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21歳女子大生、“大人あり”の関係で1回10万円「そこまでお金に執着する理由は…」――大反響ニュース傑作選

日刊SPA! 2024年9月16日 15時44分

過去5万本の記事より大反響だった話をピックアップ!(初公開2023年2月17日 記事は取材時の状況) *  *  *

 ここ数年で市場が急拡大した「パパ活」。当初は若い女子と富裕層が互いの隙間を埋めるべくマッチングしていたが、コロナ禍で金銭ゲームの様相が激化。富める者と富まざる者の格差が急速に広がり、生業としたい者も流入した。

 そんななかで、パパ活をあっせんする交際クラブで面接官として働いた経験や、パパ活女子、彼女たちを買うパパたちへのインタビューを綴った日向琴子氏の『ルポ パパ活』(彩図社)が第27回小学館ノンフィクション大賞の最終候補作になるなど、話題を呼んでいる。

 今回は日向氏が、同著にも登場する女子大生の白石ヒナちゃん(仮名)のケースを紹介する。彼女はパパ活ブームに乗っかりパパ活で荒稼ぎするも、それと引き換えに貞操観念を完全に失ってしまった。

◆大学教授と内科医のパパは1回あたり10万円

 1回のパパ活で10万円を稼ぐヒナちゃんは、都内有名私立大学に通う21歳の女子大生だ。華奢だけど出るとこは出ている、子猫みたいに柔らかそうな髪をした可愛らしい女の子である。ヒナちゃんは出会い系アプリではなく、交際クラブに登録してパパを探している。交際クラブに入ったのは友達の紹介で、登録してから4ヶ月が経ったそうだ。これまでクラブから紹介された男性は8人で、そのうち2名とは今でも体の関係が続いているという。

「昔、アプリで1回男の人と会ったことがあるけど、騙されたりとか財布からお金抜かれたりとか、やり逃げされたりとかあるって聞いてたからちょっと怖くて。そのあと友達に『交際クラブがあるんだよ、そっちのほうが安全だよ』って教えてもらったんです。交際クラブでは当然、体の関係までいくものだと思ってましたね」

 現在ヒナちゃんが抱えているパパは1人が大学の教授で1人が内科医だ。

「教授は59歳の独身で恋人みたいな関係を求めてきます。女の子に対してロマンというか夢見てて、こじらせてんなーって感じなんですけど、経営学者だから色々教えてくれて。同じく50代の医者は体調悪くなったらすぐ診てもらえるし、普段から体調を気にかけてくれるし、そういう面でも助かってますね。医者は女の子を14人飼ってるので個性強いなと思いますけど、そのぶん割り切ってくれるので楽です」

◆パパ活で会った男性とは必ず“最後”までする

 TwitterなどのSNSでは「お茶や食事だけで10万円!」みたいな書き込みも見られるが、実際のところはどうなのだろうか。

「嘘です、嘘です。そんな人なかなかいないですよ。それか、したくない子はヤらずにお金を引っ張ってる。いいよって言いつつ、もうちょっと仲良くなったら、みたいな感じで2、3回会ったらフェードアウトする、みたいな。でも基本はみんな“最後”までしてますよ。お茶や食事だけなんて、ないない」

 ヒナちゃんは交際クラブで出会った男性とその日に最後までするのは基本的にOKで、1回のパパ活で手にするのは10万円。相場より高めの値段設定だが、この値段はどうやって決めているのだろうか。

「8万の子もいるけど、平均は5万ですよね。だから周りの子よりもらってる自覚はあります。5万以下だとできないっていうのは、安売りしたくないっていうプライドの問題です。その時の経済状況によるとは思いますけど、平均以下になるのはやっぱり嫌ですね。理想はパパ1人で月100万だけど、無理だと思うから何人かいてもいいです。100万で会い放題とかは嫌で、そうすると10回以上会いたいって言われるので絶対無理です」

 交際クラブは嫌な相手であれば断れるが、今のところ誘いを断ったことはないとヒナちゃんは言う。

「お金が欲しいが勝っちゃう。やりたいことがいっぱいあるんですよ。美容にむっちゃお金かかるし、家賃もかかるし、タクシーだって乗りたいし。投資とかFXもやりたいし、ビットコインももっと突っ込みたいし、親孝行もしたいし。私、両親にはパパ活のこと言ってるんです。母は今再婚して、父と一緒に暮らしてて。外食費を出してあげたり、旅行に連れて行ったりしてます。体の関係まであるとは言ってません。親は、応援はしてないけど知ってるって感じです」

