットを用いているため、大人な落ち感のあるイメージに仕上がっています。
トップスはシンプルなブルゾンで、上下で合わせることも。上下デニムだといかにも作業員のような印象になりがちですが、光沢のある美しい風合いとバランスの取れたシルエットのおかげで「おしゃれアメカジ」が誰でも簡単に作れます。
和紙の独特の軽量感とシャリ感は他素材ではなかなか再現できないもの。ぜひ無印だけのとっておきの原材料、試してみてください。
◆重要なのに着用感は驚くほど軽い
・紳士 和紙混パンツ 8990円
デニムパンツとまったく同じシルエットディティールでチノパン風素材も用意されています。
こちらも重厚な印象で生地の厚さもしっかりある本格的なヴィンテージチノ……なのに着用すると驚くほど軽い。脳がバグるようなこの感覚、ぜひ試してみてください。
◆重厚感と快適性を兼ね備える
軽量性を求めて生地を作ればどうしても頼りない風合いに見えてしまう。
重厚感と快適性を両方備えられるのは和紙ならではですね。
◆独特のムラある風合いやエアリーな素材感
・紳士 和紙混ポプリンシャツ 7990円
さらにこちらは和紙を使ったシャツ。和紙のシャリ感と軽量感がライトウェイトに仕上げてくれています。
独特のムラある風合いやエアリーな素材感で通常のシャツよりも「ブランドもの」っぽい印象。オックスフォードのシャツよりも軽くエアリーで、ブロードのシャツよりも素材の凹凸感がある。和紙ならではの風合いは、ほかではなかなか代用できません。
◆シャツアウターのような仕上がりに
また、デザインはシャツアウターのように仕上がっています。ステッチを押さえたミニマルデザイン、光沢のある大ぶりボタン、背中の独特なプリーツなどどこかアウター風に作られているのも特徴。前を開いて中にニットなどを入れてシャツアウターとしても使いやすいディティールになっています。
和紙素材の軽量感だけに、もう今くらいの時期から短パンに合わせても活用可能。それでいて秋にももちろん問題なく使えるし、息の長いアイテムとなるでしょう。「何かいいシャツがほしい」と思うならぜひ。
無個性極まりないユニクロのシャツよりもデザイン素材感がはるかに凝っていてブランドものぽい印象が強い。服好きにはスタジオニコルソンやオーラリーなどの今をときめくトップカジュアルブランドと間違われること請け合いです。
◆ニットなのに、ロンT感覚の軽い着心地
・紳士 和紙混天竺ニットプルオーバー 7990円
最後はプルオーバー。和紙を使ったニット素材です。
肌面に和紙繊維を使うことでサラリとした質感を実現。表地は凹凸のあるブークレー調のモフモフデザイン、毛玉が多くついたようなヴィンテージテイストの質感になっています。
見た目の印象は重厚ですが、やはり和紙を使っているからかロンT感覚の軽い着心地で快適そのもの。チクチク感もまったくなくストレスレスです。
◆落ち感あるきれいなシルエット
和紙のさらりとした風合いが効いているのか落ち感あるきれいなシルエットもポイント高い。裾はリブなどをつけていないデザインなのでカットソーのように美しい形、オジサンくささが微塵もありません。
軽量感があり、通気性もそこそこあるので9月くらいの夜からもう使えそう。冬は冬でインナー使いもできるくらいの見た目になっているので長いシーズン着用できます。
以上、無印の和紙シリーズでした。他ブランドでは見られない無印のスペシャルファブリック。ぜひ試してみてください。
【MB】
ファッションバイヤー。最新刊『MBの偏愛ブランド図鑑』のほか、『最速でおしゃれに見せる方法 』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Twitterアカウント:@MBKnowerMag)
―[メンズファッションバイヤーMB]―
メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第495回をよろしくお願いします。
◆無印良品が毎年展開している「和紙素材」の服
無印の「紙」を使った服! これが最高なんです!
