さまざまな事情を抱えた人たちが利用するラブホテル。一般的には、ドキドキ、ワクワクしながら、ときにはソワソワと向かう場所だ。
今回は、そんなラブホ街での衝撃エピソードを紹介する。
◆学生時代は“ラブホ前”にある駐輪場を借りていた
実家がラブホ街にあった佐藤あつしさん(仮名・20代)。幼少期から大学卒業までをラブホ街で過ごしたという。
「私が住んでいたところは、昔は日本でも有数の歓楽街で、芸能人がよく打ち上げに利用するような場所だったと、大人たちから聞かされていました。でも今は、当時の盛り上がりはなく、ラブホにその面影が残されている程度です」
佐藤さんは学生時代、電車通学のため最寄り駅まで自転車を使っていた。地域指定の駐輪場を契約したのだが、その駐輪場が“まさにラブホ前”にあったそうだ。
「高校生のころはラブホとビジネスホテルの区別がイマイチつかなくて、似たようなホテルと認識していたんです」
◆ただならぬ雰囲気の車を見て…
塾の講義を終えて帰宅する日は、夜の10時をまわっていた。そうなると決まって、“後部座席が目隠しシートで完全に隠されている大きめの車”が、ラブホと駐輪場を挟んだ道路脇に止まっていたという。自転車が出しづらくても、「どいてください」と声をかけられる雰囲気ではなかった。
「今考えれば、夜のお姉さんをデリバリーするタイプのお店の送迎車なんだとわかりますが、当時はなんなのかよくわからなくて。ただ、車のようすや強面の運転手を見て、穏やかではないことくらいはわかっていましたけど」
夜遅くなると怖い人が駐車場にいるから、塾に行きたくないと考えることもしばしばあったのだとか。
「ほかにも、大きめのハンドバッグを持った女性が1人でラブホに入っていくのを見かけたり、冬にはロングコートを着た女性がラブホに入っていったりするのを、何度も目撃しました。とにかく、ほかの街では見かけないであろう人の動きを日常的に見ていたのだと思います」
とはいえ、その光景をとくに怪しいと思うことはなかった。
「大きいハンドバッグを持った人は1泊だけするのかな」
「ロングコートの人かわいかったな」
彼女たちをまったく違和感なく見ていたそうだ。
◆「すごいところに住んでるね」と言われて“普通ではない”と気づいた
「学生のころは、ラブホに出入りする人たちを、とてもフラットに見ていました。何も知らなければ、それが子どもにとって有害に働くことはないって感じですね」
では、学生時代の状況が“普通ではない”と理解したキッカケは何だったのだろうか。
「大学生になって、同級生に夜のお店を利用する人たちが現れたことです。自ずと『そういうことか』と、答え合わせができました」
また、ラブホ街に住んでいた経験を話したところ、「すごいところに住んでるね」と言われたことで「異常な生活環境」と気づいたようだ。
◆姪っ子の担任が連れてきたのは旦那ではなく…
大学時代にラブホでアルバイトをしていた沢田勇気さん(仮名・30代)。バイトをしていてショックだった出来事を教えてくれた。
「知り合いがラブホを利用することがあります。友人だったり、近所で見かける人だったり。そのなかでも一番印象に残っているのが、小学校の先生が来たことでした」
当時、姪っ子が通っていた小学校に、時間があるときは沢田さんが迎えに行くことがあったそうだ。姪っ子の担任は、比較的若い女性の先生。たまに軽い世間話をすることがあったという。
「そのため、ラブホに来たときはすぐに気づきました。姪っ子の担任の先生がバイトをしているラブホに来るのは、そこまで珍しいことではないと思います。ラブホが密集しているエリアでもありませんでしたし、新婚だと言っていたので、“旦那さんと来たのかな?”くらいにしか考えていませんでした」
しかし、一緒に来店した相手を見て驚愕したという。
◆妊娠した際は「正直、どっちの子なの?」
「相手は、姪っ子の学年主任だったんです。監視カメラから見てもハッキリとわかりました。学年主任はベテランの先生で、既婚者であることは知っていました。奥様が中学校の教員でスポーツの強豪校の顧問だったので、地元では有名でした」
沢田さんは、この出来事に衝撃を受けたとのこと。まさに“見てはいけない2人”だった。
「先生たちは、ホテル内の廊下で体を触り合っていました。お客様のなかには、部屋に入らずにエレベーターや廊下でスリルを楽しむように、イチャイチャする人たちもいます。小学校の先生たちがそんなことをするなんて……さらにショックを受けました」
とはいえ、ラブホで見たことを外で話すのはタブー。沢田さんは、誰にも話せずにモヤモヤしていたのだとか。そしてその後、先生は妊娠したことをきっかけに退職したそうだ。
「姉から“あの先生”が妊娠したと聞いたときは、『正直、どっちの子なの?』と心が落ち着かなかったです」
ほかにも、沢田さん自身がお世話になった高校の先生を見かけたこともあったそうで……。
「知り合いが意外な場所でバイトしていることもあるので、油断しないほうがいいですね(笑)」