◆高校生のときから援助交際、その延長でパパ活を開始

 そんなヒナちゃんが、自分の体がお金になると気付いたのは高校生の時だった。

「私、高校生の時からウリやってて。その頃、顔面偏差値今より低くて、2万とかで安売りしちゃってたんです。その頃は整形のためにもお金が欲しかったんですよね。トータルで整形に300万円くらいかけてるんですけど、整形する前と後では男の人の態度がまったく違う。もう、本当に違う。こんなにちやほやされるんだって。男って常々バカだなと思います」

 ヒナちゃんは高校生時代からお金に執着しすぎるがあまり、友達からも指摘されてしまうことが多くあったという。その原因は変わった家庭環境にあった。

「うち本当は貧乏じゃないのに、母親になぜか『うちは貧乏だ』って言われながら育ったんですよね。母親がちょっとおかしくて、2回くらい不倫して家を出て行ったり、自殺未遂を目の前で何回もしてたから、私は高校生の時から自分で生活費を稼いで、一人暮らしをしてたんです」

 整形で外見のアップデートを繰り返し、SNSやアプリから交際クラブへと主戦場を変えてきたヒナちゃんは、パパ活を始めてから、車や高級ホテルに詳しくなったという。

「パパ活をすることで人のお金で良いご飯食べたり、良いホテルに泊まったり、初めてお金持ちの世界を垣間見ることができたんです。ひとつひとつが自分にとって価値のある経験だと思ってて。もっと幸せになるにはどうしたらいいかって考えた時に、お金があったら幸せになる選択肢が増えるなって思って。それもあってお金に執着してるのかも」

◆パパ活は効率の良い「仕事」

 パパ活はあくまで仕事だと言い切るヒナちゃん。だが、体を売るような店では絶対に働かないという。なぜならそこに来る客は低俗でお金がなく、自分にとって何もメリットがないからだそうだ。

「パパ活は仕事。効率の良い『仕事』でしかない。でも店で働くのは嫌です、効率が悪い。そっちのほうが効率いいって人もいるけど、時間とリスクを考えると体も心も傷付くし、なんの勉強にもならない。低俗な金もない男と寝るなんて嫌ですね。

 パパ活は学べることも多いし、自分としてはお互いwin-winでありたいと思っていて。パパ活は自分が消耗する感じもないし、向いてると思います。体での行為自体はあんまり好きじゃないけど、死ぬほど嫌ってわけじゃないし、目を閉じて息止めてたらできるんで。だから、男性の見た目はあんまり気にしない。教授なんてやばいですよ。見た目がドブガエル」

◆彼女が割り切れる理由

 ヒナちゃんは「若いうちにお金持ちを捕まえて結婚するのが一番いい。そしたらパパ活はしないと思う」と話すが、“大人アリ”のパパ活を「仕事」と割り切れるのはなぜなのだろうか?

「Hな動画を見るとき、私、無理やりみたいなのとか、そういうのが好きなんですよ。性欲はあるけど、結局パパ活って、ヤる前提で集まるわけじゃないですか。でも、そういうのより、絶対やっちゃいけない友達関係なのに、飲んだ勢いで、みたいな時にしか興奮しないんですよね。

 アプリで会おうってなっても、お互い『今日ヤるのかな、ヤラないのかな』とか思ってるのは嫌なんです。絶対ないだろっていう関係でヤるのが一番いい。だから、それ以外はどうでもいいんです。興奮するわけじゃないから、お金になるんだったらいいじゃんって感じで」

 ヒナちゃんが「仕事」と割り切れる理由に、妙に納得してしまったが、パパ活が彼女の貞操観念の崩壊に拍車をかけているような気がしてならない。

<取材・文/日向琴子>

【日向琴子】
漫画家、コラムニスト、ラブホテル評論家。2020年 高野山真言宗 にて得度、出家。22年に伝法灌頂、阿闍梨へ。著書に『ルポ パパ活』(彩図社)など。

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