―[メンズファッションバイヤーMB]―
メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第496回をよろしくお願いします。
◆ユニクロ柳井氏もお気に入りの新コラボライン
今回、紹介するのはユニクロC!
先週、発売されたばかりのユニクロの新しいコラボラインですが、なんと発売直後に完売品が続出するという異常事態!
さらに今回、コラボディレクターであるクレア・ワイト・ケラーはなんと次期ユニクロ本体のディレクターまで務めるというから、柳井さんのお気に入り具合が伺えます。
そんな大注目のユニクロC、今回から始まったメンズラインのマストバイをたっぷり紹介させていただきます!
◆ユニクロらしからぬフーデッドコート
・フーデッドコート 1万2900円
まずはこちら。モッズコートデザインをユニクロらしからぬオーバーサイズに仕上げたフーデッドコート。
量販店のこの手のコートはポリエステルの安っぽい風合いも少なくありませんが、こちらはナイロン製。重厚で光沢も自然なシワ感のあるナイロンを採用しており、本格的なモッズコートの印象になっています。
フードは収納可能でスタンドカラーにもなる仕様、裏地はキルティングによる中綿入りで防寒性も高め。インナーにニットなどを入れれば、越冬用のアウターとして使えますが、生地自体は軽いので秋や春でも活用できる3シーズンコートに。
◆メリハリあるシルエットと本格的な素材使い
オーバーサイズのモッズというとなんだかダボダボしただらしないイメージを想像する方もいるかもしれませんが……このコートは胸周りに関してはさほど大きめにしておらず、裾にかけて広がっていくアルファベットの「A」のようなシルエット。
胸周りのフィット感のおかげでだらしない印象はなく大ぶりですが、案外、大人っぽくスッキリ見せてくれます。
中綿入りのモッズコートということで、どちらかというとナイロンの素材感も含め「モンスターパーカ」のような印象に仕上がっています。服好きもこのメリハリあるシルエットと本格的な素材使いは認めざるを得ないでしょう。
1万2900円とユニクロの中では高めですが、インラインのアウターの100倍くらいイケてます。サイズは176cm66kgの私でLがよさそう。
◆ユニクロCの中で随一の人気アイテム
・スウェットオーバーサイズプルパーカ 3990円
・スウェットワイドパンツ 3990円
今回のユニクロCの中で一番人気だったアイテム。ユニクロ側も気合いを入れて在庫を積んでいるよう。かなりの売れ行きだったにもかかわらずまだ欠品がほとんど起こっていません。
スウェットの上下はルームウェアとしても外着としても使える便利で快適なアイテムですが、どのブランドもいざ着てみるとどこか「パジャマ感」が強すぎて、なかなか普段使いしにくいもの。ところが今回のユニクロCは光沢とハリのあるポンチ素材。
洗っても着古してもシワがつくことがほとんどないのでウールのようなツルッと光沢のある表情で高級感があります。そのためオーバーサイズのゆったりしたシルエットでも全然パジャマ感がありません。クリーンなおしゃれスウェットで街着としてきちんと成立します。
◆大人がサラッと着ることができる一着
スウェットパンツは裾にドローコードがついているため、ダボダボ感が気になる人はシルエットを調整できる、など基本的なディティールはすべて揃ってます。色展開も今年、トレンドのダークブラウンカラーをはじめ、ヴィンテージテイストはまったくありません。
兄弟ブランドであるGUの大ヒット作であるヘビースウェットシリーズは古着テイストを意識したヴィンテージ風であるのに対し、こちらはクリーンでモダンな印象に。大人がサラッと着ることができるのはこちらかも。万人におすすめです。
サイズは176cm66kgの私でLがよさそう。これ無駄に大きいサイズを選ぶと、ちょっとダボダボしすぎてだらしなさが強く出てしまう。ほどよいサイズ感にとどめておくのが吉ですよ。
◆本格的な素材を使ったパラシュートパンツ
・ワイドパラシュートパンツ 3990円
・ワイドパラシュートパンツ/デニム 3990円
