Infoseek 楽天

元セクシー女優が語る「海外向けライブ配信」の実態。高収入の裏に潜む“世界規模のデジタルタトゥー”の危険性

日刊SPA! 2024年9月7日 15時53分

 元セクシー女優でフリーライターの「たかなし亜妖」がお届けする連載コラム。2016年に「ほかにやることがなかったから」という理由でセクシー女優デビュー。女優生活2年半が経過したところで引退を決意し、現在は同人作品やセクシービデオの脚本など、あらゆる方面で活躍中。
◆セクシー系ライブチャットが流行

 同人ビデオ、ファンクラブ運営、BANギリギリのお色気YouTuber……。セクシー女優以外にもオトナ向けコンテンツで稼ぐ方法は増えたが、その中でも近頃勢いを増すのが「ライブチャット」である。

 ライブチャットは今に始まった文化ではないが、多くの女性たちが目を付けたのは外国人客をターゲットにした海外向けの配信。もちろん内容は成人向けだが、これが高収入を目指す人々の間では大きな話題となっているらしい……。

 少し前は個人ファンクラブの運営が流行ったものの、今はもう飽和状態。どのサイトも人が溢れ返り、知名度の高いインフルエンサーやコスプレイヤー、セクシー女優が参入してからは稼ぐ難易度が上がってしまった。ファンクラブはブランディングが必要不可欠で、絶えることなく更新を続けなければならないため、途中で挫折する人も多いという。

 そんななか、次のブームとしてやってきたのが海外向けセクシー系ライブチャットだった。ライブなら動画制作などの手間もなく、家に居ながら収入を得られるため、内容に抵抗がなければ挑戦のハードルが低い。まだファンクラブや同人ビデオほど参入者が少ないのもあって、一部の界隈では配信ブームが起きている。

 もちろん国内向けのライブチャットも多数存在するが、身バレや収入面、ルールの厳しさなどを危惧して、あえて海外向けを選ぶ女性も多い。スカウトマンも最近は配信案件の紹介に力を入れており、SNSでもチャレンジする人を常に募集しているくらいだ。

◆海外ライブチャットが稼げるワケ

 ライブチャットの給料制度はサイトによって若干異なるものの、海外向けの場合は大抵チップ制度が導入されている。配信者にたくさんお金を落とすユーザー、つまり“太客”を掴んでしまえば時給数万、数十万、それ以上も可能。これぞ海外ドリームと言えよう。

 国内でも推しメンへの“お布施”が好きな客はいるけれど、世界レベルになるとチップの額が桁違いになる。日本人と違って海外の観客は配信文化に慣れているからこそ、お金の落とし方が大胆なユーザーが多いのだ。

 また、国内限定のライブチャットとは違い、世界配信となれば利用者の数も違う。チャンスをいくらでも掴める環境で、さらに日本人女性というブランドをフル活用するにはうってつけの場。魅力的なボディや海外ウケするルックスを持ち、日本語以外の言語が操れたら鬼に金棒でしかない。

 実際に、月収数百万円を手にする配信者も増えている。間違いなく、会員数が増えるかわからないファンクラブサイトを延々と運営するよりも安定しやすいだろう。

 ユーザーに“ウケる”系統は限られるけれども、ピタッとハマれば驚きの金額を手にできるのだ。

◆海外向け配信の危険性

「稼げる」「海外サーバーだから身バレしない」「観客は外国人ばかりだから」……などとスカウトマンは利点ばかりをゴリ押しするけれど、現実はそう甘くない。簡単に稼げる仕事なんてこの世にないのだから、数百万円稼いだらそれ相応のリスクやデメリットが必ず存在する。

 外国人向けライブチャットはユーザーの母数が多く、不特定多数への発信となるため、日本人が見ていないわけがない。日本語訳はなくとも国内在住で登録できるサイトはたくさんあるし、海外在住の日本人だっている。“身バレしないから大丈夫”なんてことはないのだ。

 人気配信者のライブはだいたいスクショされ、配信が切り抜かれ、さまざまなサイトに無断転載される可能性が高い。というより、切り抜き画像や無断の録画が流されるのを前提とした方がいいくらい、あちこちに貼られてしまう。これが世界発信の怖さと言えよう。

◆“世界規模のデジダルタトゥー”になる恐れ

 特にX(旧Twitter)にはオトナ向け画像アカウントが無数に作られ、日夜スケベコンテンツを無断転載している。なぜBANされないか謎だが、そこに転載されたらもう最後。バズっても止めようがない。

 ビデオもファンクラブも立派なデジタルタトゥーだが、世界規模になるとまた話も違ってくる。無修正配信だとお縄のリスクも上がるため、気軽に手を染めるべきコンテンツではないことは確かだ。

◆それでも海外向けライブチャットを選ぶ理由は?

 リスクが高いのになぜライブ配信を選ぶのか。その理由は、主に以下のようなことが挙げられる。

・ルールや縛りが面倒だから、もう夜のお店で働きたくない
・スマホやPCがあれば自宅で簡単に配信ができるから
・お店勤務、ファンクラブ、ビデオ出演など全部に手を付けてしまったから
・稼げる金額が青天井
・肩書きがある(元セクシー女優など)ので稼げる自信がある
・客とはバーチャルでの関わりなので、触られるなどの心配がない

 水商売のルールなど一般企業に比べればかなりユルいものの、それさえ受け入れられなくなるほど精神的に追い詰められた人もいる。そういったルールや人間関係から解放されたい人にとって、自宅で配信できるメリットは大きいだろう。

 また、あちこち行き尽くして「もうこれしか術がない」なんて声もあった。ライブチャットのリアルタイムなやりとりは対面接客とも、映像の中の人とも勝手が違うから、後がない人々の“最後の砦”のような存在にもなり得るのだろう。

◆危険性を考えたうえで冷静な判断を

 そんなこんなで瞬く間に海外配信ブームは広がり、手を染める女性が後を絶たない。実際にめちゃくちゃ稼ぐ人たちも多いので、絶対に「やるな!」とは言えないけれど……。

 この世にラクな商売なんてない、そして高収入ゆえにリスクが高い。この2つだけは、常に頭の片隅に置いてほしいと思う。

 高収入のアンダーグラウンドな仕事は、今後も形を変えてさらに広がり続けるだろう。紹介者は都合の良いことしか言わないからこそ、自分自身が冷静な目を持って判断を下すのが重要なのだ。

文/たかなし亜妖

【たかなし亜妖】
元セクシー女優のフリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ソーシャルゲームのシナリオライターを経て、フリーランスへと独立。WEBコラムから作品レビュー、同人作品やセクシービデオの脚本などあらゆる方面で活躍中。

―[元セクシー女優のよもやま話]―

この記事の関連ニュース