<取材・文/資産もとお>
―[ラブホの珍エピソード]―
今回は、そんなラブホ街での衝撃エピソードを紹介する。
◆学生時代は“ラブホ前”にある駐輪場を借りていた
実家がラブホ街にあった佐藤あつしさん(仮名・20代)。幼少期から大学卒業までをラブホ街で過ごしたという。
「私が住んでいたところは、昔は日本でも有数の歓楽街で、芸能人がよく打ち上げに利用するような場所だったと、大人たちから聞かされていました。でも今は、当時の盛り上がりはなく、ラブホにその面影が残されている程度です」
佐藤さんは学生時代、電車通学のため最寄り駅まで自転車を使っていた。地域指定の駐輪場を契約したのだが、その駐輪場が“まさにラブホ前”にあったそうだ。
「高校生のころはラブホとビジネスホテルの区別がイマイチつかなくて、似たようなホテルと認識していたんです」
◆ただならぬ雰囲気の車を見て…
塾の講義を終えて帰宅する日は、夜の10時をまわっていた。そうなると決まって、“後部座席が目隠しシートで完全に隠されている大きめの車”が、ラブホと駐輪場を挟んだ道路脇に止まっていたという。自転車が出しづらくても、「どいてください」と声をかけられる雰囲気ではなかった。
「今考えれば、夜のお姉さんをデリバリーするタイプのお店の送迎車なんだとわかりますが、当時はなんなのかよくわからなくて。ただ、車のようすや強面の運転手を見て、穏やかではないことくらいはわかっていましたけど」
夜遅くなると怖い人が駐車場にいるから、塾に行きたくないと考えることもしばしばあったのだとか。
「ほかにも、大きめのハンドバッグを持った女性が1人でラブホに入っていくのを見かけたり、冬にはロングコートを着た女性がラブホに入っていったりするのを、何度も目撃しました。とにかく、ほかの街では見かけないであろう人の動きを日常的に見ていたのだと思います」
とはいえ、その光景をとくに怪しいと思うことはなかった。
「大きいハンドバッグを持った人は1泊だけするのかな」
「ロングコートの人かわいかったな」
彼女たちをまったく違和感なく見ていたそうだ。
◆「すごいところに住んでるね」と言われて“普通ではない”と気づいた
「学生のころは、ラブホに出入りする人たちを、とてもフラットに見ていました。何も知らなければ、それが子どもにとって有害に働くことはないって感じですね」
では、学生時代の状況が“普通ではない”と理解したキッカケは何だったのだろうか。
「大学生になって、同級生に夜のお店を利用する人たちが現れたことです。自ずと『そういうことか』と、答え合わせができました」
また、ラブホ街に住んでいた経験を話したところ、「すごいところに住んでるね」と言われたことで「異常な生活環境」と気づいたようだ。
◆姪っ子の担任が連れてきたのは旦那ではなく…
大学時代にラブホでアルバイトをしていた沢田勇気さん(仮名・30代)。バイトをしていてショックだった出来事を教えてくれた。
「知り合いがラブホを利用することがあります。友人だったり、近所で見かける人だったり。そのなかでも一番印象に残っているのが、小学校の先生が来たことでした」
当時、姪っ子が通っていた小学校に、時間があるときは沢田さんが迎えに行くことがあったそうだ。姪っ子の担任は、比較的若い女性の先生。たまに軽い世間話をすることがあったという。
「そのため、ラブホに来たときはすぐに気づきました。姪っ子の担任の先生がバイトをしているラブホに来るのは、そこまで珍しいことではないと思います。ラブホが密集しているエリアでもありませんでしたし、新婚だと言っていたので、“旦那さんと来たのかな?”くらいにしか考えていませんでした」
しかし、一緒に来店した相手を見て驚愕したという。
◆妊娠した際は「正直、どっちの子なの?」
「相手は、姪っ子の学年主任だったんです。監視カメラから見てもハッキリとわかりました。学年主任はベテランの先生で、既婚者であることは知っていました。奥様が中学校の教員でスポーツの強豪校の顧問だったので、地元では有名でした」
沢田さんは、この出来事に衝撃を受けたとのこと。まさに“見てはいけない2人”だった。
「先生たちは、ホテル内の廊下で体を触り合っていました。お客様のなかには、部屋に入らずにエレベーターや廊下でスリルを楽しむように、イチャイチャする人たちもいます。小学校の先生たちがそんなことをするなんて……さらにショックを受けました」
とはいえ、ラブホで見たことを外で話すのはタブー。沢田さんは、誰にも話せずにモヤモヤしていたのだとか。そしてその後、先生は妊娠したことをきっかけに退職したそうだ。
「姉から“あの先生”が妊娠したと聞いたときは、『正直、どっちの子なの?』と心が落ち着かなかったです」
ほかにも、沢田さん自身がお世話になった高校の先生を見かけたこともあったそうで……。
「知り合いが意外な場所でバイトしていることもあるので、油断しないほうがいいですね(笑)」
<取材・文/資産もとお>
―[ラブホの珍エピソード]―