ナイロンコットンの本格的な素材を使ったパラシュートパンツ。かなりのワイドシルエットに「どうも太いパンツ苦手なんだよなあ」と嘆く人も少なくないでしょう……が! これは大丈夫。
パラシュートパンツのディティールである膝にタックを入れたニータックや、裾に入れたドローコードなどでワイドながらダボダボ感がないのです。ニータックがあることで膝を起点に曲線を描く形になっており、足にフィットしてくれる。
そのため、ワイドだけど過剰に太く感じません。さらに裾をドローコードで絞ってあげれば、裾周りもスッキリ。この2点でワイドだけどワイドじゃない、ワイド苦手な人にも対応できる万能感が出ています。
◆ユニクロらしく無駄を排した本格派
ディティールはユニクロらしく無駄を排した本格派。ステッチワークなどミリタリー好きが見ても気になるところはほとんどないでしょう。3990円でよくこれ作れるな……。
素材は通常のクリーンなものと、加工デニムの2種類。GUのデニムカーゴなどはデザインが若く抵抗がある、と言う人も多いはず。
こちらはあくまで大人な印象でワイドパンツを楽しめます。サイズは176cm66kgの私でLでした。
◆落ち着いた雰囲気が漂うオーバーサイズシャツ
・ブロードオーバーサイズシャツ 3990円
・ブロードオーバーサイズシャツ 3990円
ベーシックなアイテムですが迷ったらコレを是非。プルッと艶の強いコットンブロードを使ったオーバーサイズシャツ。オーバーサイズのシャツでもここまで光沢が強く落ち感があれば大人っぽく感じます。
ドレスシャツのようなウエストのくびれがなく、シンプルにボックスシルエットで仕上げたもの。ステッチが目立たずシンプルなデザインディティールになっておりミニマルなモードな印象に仕上げています。
◆高級ドレスシャツと比較しても見劣りしない
とにかく驚くのが生地のよさ。光沢の強い滑らかな風合いで高級ドレスシャツと比較しても見劣りしないほどの出来。色展開もストライプが含まれていて種類豊富。秋に向けていいシャツがほしいという人はぜひ。
着丈がやや短めなのでタイトフィットのボトムスでもワイドパンツでもどちらでも対応できるのも嬉しい限り。サイズは176cm66kgの私でLでした。
◆シンプルながら実は複雑なつくりのスニーカー
・スウェードコンビネーションスニーカー 4990円
最後はスニーカーです。ジャーマントレーナーなどメンズのベーシックスニーカーをベースにしたデザイン。ソールの配色が複雑だったり部分的に素材を切り替えたりとかなり細かくデザイン設計しています。シンプルながら作りが複雑で手間がかかっている印象。安っぽさはゼロです。
ユニクロお得意のカップインソールを装備しており、着用感はクッショニングも上々。素材も比較的柔らかく靴擦れも起こりにくそう。
レザーは合皮ですが、シボの型押しで仕上げており正直、本革と言われてもさほどわからないレベル。履き心地もフォルムも本革の高級品と比較しても遜色なく、合皮であることは特に気にならないでしょう。むしろケアが楽でいいかもしれません。
◆GUの本革スニーカーと比較すると…
ただ、GUが本革スニーカーを同価格か、これよりやや安く出しているところで比較される方も多いはず。
今のご時世、必ずしも「本革>合皮」というわけではないし、本革の代用品でない合皮も多い中、素材だけでジャッジするのはもったいない気もしますが……たしかにユニクロなら本革を使ってほしかったという意見も理解できなくはないですよね。GUが頑張りすぎなのかもしれません……。
以上ユニクロC、おすすめアイテムでした!
【MB】
ファッションバイヤー。最新刊『MBの偏愛ブランド図鑑』のほか、『最速でおしゃれに見せる方法 』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Twitterアカウント:@MBKnowerMag)
―[メンズファッションバイヤーMB]―
メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第496回をよろしくお願いします。
◆ユニクロ柳井氏もお気に入りの新コラボライン
今回、紹介するのはユニクロC!