「和紙」素材ってご存じでしょうか。実は無印が毎年展開している和紙混素材、そう紙の”和紙”ですね、あれを使って服を作っているのです。
高級ブランドなどでは見かけるこの和紙素材、量販店やファストでは無印以外見かけません。今回は無印のとっておき素材である「和紙」こちらを使ったシリーズを紹介します。ガチでもうファストファッションのクオリティじゃないんですよ……これ。
◆他ブランドではまったく見られない無印の差別化素材
・紳士 和紙混デニムジャケット 1万1900円
・紳士 和紙混デニムパンツ 8990円
毎年お馴染み無印の和紙混シリーズ。ユニクロ、ZARA、GU、ワークマンなど他企業において、まったく見られない無印の差別化素材。
というのも、和紙素材って高級原材料であり、量販店の価格帯だとなかなか採用が難しいのです。無印は他量販ブランドと比べて定価がやや高いため実現が可能なのでしょう。デザイナーズブランドなど高級品でないとなかなか触れない素材です。
そんな高価で希少な原材料であるため、服好きでもなければ馴染みのない人も多いはず。「和紙を使った服なんて……雨で溶けるんじゃないの??」「耐久性が心配」など疑問もあるのではないでしょうか。
しかし、もちろんご安心ください。和紙素材は他原材料と比較しても水に強く、耐久性も高い。考えてみれば、紙って何百年も前のものが残っていたりもするでしょ? 案外、強いんですね。
繊維としての和紙素材は抗菌性が高く、UVカット性があり、さらに超軽量で速乾性が高く、前述の通り、耐久性が高いといいところ尽くし。製造工程で手間がかかるなどどうしても原価が高くなってしまうのでユニクロなどでも見かけません。
◆「おしゃれアメカジ」が誰でも簡単に作れる
そんな無印、こちらは和紙混シリーズのデニムです。ヴィンテージライクな重厚なデニムを作ると得てして重量感があり、ゴワゴワして着用感に劣るものが多いです。
「おしゃれは我慢でしょ」と服好きはいいますが、それでもできれば快適におしゃれをしたいもの……そこでこのデニムです。超軽量という和紙の特性のおかげで重厚なヴィンテージ調デニムでも驚くほど軽く着心地がいい。
また、ポリエステルが程よく混紡してあるので、デニムに光沢感が生まれ、上品な印象に。加えて、こちらスラックスのディティールとシルエットを用いているため、大人な落ち感のあるイメージに仕上がっています。
トップスはシンプルなブルゾンで、上下で合わせることも。上下デニムだといかにも作業員のような印象になりがちですが、光沢のある美しい風合いとバランスの取れたシルエットのおかげで「おしゃれアメカジ」が誰でも簡単に作れます。
和紙の独特の軽量感とシャリ感は他素材ではなかなか再現できないもの。ぜひ無印だけのとっておきの原材料、試してみてください。
◆重要なのに着用感は驚くほど軽い
・紳士 和紙混パンツ 8990円
デニムパンツとまったく同じシルエットディティールでチノパン風素材も用意されています。
こちらも重厚な印象で生地の厚さもしっかりある本格的なヴィンテージチノ……なのに着用すると驚くほど軽い。脳がバグるようなこの感覚、ぜひ試してみてください。
◆重厚感と快適性を兼ね備える
軽量性を求めて生地を作ればどうしても頼りない風合いに見えてしまう。
重厚感と快適性を両方備えられるのは和紙ならではですね。
◆独特のムラある風合いやエアリーな素材感
・紳士 和紙混ポプリンシャツ 7990円
さらにこちらは和紙を使ったシャツ。和紙のシャリ感と軽量感がライトウェイトに仕上げてくれています。
独特のムラある風合いやエアリーな素材感で通常のシャツよりも「ブランドもの」っぽい印象。オックスフォードのシャツよりも軽くエアリーで、ブロードのシャツよりも素材の凹凸感がある。和紙ならではの風合いは、ほかではなかなか代用できません。
◆シャツアウターのような仕上がりに
また、デザインはシャツアウターのように仕上がっています。ステッチを押さえたミニマルデザイン、光沢のある大ぶりボタン、背中の独特なプリーツなどどこかアウター風に作られているのも特徴。前を開いて中にニットなどを入れてシャツアウターとしても使いやすいディティールになっています。
和紙素材の軽量感だけに、もう今くらいの時期から短パンに合わせても活用可能。それでいて秋にももちろん問題なく使えるし、息の長いアイテムとなるでしょう。「何かいいシャツがほしい」と思うならぜひ。
無個性極まりないユニクロのシャツよりもデザイン素材感がはるかに凝っていてブランドものぽい印象が強い。服好きにはスタジオニコルソンやオーラリーなどの今をときめくトップカジュアルブランドと間違われること請け合いです。
◆ニットなのに、ロンT感覚の軽い着心地
・紳士 和紙混天竺ニットプルオーバー 7990円
最後はプルオーバー。和紙を使ったニット素材です。
肌面に和紙繊維を使うことでサラリとした質感を実現。表地は凹凸のあるブークレー調のモフモフデザイン、毛玉が多くついたようなヴィンテージテイストの質感になっています。
見た目の印象は重厚ですが、やはり和紙を使っているからかロンT感覚の軽い着心地で快適そのもの。チクチク感もまったくなくストレスレスです。
◆落ち感あるきれいなシルエット
和紙のさらりとした風合いが効いているのか落ち感あるきれいなシルエットもポイント高い。裾はリブなどをつけていないデザインなのでカットソーのように美しい形、オジサンくささが微塵もありません。
軽量感があり、通気性もそこそこあるので9月くらいの夜からもう使えそう。冬は冬でインナー使いもできるくらいの見た目になっているので長いシーズン着用できます。
以上、無印の和紙シリーズでした。他ブランドでは見られない無印のスペシャルファブリック。ぜひ試してみてください。
【MB】
ファッションバイヤー。最新刊『MBの偏愛ブランド図鑑』のほか、『最速でおしゃれに見せる方法 』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Twitterアカウント:@MBKnowerMag)
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