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「着替えのTシャツ」を持参するファンも。「夏場のライブハウス」のにおい事情を現役アイドルに聞く

日刊SPA! 2024年9月14日 15時53分

9月に入り35度を超える暑さも少し収まってきたが、台風やゲリラ豪雨などでまだまだ蒸し暑い日々が続いている今日のこの頃。外を歩くだけでも汗をかいてしまうような状況だ。汗をかけば当然、においも気になるところ。人は自分自身のにおいには鈍感なもので、近年ではにおいにおけるハラスメント「スメルハラスメント(スメハラ)」も社会問題として取り上げられてきている。
最近では男性の体臭に関して、苦言を呈したフリーアナウンサーの投稿が炎上し、所属事務所を解雇となるなど話題となった。

とにかく汗をかくこの季節。アイドルイベントが行われていた夏場のライブハウスはいったいどういった状況なのか。アイドル達はどう対策しているのか。今回はXのポストで様々な話題となっているライブアイドルグループpipiaのメンバー・aira、ann、負け犬るゐ(るゐ)。そしてpipia研修生・しのに話を聞いた。

◆着替えのTシャツを持参するファンも

「例えば特典会の会場を通った時にスペシャルなにおいがする時はあります。私たちのファンではないんですけどね! コロナ中はマスクをしていて全く気が付かなかったけど、特典会で『うわー』ってなるときもあります。私たちのファンの中には自分から気にしてTシャツを持ってきて、においに気を遣ってくれている人もいて、優しい人が多いなって思っています」(aira)

特に夏のライブハウスともなれば会場にくるだけで汗だく。そしてフロアで沸けばライブ後の特典会の頃にはもうTシャツはずぶ濡れ状態。反面、エアコンがガンガンに効いている会場では変に汗が乾いて逆ににおいがするようにもなるという。

「私たちもロックアイドルなのでステージでめちゃくちゃ汗をかくからヲタクの汗は気にならないですね。むしろ、楽屋戻ってきたときが大変です。汗を拭いて制汗スプレーや香水でごまかしたりって必死です笑」(るゐ)

◆換気が不十分のライブハウスの楽屋

ライブハウスの楽屋は窓もなく換気が不十分のためにおいがこもる。たくさんの香水のにおいが混ざり大変なんだとか。

「いや~(楽屋に)入った瞬間にうわってなることあるよね!? あそこのライブハウスは楽屋狭いしこもってるな~って全然ありますよ」(ann)

デパートの化粧品売り場でも時折、香りが混ざり気になることがあるが、この楽屋は想像するだけでも「うっ」となる。

◆アイドル側の「においへの対策」は…

一方でアイドル側も自分たちのにおいを抑えるのに陰で色々な努力をしている。

「グループにもよると思いますが私たちの衣装も毎日洗えるわけじゃないですからね。しかも普通には洗えないので。だからにおいを抑えるスプレーをしていくとみんなその香りになっちゃうんですよ(笑)」(るゐ)

毎日のようにあるライブに同じ衣装では確かに毎日の洗濯は無理に等しい。オーダーメイドの衣装は特にクリーニングにも気を遣うだろう。だからこそアイドル達は香水という手段で上手く香り付けしているという。

「ライブ前後は正直もう香水でにおいをごまかすことは多いですね。メンバーによってこの香水が好きと分かれるのでいろんな香りさせてますよ。ファンの方からもプレゼントで香水いただいたりもするので」(aira)

特に特典会は激しいステージの後にあることが多く、その大変さはライブアイドルならではのものだろう。

「pipiaでは8月は特典会の時にファンが自由に使える制汗スプレーを置いてにおいのエチケットのキャンペーンやって呼びかけてます!」(ann)

においのエチケットの啓蒙活動も功を奏して、pipiaのファンたちはにおいには気を配っているそうだ。

◆マスクを外して気が付いた口臭問題

アイドル現場では何も汗や体臭だけが大敵ではない。コロナ禍があけ気になりだしたのは口臭だ。

「(口臭は)マスク外れて思いましたね! これはアイドル側も気を付けないといけないですしね。特典会に限らずですけど、やっぱり近くで話していて気になる人はいたりします。アイドルさんは出番前には歯磨きをしたり、タブレットを持ち歩いているのを見かけたりします」(るゐ)

アイドルは体臭だけでなく口臭を含めて全てのにおいに気を遣っていることがよくわかる。

pipiaメンバーの話から様々な夏のライブアイドルの汗対策、におい対策が見えてきた。ファンはこの話を参考にほんの少し思いやりをもっていればライブはさらに楽しくなることだろう。

まだまだ暑い日は続く。ぜひ着替えのTシャツとブレスケアを持参でアイドルのライブを思い切り楽しいでほしいところだ。なお着替えは「フロアではなくできればトイレなどで着替えてね!」とのことだ。

<取材・文/松原大輔 撮影/スギゾー>

【松原大輔】
富山県出身。中央大学法学部卒。在学中より故・永谷修氏に師事。文藝春秋『Sports Graphic Number』編集部などを経て2018年に独立。執筆活動のほか書籍の編集、YouTube制作、アーティストマネジメント、ライブイベントなどを行っている。Twitter: @matsudai0228

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