先週、発売されたばかりのユニクロの新しいコラボラインですが、なんと発売直後に完売品が続出するという異常事態!
さらに今回、コラボディレクターであるクレア・ワイト・ケラーはなんと次期ユニクロ本体のディレクターまで務めるというから、柳井さんのお気に入り具合が伺えます。
そんな大注目のユニクロC、今回から始まったメンズラインのマストバイをたっぷり紹介させていただきます!
◆ユニクロらしからぬフーデッドコート
・フーデッドコート 1万2900円
まずはこちら。モッズコートデザインをユニクロらしからぬオーバーサイズに仕上げたフーデッドコート。
量販店のこの手のコートはポリエステルの安っぽい風合いも少なくありませんが、こちらはナイロン製。重厚で光沢も自然なシワ感のあるナイロンを採用しており、本格的なモッズコートの印象になっています。
フードは収納可能でスタンドカラーにもなる仕様、裏地はキルティングによる中綿入りで防寒性も高め。インナーにニットなどを入れれば、越冬用のアウターとして使えますが、生地自体は軽いので秋や春でも活用できる3シーズンコートに。
◆メリハリあるシルエットと本格的な素材使い
オーバーサイズのモッズというとなんだかダボダボしただらしないイメージを想像する方もいるかもしれませんが……このコートは胸周りに関してはさほど大きめにしておらず、裾にかけて広がっていくアルファベットの「A」のようなシルエット。
胸周りのフィット感のおかげでだらしない印象はなく大ぶりですが、案外、大人っぽくスッキリ見せてくれます。
中綿入りのモッズコートということで、どちらかというとナイロンの素材感も含め「モンスターパーカ」のような印象に仕上がっています。服好きもこのメリハリあるシルエットと本格的な素材使いは認めざるを得ないでしょう。
1万2900円とユニクロの中では高めですが、インラインのアウターの100倍くらいイケてます。サイズは176cm66kgの私でLがよさそう。
◆ユニクロCの中で随一の人気アイテム
・スウェットオーバーサイズプルパーカ 3990円
・スウェットワイドパンツ 3990円
今回のユニクロCの中で一番人気だったアイテム。ユニクロ側も気合いを入れて在庫を積んでいるよう。かなりの売れ行きだったにもかかわらずまだ欠品がほとんど起こっていません。
スウェットの上下はルームウェアとしても外着としても使える便利で快適なアイテムですが、どのブランドもいざ着てみるとどこか「パジャマ感」が強すぎて、なかなか普段使いしにくいもの。ところが今回のユニクロCは光沢とハリのあるポンチ素材。
洗っても着古してもシワがつくことがほとんどないのでウールのようなツルッと光沢のある表情で高級感があります。そのためオーバーサイズのゆったりしたシルエットでも全然パジャマ感がありません。クリーンなおしゃれスウェットで街着としてきちんと成立します。
◆大人がサラッと着ることができる一着
スウェットパンツは裾にドローコードがついているため、ダボダボ感が気になる人はシルエットを調整できる、など基本的なディティールはすべて揃ってます。色展開も今年、トレンドのダークブラウンカラーをはじめ、ヴィンテージテイストはまったくありません。
兄弟ブランドであるGUの大ヒット作であるヘビースウェットシリーズは古着テイストを意識したヴィンテージ風であるのに対し、こちらはクリーンでモダンな印象に。大人がサラッと着ることができるのはこちらかも。万人におすすめです。
サイズは176cm66kgの私でLがよさそう。これ無駄に大きいサイズを選ぶと、ちょっとダボダボしすぎてだらしなさが強く出てしまう。ほどよいサイズ感にとどめておくのが吉ですよ。
◆本格的な素材を使ったパラシュートパンツ
・ワイドパラシュートパンツ 3990円
・ワイドパラシュートパンツ/デニム 3990円
