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両家顔合わせの日、親を迎えに行く道中で“まさかのハプニング”「レンタカーの車内は地獄で…」

日刊SPA! 2024年9月11日 8時51分

人生を歩むうえで重要なイベントはさまざまだが、「結婚」は本人たちだけの問題ではない。
両家顔合わせの席は、お互いの家族と「はじめまして」であることがほとんど。両親族が大集合する、まさに思い出に残るイベントといえるだろう。

そして、そんな特別な日には緊張も相まって、思わぬトラブルを引き寄せてしまいがちだったりもする。今回は、両家顔合わせの当日に大変な目に遭ったという人のエピソードを紹介する。

◆遠方の両親を迎えに行く道中で起きた事件

新郎にあたるAさん(20代・仮名)は両家顔合わせの当日、遠方から飛行機で訪れる両親を空港まで迎えにいくため、レンタカーを手配していた。自分の車もあったそうだが、一泊して帰る両親たちの荷物が大量にあることを考えると、車内のスペースに余裕のある車が必要だったらしい。

Aさんたちの住んでいる場所から空港まで片道約2時間。両親たちをひろい、顔合わせ会場までさらに約2時間。トータル約4時間の長距離ドライブだ。

「当日はスケジュールも結構タイトだったので、とにかく時間に余裕をもって行動するために11時前には出発しました」

11時に出発していれば軽く昼食をとっても、恐らく17時頃には会場に着いているはずだ。だが、ため息をつきながら当時の様子を話してくれたAさんを見るかぎり、そう上手くは事が運ばなかったらしい。

◆雲行きが怪しくなってきたのは、走行開始10分が過ぎた頃

レンタカーを受け取りいざ!と、車を走らせて10分ほど。

ちょうど高速道路を走り始めた頃だった。涼しい風が吹いていた車内の空調から、少しずつ生ぬるい風を感じ始めたというのだ。

「このときから、ちょっと嫌な予感はしてましたね……」

Aさんの嫌な予感は見事に的中し、瞬く間に熱風が吹きすさぶようになったのだ。

「とにかく焦りました。空調をつけなくても暑いのに、さらには熱風が吹いてきたので……地獄でしたね」

真夏の車内に熱風が吹くのは、想像しただけで耐えがたい。その後、Aさんがどれだけ空調を操作しても冷風が吹くことはなく、しまいには煙が出る始末だったという。

空港を目前にした頃には全身汗でびっしょり。汗を拭おうと何気なく額をさわるとザラザラしたものを感じ、それが塩だと分かるまで時間はかからなかったという。

空港までの道のりだけでもかなり壮絶だが、本当に困るのはこれからだった。

◆両親と合流し、仕切り直し!と思いきや

やっとの思いで空港に着いたAさんに、新たな問題が降りかかる。

無事両親たちと合流したのはいいものの、車内はまだ熱風が吹くのだろうか? と不安を覚える。考えていても時間は過ぎるだけだし、とにかく出発しようと車に乗り込みエンジンをかけた。だが、様子がおかしい。

なんと今度は、エンジンがかからなくなってしまったのだ。

「なんで、どうして」とそこまで考えて、また嫌な予感がした。さっき走行中に煙が出てたけど、もしかしてオーバーヒート?

「可能性は大いにあるなと思いました。とにかくここで途方に暮れていても仕方ないので、JAFを呼んで自分たちはタクシーでレンタカー屋まで戻ることにしたんです」

必死で空港まで運転したのに、努力が水の泡とはこのこと。

レンタカー屋に連絡をしたところ新しい車を手配してもらうことになったので、泣く泣くスタート地点まで戻る羽目に。

この時点で、時刻は15時を過ぎようとしていた。

◆振り出しに戻った頃には、約2時間の遅刻確定

17時過ぎ、Aさん一行がレンタカー屋に到着した。

約6時間前に出発したはずの地に仲間を増やして帰ってきてしまったAさんは、度重なるトラブルにすっかり疲れ果てていたそう。2時間あまりの遅刻はもう確定していたし、きっと後にも先にもどこでもドアがあったなら……と今日ほど考えた日はないだろう。

本来ならば、あと数十分後には顔合わせの会が開始される予定だったのだが、事情を説明したところ開始時刻をギリギリまで遅くしてもらえることになった。

「彼女と逐一連絡を取り合い、会場側も理解してくれたおかげで、僕たちが到着する時間とお店の閉店時間を考慮しながら調整してもらえました。本当に感謝しかありません」

そして、Aさん一行はお店側が待てるギリギリの時間になんとか到着し、無事に顔合わせの会も終了したという。

Aさんにとってはとてつもなく大変な出来事だっただろう。だが、両家とお店の連携の様子を聞くかぎり、不謹慎ながらこのハプニングが両家の絆を深めるきっかけになったようにも感じる。

なんにせよ、いろんな意味で「思い出に残るお祝いの席」になったことは間違いない。

<文・取材/沼里にほ>

【沼里にほ】
1994年生まれ。ムーミンとパンクロックをこよなく愛する。高校卒業後に某アパレル企業に就職し、20代をアパレルに捧げる。退職後はフリーライターとして活動中。noteやX(@chi2608)でエッセイや料理レシピを投稿。ベジタブル&フルーツアドバイザー。

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