ナイロンコットンの本格的な素材を使ったパラシュートパンツ。かなりのワイドシルエットに「どうも太いパンツ苦手なんだよなあ」と嘆く人も少なくないでしょう……が! これは大丈夫。
パラシュートパンツのディティールである膝にタックを入れたニータックや、裾に入れたドローコードなどでワイドながらダボダボ感がないのです。ニータックがあることで膝を起点に曲線を描く形になっており、足にフィットしてくれる。
そのため、ワイドだけど過剰に太く感じません。さらに裾をドローコードで絞ってあげれば、裾周りもスッキリ。この2点でワイドだけどワイドじゃない、ワイド苦手な人にも対応できる万能感が出ています。
◆ユニクロらしく無駄を排した本格派
ディティールはユニクロらしく無駄を排した本格派。ステッチワークなどミリタリー好きが見ても気になるところはほとんどないでしょう。3990円でよくこれ作れるな……。
素材は通常のクリーンなものと、加工デニムの2種類。GUのデニムカーゴなどはデザインが若く抵抗がある、と言う人も多いはず。
こちらはあくまで大人な印象でワイドパンツを楽しめます。サイズは176cm66kgの私でLでした。
◆落ち着いた雰囲気が漂うオーバーサイズシャツ
・ブロードオーバーサイズシャツ 3990円
・ブロードオーバーサイズシャツ 3990円
ベーシックなアイテムですが迷ったらコレを是非。プルッと艶の強いコットンブロードを使ったオーバーサイズシャツ。オーバーサイズのシャツでもここまで光沢が強く落ち感があれば大人っぽく感じます。
ドレスシャツのようなウエストのくびれがなく、シンプルにボックスシルエットで仕上げたもの。ステッチが目立たずシンプルなデザインディティールになっておりミニマルなモードな印象に仕上げています。
◆高級ドレスシャツと比較しても見劣りしない
とにかく驚くのが生地のよさ。光沢の強い滑らかな風合いで高級ドレスシャツと比較しても見劣りしないほどの出来。色展開もストライプが含まれていて種類豊富。秋に向けていいシャツがほしいという人はぜひ。
着丈がやや短めなのでタイトフィットのボトムスでもワイドパンツでもどちらでも対応できるのも嬉しい限り。サイズは176cm66kgの私でLでした。
◆シンプルながら実は複雑なつくりのスニーカー
・スウェードコンビネーションスニーカー 4990円
最後はスニーカーです。ジャーマントレーナーなどメンズのベーシックスニーカーをベースにしたデザイン。ソールの配色が複雑だったり部分的に素材を切り替えたりとかなり細かくデザイン設計しています。シンプルながら作りが複雑で手間がかかっている印象。安っぽさはゼロです。
ユニクロお得意のカップインソールを装備しており、着用感はクッショニングも上々。素材も比較的柔らかく靴擦れも起こりにくそう。
レザーは合皮ですが、シボの型押しで仕上げており正直、本革と言われてもさほどわからないレベル。履き心地もフォルムも本革の高級品と比較しても遜色なく、合皮であることは特に気にならないでしょう。むしろケアが楽でいいかもしれません。
◆GUの本革スニーカーと比較すると…
ただ、GUが本革スニーカーを同価格か、これよりやや安く出しているところで比較される方も多いはず。
今のご時世、必ずしも「本革>合皮」というわけではないし、本革の代用品でない合皮も多い中、素材だけでジャッジするのはもったいない気もしますが……たしかにユニクロなら本革を使ってほしかったという意見も理解できなくはないですよね。GUが頑張りすぎなのかもしれません……。
以上ユニクロC、おすすめアイテムでした!
【MB】
ファッションバイヤー。最新刊『MBの偏愛ブランド図鑑』のほか、『最速でおしゃれに見せる方法 』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Twitterアカウント:@MBKnowerMag)
―[メンズファッションバイヤーMB]―